船橋市を中心にカフェやマルシェに出店する出張花屋「スリフト」。

より身近に、より手軽にお花を楽しむ暮らしを提案し、人気を集めています。

1本から購入できる生花や、花束、ブライダル、店舗の装花も手掛ける店主の長谷川桃子さんにお話をうかがいました。

公開 2022/12/30(最終更新 2023/12/26)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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色とりどりの世界。1枚の絵のような出張花屋さん

カフェの軒先やマルシェを画布に見立て、まるで絵の具をたくさん使って作品を描くように小さな世界をつくり上げる、今回はそんなお花屋さんをご紹介します。

出張花屋「スリフト」
毎月第2木曜日は、船橋市習志野台のおやつカフェkoyausagiに出店

船橋市を中心に、出張花屋「スリフト」として活動の場を広げている長谷川桃子さん。

1本から購入できる生花や、フラワーベース(花器)、ドライフラワーのスワッグなどを多彩に取りそろえて華やかな空間をつくり上げます。

フラワースタンド
街角に現れたお花たちに、道行く人も思わず足を止めて笑顔に(写真提供・スリフト)

お花の仕事を始める前はアパレル関係の仕事に就いていた長谷川さん。

「色がたくさんで、かわいいものが好き」とほほ笑むご本人の装いも、カラフルで独創的。

彼女も含めて1枚の色彩豊かな絵画作品を見ているようで、心が弾みます。

出張花屋「スリフト」 珍しいお花
(写真提供・スリフト)

スリフトのフラワースタンドには、色や形が珍しい生花も。

「まちのお花屋さんでよく見かけるお花ももちろんありますが、普段あまり目にしないような種類も選んで仕入れています。新しい出合いや発見があると思います」とにっこり。

「かわいいって思うものをそろえるので、バランスは良くないかもしれませんが、お花はどんなふうに合わせてもかわいく仕上がります。大好きなお花に囲まれてしあわせ」と実にうれしそうに話す長谷川さん。

スリフトのお花は、ドライフラワーにしやすい種類も多く、「生花を飾ったのち、ドライにして気に入ったお花を長く楽しんでもらえたら」とのこと。

実際、あるカフェでの出店に毎月来てくださるというお客さまは、購入した生花をドライにして集めており、いつかそれらを束ねてスワッグ(壁飾り)を作りたいと話しているとか。

フラワーベース
(写真提供・スリフト)

アート作品のような花器が店頭に並ぶのも、スリフトの特徴のひとつ。

ひとつひとつに存在感のある、ガラスや陶器の花瓶が雰囲気に花を添えます。

「こちらも珍しいものを集めるようにしています。お客さまが手に取って選んでくださるとうれしい」と笑顔を見せます。

スリフトが手がける店舗装花、ウエディング、ワークショップ

出張花屋としてだけでなく、さまざまなシーンでオーダー制作を行い、活躍の場を広げている長谷川さん。

ネイルサロンのディスプレイ
船橋市にあるネイルサロンのディスプレー(写真提供・スリフト)

住居や店舗への生け込みや、

ブーケとブートニア
赤いバラをメインに束ねた、ドライフラワーのブーケとブートニア(写真提供・スリフト)

ウエディングのお花の仕事も増えています。

「直接お会いできなくても、お客さまの思い描くイメージ通りにお作りできるよう、何度もやり取りをして丁寧に進めていくことを心がけています」と話します。

出張花屋「スリフト」 ワークショップ
(写真提供・スリフト)

季節や行事に合わせてリースやスワッグを制作する、スリフトのワークショップ。

活動が広く周知される中、お客さまからの要望に応えるかたちで着手しましたが、実はワークショップは苦手だったと明かします。

「人前で話したり、注目されたりするのが得意ではなくて、説明も上手ではないと思っています。でも、その分参加してくださるみなさんが自由に個性豊かに制作を楽しんでくださって。『この雰囲気が良い』と何度も来てくださる方もいて、ワークショップ楽しいなって思うようになりました」とはにかんだ笑顔を見せます。

これからのこと、そして大きな夢

フラワースタンドという出合い方を通して、普段はお花屋さんに入ることをためらう人にも気軽にお花に親しむ機会を持ってほしい、と出張花屋を続けている長谷川さん。

出張花屋「スリフト」

「特に男性の方は、お花屋さんの店内に入るのに勇気がいると思うのですが、カフェの軒先やマルシェに出店していると、足を止めてお花を買ってくださる男性のお客さまも増えてきました」と、やりがいを感じている様子。

いつかは、自分のお店を持ちたいという夢もあります。

店舗装花
(写真提供・スリフト)

店舗全体をお花やグリーンで装飾する「店舗装花」も、長谷川さんが今後精力的に挑戦していきたいことのひとつ。

「以前、お店一軒の大掛かりなディスプレーを任せていただいたことがあり、とっても楽しかったんです!」と目を輝かせます。

「家族に協力してもらって、時間もかかって大変だったけど、勉強になったしやりがいもありました。今後はもっと任せてもらえるようになりたい」

そして大きな夢は、ずっと大好きで尊敬するYUKIさん(JUDY AND MARYの元ボーカリスト)からお花のオーダーを受けること。

「YUKIさんの作品の、ジャケットの装花を任されたいな」と話す長谷川さんは生き生きと希望にあふれていて、前向きな思いとエネルギーはどこかで憧れの存在と交差するのではないかと感じました。

スリフト ロゴ
友人の紹介で出会ったデザイナーさんによる「スリフト」のロゴ(写真提供・スリフト)

「スリフト」は、アルメリアの英名。

「思いやり」「共感」「心づかい」を花言葉に持ちます。

長谷川さんはこれらの花言葉を大切に、丁寧にお花と、お客さまと向き合っていきたいと話します。

お花を慈しむ気持ちがあふれる笑顔。

楽しげに心を込めてお花とお客さまに寄り添う姿は、季節を彩るお花とともに今日もどこかで色とりどりの世界をつくり上げています。

出店情報などの詳細はインスタグラムで公開されています。

スリフトが運ぶときめきを、あなたも楽しんでみてはいかがでしょう。

thrift (スリフト)
インスタグラム/@thrift_flowers
HP/https://thriftflowers.jp/