【千葉ジェッツ】伊藤俊亮選手 引退前インタビュー16年間の現役生活にピリオドを打つことを決意した
©CHIBA JETS FUNABASHI
1979年6月27日生まれ 神奈川県出身 204cm 112kg
背番号44 センター
204cmという高身長と強靭な肉体を生かしたプレーが人気の伊藤選手。中央大学在学中の2001年に全日本としてアジア選手権に出場。2006年の世界選手権にも出場。その後、リンク栃木ブレックス、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋に移籍後、20016年に千葉ジェッツへ移籍。
「イートン」という愛称で親しまれ、その柔和な人柄からみんなのお父さん的存在としてチームを束ねている。そんな伊藤選手、先日今期限りでの引退を発表しました。
引退にまつわる話や伊藤選手の人柄に迫る話など、伊藤選手にとことん聞いてきました!
※取材日/5月17日 (インタビュアー/いくら)
公開 2018/06/01
目次
千葉ジェッツのこと、引退のこと
ーーー約2年在籍している千葉ジェッツふなばし、どのようなチームだと思われますか?
入団当初から温かく迎えていただきました。
メンバーとは年齢差もありましたが、いまでは家族のようです。
入った頃は静かなチームで、練習中も声が出ていないと感じることも多かったですが、普段から僕も声出しを意識して改善していくことで、今は声が出てきました。
それとともに、ひとりひとりはもちろん、集団としても大きく成長したと感じています。
ーーーその「成長」の要因はどこだと考えていますか?
まず、ヘッドコーチが明確に成長へ向けての方針を打ち出したことだと思います。
その方針はチームの魂のようなもの。その明確な方針に沿って、メンバーが気持ちをひとつに向かっていけたのがよかったのだと思います。
ーーーチャンピオンシップはどのような気持ちで迎えられていましたか?
このCSで優勝するために準備をしてきました。
昨シーズンは、序盤で結果が出せなかったから後半にそれが響いてきたんです。
だから今年は最初から注意してみんなでこまかく声がけしながら慎重に進めてきました。
これからがつらく苦しいところなのですが、ここでみんながひとつになって最後まで進むことができれば、きっといい結果がついてきます。
それを信じて、みんなで苦しい状況を乗り越えられるようにがんばります。
ーーー普段練習などしているうえで、気をつけていたことはありますか?
私は感覚的に物事を進めてしまうことがあるので気をつけています。
最後のイメージを持ちながらやることで、今やっていることに意味を持たせることができる。
“なんとなく過ぎてしまう”ことだけはないように注意しています。
ーーー最後のイメージについてメンバーでも詳しく話をしているのでしょうか?
メンバー間では、そんな話からしょうもない話までするようにしています。
根を詰めて突き詰めてしまうとつらくなるタイミングも出てくるので、そのへんは気を抜けるような瞬間も作りながらチームの雰囲気を作り上げていければと思って過ごしてきました。
ーーー引退を考えた時期や理由を教えてください。
ジェッツに入団した当時は、まだできると思っていたのですが、去年の終わりくらいから思ったような動きができなくなりました。
ケガが回復しないままシーズンを迎えるなど、100%出し切れないと感じるように。プロとしてのパフォーマンスは難しいと感じたので、相談しました。
ーーー今後の展望を教えてください。
6月末までは選手としての契約が残っていますが、試合はチャンピオンシップが最後です。今は練習の時間も、ひとつひとつかみ締めながら過ごしています。
今後はフロントスタッフ営業のひとりとしての分野で、千葉ジェッツを支えていく予定です。
ーーー選手は引退しても、フロントスタッフ営業としてご活躍する予定ということは、千葉ジェッツに骨を埋めるつもりだ、ということでよいでしょうか?
あはは、埋めさせるスペースを与えてくれるのであればと思っています。土地をもらえるのであればぜひ骨を埋めたいです。
ーーー引退を決めたときにお子さんはまだ6歳、どのようにお話されたのでしょうか?
「引退するよ」と。
「選手はもうやめるんだ」と言うと、「え~~っ」と驚いてはいましたが、そのすぐあとに「引越ししないよね」って(笑)。
パパの仕事をすごく好きでいてくれるし、応援もしてくれているのが力になっていました。
こういう姿を見せるのは今だけだと思いながらやってきていましたが、だんだん役割が変わってきたときに、「パパに試合で活躍してほしい」と言われて説明するのが一番つらかったです。
やっぱり子どもにとっては、表舞台のパパが一番だったと思いますが、試合に出ている姿も見せられたのでよかったです。
ーーー伊藤選手はSNSでも活躍されていますね。
SNSとリアルの世界と、うまく両立させていけているのは自分の得意なことかなと思っています。
また、SNSが発端になったキングジムさんとのコラボ(※)は、選手のうちしかできないことだったと思っていて、SNS上でも選手としてひとつ結果を残せてよかったなと思っています。
(※ 伊藤選手がツイッター上でキングジムにからんだことから、Bリーグ×キングジムのコラボ商品開発がスタート。クリアファイルなど4商品が発売された)
ーーージェッツチャンネルは、選手たちの素顔が見えて、視聴者としてもすごく楽しいです。
ジェッツチャンネルは、ブースターの皆さんも楽しんでくれています。
ああいう番組があると、チームに愛着を持ってもらえて親近感が湧いてくるようで私たちもうれしいです。
選手たちも楽しむ力?魅力が上がってきていて、それぞれのキャラクターをうまく引き出しながらやれているのが、うちのチームのいいところですね。
プライベートな質問で千葉の魅力を
ーーーご自分の性格はどう分析されていますか?
飽きっぽくて頑固。
これと決めたら絶対やるし、やらないと決めたら絶対やらないんです。
ーーー飽きっぽいエピソードを教えてください。
う~~ん(笑)。あまり長続きしないという意味では、ノートを最後まで使えないとか、リップは絶対に途中でなくなるとか、そういうところがあるんですよね(笑)。
ーーー神奈川生まれで、栃木や名古屋などを経て千葉に来たわけですが、千葉のどんなところが気に入ってますか?
とにかく広くて、ひとことでは言い表せないくらいいろんな場所があることが魅力だと思います。
すごく多様性があって、船橋市だけでも田舎っぽさと都会っぽさが混在していてすごくおもしろいなと。
そんなおもしろい船橋に本拠地を構えているのですが、まだまだ千葉県全体では知名度もないので、今後は千葉県全域で応援してもらえるようなチームに成長したいです。
ーーー休日は千葉のどんなところに行きますか?
先日も、小湊鉄道のトロッコ列車に乗りに行ったんです。でも乗れなかったんです(笑)。
時間がどうしても合わなくて。調べていけばよかったんですけどね……。
近所の子どもまでせっかく一緒に連れて行ったのに、結局沢遊びをして終わりました(笑)。またリベンジしたいですね。
ーーーお子さんとはどういう風に接していますか?
GWや夏休み、正月なども試合があってなかなか遊べないので、そのぶん平日を大切にしています。
選手のうちは、練習時間も限られていて残業などもあるわけではないので一緒にいられる時間はとるようにしていますね。
「子どもとはアンデルセン公園や、ドイツ村にも行きました!」