おいしいパンがあればそれだけで毎日ゴキゲン!! 

「やっぱりパンが好き!」そんな皆さんのために、長年地域で支持され続ける名店と、ジワジワ人気上昇中の注目店を紹介します。

 

地元愛され名店 その1 
クロワッサンファクトリー五井店(市原市)

地域で愛される名店と言えば、木更津、君津、そして市原で店舗を展開する「クロワッサン」。
1980年に富津市の青堀駅前に小さなお店を構えたのが始まりです。
市原市五井の「クロワッサンファクトリー 五井店」は、2004年にオープン。創業夫婦のお子さんに当たる橋爪謙典さんが店長を務めています。

クロワッサンのコンセプトは、「パンを通じて幸せを届けたい」。
材料や製法にこだわり、なるべく添加物を使わない、安心して食べられるパンを多くの人に届けることで、心も体も幸せに。そんな思いを胸に日々パン作りに向き合っています。

クロワッサンファクトリー五井店には種類豊富なパンがずらり

店頭に常時並ぶ約80種類のパンには、北海道産の小麦粉を使用。パンの種類によって小麦粉の種類を変えたり独自にブレンドしたりして、風味や食感に変化を付けています。ロングセラー商品もたくさんあるのですが、どの品も時代に合わせて少しずつレシピを見直し、常においしさを追求しているそうです。

そんな「クロワッサンファクトリー 五井店」の人気商品ベスト3はこちら!

クロワッサンの幸せ食パンは一番人気
幸せ食パン 1斤378円(2斤756円、3斤1,134円)

「毎日食べてもらえる食パンにしたい」と考案された「幸せ食パン」。石窯で焼き上げるので耳までふんわりやわらかいのが特徴です。
口に含むとスッと消えるようなくちどけの良さは、長時間発酵のたまもの。発売から15年ほど経った今も安定した人気を誇ります。
ほのかな甘みと豊かな風味が感じられ、食べると本当に幸せな気持ちになれる食パンです!

店名でもあるクロワッサン
クロワッサン 248円

店名にもなっているクロワッサンは創業時からの看板商品。少しずつレシピを改良して、常に「一番おいしい」味わいを目指しています。
パン種は、ポーリッシュ種の他、乳製品と相性のいいサワー種を使用してほのかな酸味もプラス。サクサクの生地を噛みしめると、全粒粉の香ばしさがフワッと漂います。

 

コトコト煮込んだカレーパン
コトコト煮込んだカレーパン 248円

玉ねぎやセロリ、ニンジンなど、香味野菜をたっぷり入れて4時間以上じっくり煮込んだ自慢のカレー入り。野菜の甘みが凝縮されたカレーは、程よい辛さで子どもにも人気です。
ひき肉の他、大豆ミートも使用したヘルシー志向のカレーパンです。

「日常の楽しさや幸せを『パン』を通して提供したい」という思いから、技術力の向上や新商品の開発など、妥協のないパン作りを目指す同店。

2年前からは、営業時間終了後でも購入できるようにパンの自販機「無人ベーカリー」を五井店、君津店、木更津店に設置しています。
(※販売時間は19時~翌日8時)

パンの自動販売機「無人ベーカリー」

フードロスをゼロにする取り組みの一環としてスタートしましたが、5~6種の詰め合わせで500円と消費者にとってもお得な内容。中は開けてのお楽しみとのことで、普段は手に取らないパンを味わえるきっかけにもなりそうです。

クロワッサンファクトリー 五井店
住所 千葉県市原市五井西4-3-21
営業時間 8時~19時、土日祝7時~19時
定休日 なし
アクセス JR五井駅から車で7分
P あり
電話番号 0436(22)2010
HP https://croissant-shop.jp

地元愛され名店 その2
ボー・スィエル(四街道市)

フランス人シェフのジャン・デリニオンさんが、1990年にオープンした「ボー・スィエル」。フランス語で「美しい空」を意味する店名は、当時店舗のあったみそら地区に由来します。

