いったいどんなものなのか、不安に思う方も多い「更年期」。

正しい知識を身につけて、まだまだ長い人生を前向きに乗り切るシフトチェンジの時期だととらえれば気持ちもラクになりそうです。

公開 2023/05/24(最終更新 2023/05/19)

編集部 LEE

編集部 LEE

ライター&編集者。住民になって3年目、千葉や松戸について勉強中。過去に中華圏に住んでいたことがあり、アジア料理をはじめ食に関することが大好きです。趣味は写真、料理、手作り、旅行。X(旧Twiiter):@matudozumi

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更年期症状と更年期障害は違う?

個人差はありますが、女性の閉経の平均年齢は50歳。この前後10年ぐらい、45歳から55歳までの間に女性ホルモンが急激に減っていき、最後にはゼロになってしまいます。

このおよそ10年間のことを更年期と呼び、その間におこるさまざまな不調を「更年期症状」と呼びます。

更年期症状と上手につきあうために
引用: NPO法人ちぇぶらHP

更年期症状の代表的なものは、ホットフラッシュと呼ばれるのぼせやイライラ、粘膜の乾燥によるドライアイや性交痛、尿もれ、物忘れ、肩こりなど。

それらの不調によって本人や家族の日常生活に支障が出るような状態を「更年期障害」と呼んでいます。更年期障害は、例えば布団から出ることもできず、仕事を退職してしまう、イライラが止まらずに子どもと別居せざるを得ないなどの状況のことです。

更年期の症状はなぜおこる?

前述したように、女性は45歳から女性ホルモンが急激に低下します。でも脳はホルモンの急な変化についていけず「ホルモンを出せ!」と命令しますが、それでもホルモンが出ないのでパニックになり、自律神経が乱れてさまざまな症状が出てしまうのです。これらの症状は、実に9割の人が経験します。

知っておいてほしいのは、更年期症状には必ず終わりがくること。脳がホルモンが出ない状態に慣れると、症状はだんだんおさまってきます。

男性にも更年期症状はありますが、女性ホルモンと比べて男性ホルモンはゆるやかに減っていくため、症状の出方もゆるやかで気づきにくいという特徴があります。

医療機関ではどんな治療をする?

医療機関で行う治療は大きくわけて3つ。ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、運動や日常生活の改善です。最近のホルモン補充療法は経皮薬といって、クリームやパッチなどでホルモンを補うことができるので手軽に受けることができますよ。

更年期症状の対策方法アンケート

更年期症状の対策方法アンケート
引用: NPO法人ちぇぶらHP

また大豆イソフラボンが腸内細菌の力で変換されて生まれる成分「エクオール」は女性ホルモンと似た働きを持ち、サプリなどで摂取することができます。

体内でも作れるはずなのですが、エクオールを作る腸内細菌を持っているのは実は日本人女性で5割程度。

自分が当てはまるかどうかはエクオール検査キットで簡単に調べることが可能なので、気になる方はチェックしてみては。

運動はなぜ大事なの?

更年期の症状に対しては、運動が有効です。

軽い運動は自律神経を整え、更年期症状を緩和させる効果が認められていますし、更年期からの運動習慣は将来の生活習慣病の予防や、筋力低下・骨粗しょう症の予防につながります。


 

教えていただいたのは

松永まゆ子さん

更年期症状と上手につきあうために

PROFILE
NPO法人ちぇぶら認定更年期トータルケアインストラクター。テーマパークのエンターテインメントスタッフ、キッズダンスインストラクターなどを経て、更年期への不安から更年期について学び始める。現在は千葉県市川市を中心に講演活動やバランスボールインストラクター、マットエクササイズインストラクターとして活動中。
 

NPO法人ちぇぶら

「更年期サポート」をはじめとして女性の健康に関する社会問題の解決に取り組むNPO法人。女性の健康や更年期に関する講座やイベントを開催したり、伝え手となる講師の養成に取り組んでいる。

ホームページ/https://www.chebura.com/