「『保育園に行きたくない』と言って行き渋りをします。なかば強制的に連れて行ってしまう時も…。どんな声掛けをしたらいいのでしょうか?」という4歳女の子のママからのお悩みです。

保育園・幼稚園へ「行きたくない!」子どもの行き渋りの原因と対応
菊地一晴さん
聖徳大学 教育学部 児童学科 専任講師
保育教諭・保育士養成専門学校の教員を経て、2018年に聖徳大学へ入職。乳幼児の集団生活における発達について主に研究。

公開 2024/04/19(最終更新 2024/04/22)

雪道

雪道

高知県出身、船橋市在住。元英語講師。ロック好き。読書好き。月村了衛、笹沢左保、有栖川有栖が好きです。残りの人生の目標は、ピアノとドイツ語をならうこと。好きな言葉は「ご縁」。

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子どもの「行き渋り」は認知機能の正常な発達の証し

保育園・幼稚園へ「行きたくない!」子どもの行き渋りの原因と対応

一般的に自分の身の回りの事への理解が進む1歳ごろから「行き渋り」は始まります。これは認知機能の正常な発達の証しなので、むしろ安心してください。と言っても朝の忙しい最中に大変ですよね。

「行き渋り」の要因はいろいろありますが、2、3歳ごろは、いわゆるイヤイヤ期であったり、家庭によっては弟や妹が生まれ、もっと自分にかまってほしいといった愛着面の欲求の表れが挙げられます。4、5歳は、より自我が強くなる時期なので、家で好きな事を続けたい気持ちがあるかもしれませんし、社会性を育む時期でもあるので、園の友達関係で問題が生じている可能性も。また、連休明けや新入園や進級など、環境の変化も大きな要因の一つです。

子どもへの「ご褒美」も時にはOK! 普段の触れ合いを大切に

保育園・幼稚園へ「行きたくない!」子どもの行き渋りの原因と対応

行き渋る場合は無理強いはせず、4、5歳であれば自分の言葉で理由を話すことができるので、まずはよく話を聞いてあげましょう。そして対話の中で、その日の給食のメニューや行事、お友達の名前を挙げるなどして「登園につなげる道筋」を作ってあげます

言葉で伝えるのがまだ難しい年齢のお子さまの場合は、シールやお菓子などで気を引くのも時にはいいと思います。お子さまにとってママやパパの笑顔が一番大切なので、無理せずにそういった物にも頼りましょう。

いつもと明らかに様子が違う場合はお休みさせるのがいいですね。そういった情緒の変化は、日頃からお子さまの様子をよく観察し、目と目を合わせた対話、肌と肌が触れ合うコミュニケーションで気づくことができますので、心掛けてください。

また規則正しい生活習慣や外遊び、子どもと向き合う時間の確保など、こうした積み重ねが情緒の安定につながり、行き渋りも減っていくはずです。あとは園での様子を普段から聞いておくことも大切。いつもと違う様子が見られた時、園との連携がよりうまくいくと思います。