オープンの経緯は少しユニーク。パン職人として長年の経験を持つジャンさんは、その知識を生かし、製粉会社に技術指導者として関わっていました。しかし、サンプル用に配合した粉は、どうしても余りが出てしまう。そこで、自分のためだけに製パンの研究を重ね、出来上がったパンを近所の人に振る舞っていたところ評判となり、お店を始めることになったそうです。

「日本の地方都市とフランスやヨーロッパの食文化の交流」をコンセプトに、伝統的な手法にこだわったパンやケーキの他、チーズや自家製テリーヌ、輸入食材の販売も。週末だけのフランス料理の総菜も好評。

2017年に現在のもねの里に移転した後も、そのコンセプトを大切にしています。

四街道のボー・スイェルはフランスのムード満点

今では2代目オーナーの賢治さんが父の理念を受け継ぎ、お店を切り盛り。
お店がこだわる「伝統的な製法」とは、素材を厳選するのはもちろん時間をかけた丁寧なパン作りのこと。「トラディショナル(415円)」は、名前の通り最もその手法が生かされている象徴的な商品の一つです。

ボー・スイェルのアイコン「トラディショナル」
フランス製のふすま入りの小麦粉を使用し、通常の発酵より倍以上の時間をかけることで、より濃く、深い風味に。古典的なフランスパンに近い、ずっしりと重い食感です。

同じフランスパンでも「ディレクト」という製法で作ったパン群は、味わいも食感も軽く、食事と合わせるのがオススメとのこと。ディレクトが脇役なら、トラディショナルは主役となるパンなのだそうです。

ハード系からデニッシュ系、サンドイッチまで、魅力的な商品がたくさん並ぶ店内。常時200以上のアイテムは7割が定番で、残り3割が曜日ごとにさまざまな種類が登場する「スペシオ(スペシャル)」。

そんなボー・スィエルの人気商品はこちら!

トレビアン 356円(1/2本)
トレビアン 356円(1/2本)

35年間変わらぬ味を守る人気No1の山型食パン。さまざまな材料を「足す」のではなく「引き算」し、極力シンプルな材料でおいしさを追求。水分の含有量が多く、一般的な食パンが粉に対して60%ほどなのに比べて、トレビアンは85%以上! ふわっと口でほどけるようなやわらかな食感です。

水分量が多ければ多いほど生地の扱いは難しくなるため、職人の技術力の高さがうかがえる一品。

パンバーニャ 530円
パンバーニャ 530円

「パンバーニャ」は、南フランス・ニース地方の名物料理。漁師が漁の途中に片手で食べられるよう考案されたといわれています。マリネしたラディッシュや玉ねぎなどの野菜、ツナ、オリーブ、トマト、ゆで卵などをサンド。オイルが馴染んでしっとりとしたパンと具材のシャキシャキ感のコントラストも楽しい!

ガレット・デ・ロワ 2700円(ファミーユ)
ガレット・デ・ロワ 2,700円(ファミーユ)

アーモンド生地をパイで包んだフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」。現地では新年に人が集まった時に食べるお菓子として定番だそう。
切り分けた際に、フェーブと呼ばれる小さな人形が入っていた人がその年の王様。ボー・スィエルでは、1月いっぱいの販売です。家族サイズのファミーユの他、2、3人向けの「プティノンブル(2,160円)」も。

「フランスには、『エピスリー』という食品雑貨のお店がありますが、私たちのお店はそのイメージに近い。食にまつわるさまざまなモノから『フランス』が感じられる場所を目指しています」と賢治さん。自分たちだからこそ作れる商品を大切に、これからも四街道の地でフランス文化を発信していきます。

ボー・スィエル
住所 千葉県四街道市もねの里6-16-3
営業時間 9時~17時(売り切れ次第終了)
定休日 月曜・祝日
アクセス JR物井駅から徒歩15分
P あり
電話番号 043(310)6020
HP https://bc-pain.com/

注目の新星ベーカリー その1
Tiny Bakeryトイットさつき(千葉市花見川区)

