コミュニティFMとは、「一部の区域の需要を満たすため」に、市町村単位の規模で運営されるラジオ局のこと。
千葉市民に向けて楽しい情報を発信する「SKY WAVE FM」を取材しました。
公開 2021/05/17(最終更新 2021/05/12)
編集部 モティ
編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB
記事一覧へ災害時に命を救うラジオ局を目指して
今年1月から放送を開始した「SKY WAVE FM」は、千葉市待望のコミュニティFM。
音楽番組や情報番組を中心に、毎日楽しい番組を届けています。
運営するのは、千葉市中央区の物流会社。
一見ラジオとは無縁の業種に思えますが、代表の久保田耕司さんは、元・役者志望。
大学生の頃に映画会社などで演技の勉強をしており、エンタメへの関心が高かったそうです。
大学卒業後、証券会社と運送会社を経て2003年に独立。
しばしエンタメからは離れていましたが、10年前の東日本大震災の際、災害時の情報伝達の大切さを実感したのをきっかけに、ラジオに興味を持ちました。
「ラジオからの防災情報は、たくさんの人の命を守る。千葉市にはそういったラジオ局がないと知り、ならば自分がやろうと思いました」と振り返ります。
まずは勉強のため、都内でコミュニティFMを運営する社長の下、3年ほど番組作りを経験。
企画からタレントのキャスティング、編集まで自ら行い、ノウハウを蓄積しました。
並行して第一級陸上無線技術士などの免許を取得し、千葉ポートスクエア(千葉市中央区問屋町)の屋上にアンテナを設置、オフィスの一角を改装してスタジオにしました。
昨年7月、総務省から周波数「89.2MHz」を振り当てられ、晴れて「SKY WAVE FM」が開局しました。
一人でも多くの人に情報が届くように
放送エリアは、千葉市中央区と隣接する稲毛区、美浜区、若葉区、緑区。
ですが、名前の由来である、「電波は空でつながっている」という思いの通り、高さ140mにあるアンテナは周囲に遮る物がないため、屋外であれば花見川区や船橋市、八千代市、さらに新宿や池袋のあたりまで電波が届きます。
中には、伊勢原市で受信できたという報告もあったといいます。
千葉市と防災協定も結び、行政と連携して防災情報を伝える準備も進みます。
現在、千葉ポートタウン内1カ所のサテライトスタジオも、今後は増やしていく予定。
「いざというときにたくさんの人に聞いてもらうには、普段から面白い番組を発信してファンを増やす必要があります。そのためにも、番組内容をより充実させたい。89.2MHzの周波数は大切な財産。後世に受け継がれるラジオ局にするのが目標です」と久保田さんは熱い思いを語ってくれました。