2021年にオープンした大きな屋根が印象的な「Tiny Bakeryトイットさつき」。手掛けたのは、住宅の建築やまちづくりを担う不動産デベロッパーの(株)拓匠開発です。

トイットとは、フランス語の「トワ(屋根)」に由来する造語。「大屋根の下にさまざまな人が集まり、交流する場所になったら」という思いが込められています。

大きな屋根が目印のトイットさつき 
同社では、「自社分譲地と地域に住まう住民同士がコミュニケーションを活性化させる場所にしたい」という考えからベーカリー事業がスタート。1店舗目の「トイット」は、野田市みずきの分譲エリアに2018年に誕生しました。立ち上げに関わったのは、現在「Tiny Bakeryトイットさつき」の店長を務める丹羽祐介さんです。

「Tiny Bakeryトイットさつき」は2店舗目となりますが、実は商品のラインナップは「みずき」と全く異なるそう。

「みずきはこぢんまりとしたお店。一方でさつきは天井高があり内装もシックな雰囲気なので、店舗のデザインに合わせて、華やかでちょっと贅沢なパンを展開しています」と丹羽さん。
食パンやバゲットといった、ベーシックなパンも全てレシピを変えているとのこと。手間もコストも大変そうに思えますが、「住む人や立地、お店の大きさによって、パン屋さんの役割も変わるはず。ならばその地域やお店に合わせて商品も変えたほうがきっと楽しい」と丹羽さんは続けます。

丹羽さんがパン作りで大切にしていることは、「おいしいパンを届けたい」というシンプルな思い。流行っているから、売れそうだから…という理由ではなく、「食べてほしい!」という自身の気持ちから生まれるアイデアを大事にしています。

「Tiny Bakeryトイットさつき」では平日は60~70種、週末は約80種のパンを販売。その中でも、特に人気の高い商品を教えてもらいました。

 

トイットさつきのさつき食パン 330円
さつき食パン 330円

生地に使う小麦粉の一部にお湯を足す「湯だね製法」を採用し、もっちりしっとりとした仕上りに。2、3日経ってもやわらかいまま!

ちなみに「みずき」の食パンは対照的に、リッチでやや甘みのある味わいだそうです。

トイットさつきのみかんとクリームチーズ 280円
みかんとクリームチーズ 280円

セミハードのパンに、クリームチーズがぎっしり。甘酸っぱい旬のみかんとクリームチーズは相性抜群です。

トイットさつきのスイートポテト 300円
スイートポテト 300円

ペースト状にしたさつまいもにバターを加え、フィセル(細長いフランスパン)にのせてオーブンでこんがり。トイットさつきの人気No.1商品です。

ちなみに、隣の建物には平屋のモデルルームも兼ねたイートインスペースの「平屋びと」があります。


季節ごとにインテリアが変わり、友人宅に遊びに来たような雰囲気の中でゆっくりパンを食べることができます。ホットコーヒー(150円)などドリンク類の販売の他、トースターやカッターボードがあるので、パンの温めやカットもセルフサービスで可能です。

「トイット」は前述の通り、暮らしに寄り添う「地域のコミュニティ」の役割を重視しているため、単純な店舗拡大はしないと拓匠開発の担当者。
2022年10月には商業施設「the RECORDS」に3店舗目が登場しましたが、こちらも「隣接する千葉公園の散歩がてら、人が集まる場所に」という想いがあるそうです。もちろん商品ラインナップも独自のもの。

運営する拓匠開発も同様に、その街の持つ雰囲気を反映させた家づくりを大切にする会社。共通の思いがあるからこそ、住宅×ベーカリーの親和性がより高まるのかもしれません。

Tiny Bakeryトイットさつき
住所/千葉県千葉市花見川区さつきが丘1-28-9
営業時間/8時~17時(売り切れ次第終了)
定休日/水曜日
アクセス/JR新検見川駅から車で10分
HP/ https://takusho.co.jp/toit/

新星ベーカリー その2
BAKERY&cafe 辰巳倶楽部(市原市)

2022年11月19日、市原市辰巳台に待望のオープンを果たした「BAKERY&cafe 辰巳倶楽部」。
店頭には、お店のロゴモチーフにもなっているクロワッサンをはじめ、フルーツたっぷりのデニッシュパン、カレーパン、あんバターサンドなどおいしそうなパン約80種がズラリ。

辰巳倶楽部 ベーカリー&カフェ

おしゃれな店内には、ゆったりとしたカフェスペースに加えて、日本庭園が見渡せるテラス席もあり、パンを買いに来る人だけでなくのんびりとお茶を楽しむ近隣の方たちも来店し、にぎわいます。

辰巳倶楽部ベーカリー&カフェのテラス席

パン屋に日本庭園というちょっと不思議な取り合わせですが、実はこちらの建物は、造船会社の持ち物。以前は船に関するセレモニーなどで海外からの来賓をおもてなしするために使われていたそうです。

「BAKERY&cafe 辰巳倶楽部」は、隣接する「ホテル辰巳倶楽部」を運営する(株)NHファシリティーズのベーカリー部門として誕生しました。
発案は、同社の営業企画部の社員。辰巳台エリアを盛り上げたいと考えていたところ、自身も学生時代にパン屋でアルバイトをしていた経験から「パン屋はまちのにぎわいを創出する」と思い至りました。

そこで、築56年になるこの建物に着目。立派な庭があるのに活用されていないのはもったいないと、この場所にパン屋をオープンすることに決めたそうです。

パンを手掛けるのは、ホテルの総料理長も務める楠田肇さん。

ベーカリー部門立ち上げの際には、パン作りを学ぶため東京都杉並区の「コムギノホシ」へ修業に出かけたそうです。
齢56歳にして初挑戦の連続という楠田さんは、「パンは一つの工程でも間違えると焼き上がりに影響が出ます。『パンは嘘をつかない』と言いますが、そのデリケートさも含めてとても楽しんでパン作りに取り組んでいます」とにっこり。
現状に満足するのでなく、お客さんのリクエストから新商品を考えるなどして、もっともっと、多くの人においしいと思ってもらえるパンを提供したいとほほ笑みます。

そんな楠田さんに、BAKERY&cafe辰巳倶楽部のおすすめパンを教えてもらいました。

自家製牛肉カレーパン 238円
自家製牛肉カレーパン 238円

一番の人気商品は、大きめにカットされた野菜やお肉が存在感抜群のカレーパン。数種類のスパイスを使って5時間じっくり煮込んだカレーは楠田さん自信を持って薦める一品で、大人から子どもまで食べやすい味わいに仕上げています。

塩パン 140円
塩パン 140円

外はカリカリ、中はモチモチの食感が楽しめます。バターをたっぷり使用し、焼成後に熱で溶けだしたバターもさらに上から塗って風味をより豊かに。フランス産のゲランドの塩をほどよい「塩梅」にまぶしてアクセントに。

辰巳倶楽部のクリームパンダ 119円
クリームパンダ 119円

ホテルのシェフが作る自家製カスタードクリーム入り。かわいらしいパンダは子どもから絶大な人気を誇ります。この他、自家製チョコカスタードクリーム入りの「チョココアラ」もあり。

パンを通して地域の活性化に貢献したいと、自慢の日本庭園でのイベント実施にも意欲的。「おいしさはもちろん、楽しさも提供できる場所でありたい」と、辰巳台エリアの憩いの場として地域活性化への貢献に意気込みます。

BAKERY&cafe 辰巳倶楽部
住所 千葉県市原市辰巳台西1-11
営業時間 9時~18時(売り切れ次第終了)
定休日 火曜日
アクセス JR八幡宿駅から車で10分
P あり
電話番号 0436(75)3766
HP  https://bakery-tatsumiclub.com/
Instagram https://www.instagram.com/bakery.and.cafe_tatsumiclub/