【千葉ジェッツ】 富樫勇樹選手にせまる!!Bリーグ準優勝の立役者 性格は?メンタルコントロールは?今後の目標は?

 © CHIBA JETS FUNABASHI

1993年7月30日生まれ  新潟県出身 167cm 65kg
背番号2 PG(ポイントガード)

小柄ながら得点力のある選手として人気の富樫選手。
バスケットボールのコーチをしていたお父さんの勧めで小学1年生から始めたというバスケットボール。中学卒業後、単身渡米しバスケ留学。2012-2013シーズンに秋田ノーザンハピネッツ入団、bjリーグ新人賞。
2014年渡米、ダラス・マーベリックスと契約。日本人2人目のNBA契約選手となる。同年、Dリーグ/テキサス・レジェンズでプレー。2015年より千葉ジェッツ。

今季、Bリーグファイナル(5月26日 VSアルバルク東京)に進出した千葉ジェッツふなばし。シーズンを通しチームを引っ張ってきた富樫勇樹選手。強さの秘訣は? 今後の目標は?

富樫選手の魅力にせまります!

※取材日/2018年5月17日

 

公開 2018/06/01

TAEKO

TAEKO

生まれも育ちも千葉県です。わけあって富士山に登ろうと思ってます。 赤ちゃんの写真とめかぶにはまっています。

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今シーズンを振り返って

 

ーーーまずは、今シーズンのリーグ戦を振り返っていかがでしたか? チームとして個人として、昨年と違った部分はどんなところですか?

 

特に昨年と大きく変わったっていうのはないですね。

今まで一つ一つの経験があって、昨年1年間Bリーグを経験したことで、自分の中でいい意味の余裕がうまれました。

いいバスケットを個人としてもチームとしてもできて、しっかり自信を持ってプレーできたところが一番かなと思います。

 

ーーーチームの雰囲気はどうですか?

 

昨年も雰囲気良かったので、そこに違いはないです。

というよりは、昨年から監督が変わって、探り探りやっていたところを、今年は固めていけた部分があって、昨年からのプラスで積み上げができ、それをシーズン通して出せたと思います。その分チームとしても良くなってきたんだと思います。

 

ーーー毎試合ほぼ満員の千葉ジェッツ、この人気どう感じていますか?

 

スタッフの努力が大きいと思いますし、自分たちも「また見にきたい!」って思ってもらえるようなバスケットをできている証拠だとも思うんで、そこは自分たちも自信もっていくべきだと思います。

フロント、選手、チームスタッフ全員の協力でこういう今の状態ができあがってるって思います。

 

 

ーーー関係ができているということは、ホームでの試合とアウェイでの試合にやはり大きな差を感じますか?

 

レギュラーシーズンでは、アウェイがやりづらいとかは思わないです。

でも、チャンピオンシップになったとき、昨年の栃木の試合(2017Bリーグ1部のチャンピオンシップ準々決勝)を思い出すと、自分たちが相手の応援に圧倒されるんではなくて、相手チームがホームの声援に後押しされて、いつも以上の力を発揮しているなっていうのを強く感じたんです。

相手が声援に背中を押されていくのが分かったので、もしそれが自分たちのホームでやっていたら全然違う展開になったなっていうのはすごく思います。

川崎戦(5月12日―13日QUARTER FINALS 千葉ジェッツVS川崎ブレイブサンダース)に関しては、ホームじゃなかったら負けてたなって思います。

今までの船橋アリーナでの試合の中で最高の声援と一体感だったと思います。

 

ーーーフリースローのときのブーイングは気になるんですか?ブースターの声はよく聞こえますか?

 

ブーイングは気にならないです。あんまり気になる選手はいないと思いますよ。

試合中はそこまで一人一人の声は聞こえないですけど、シュートが入ったときのタイムアウトのとき、プレーがとまってるときの声援は聞こえますよ。

 

 

 

©CHIBA JETS FUNABASHI/Take-1

ーーー試合の大事なところ「ここぞ」というシュートを決める富樫選手ですが、大舞台でもあまり緊張しないですか? それともメンタルをコントロールするために何か心掛けていることがありますか?

 

正直なところ、自分が中心となってやっているチームっていうことを自信持って言えるので、自分のせいで負けたって言われること自体にたいして“怖い”っていう気持ちはないんです。

千葉ジェッツで2年間、個人として成長できたって自分でも思えるし、チームを引っ張っていけたっていう思いも自信もあって、自分に任せて欲しいっていう気持ちがあるので、緊張とかはないです。

はずしたらどうしようっていう風には思ってはいないです。

レギュラーシーズン通してチームとしてやってきた中で、誰が最後にボールを持つべきかというのは、常にうまれてくると思うんで、そこで信頼を勝ち取れてるっていうことが大きいです。

 

ーーー自身が一番強化したいところはどこですか?

 

フィジカルはあたり前のことだと思っているので、それ以上にシュートの質をあげることを今年は意識していたんです。

今年、想像以上に数字の上で結果が残ったんで、これを続けていきたいと思っています。

 

ーーー練習方法などを変えたんですか?

 

いや、昨年からそんなにやることは変えてないんですけど、ゲームのシチュエーションで、より相手とのスペースをしっかりとれるようになったんです。

シュートまでの持っていき方が、相手からのプレッシャーを受けずにうてているという感覚です。

 

ーーー相手によってスペースのとり方、間の取り方を変えていくということですか?

 

そうですね、相手のスペースのとり方によって変えていきます。

練習ももちろんそうですけど、今までの経験によって、シュートなのか、パスを選択するのかの判断がよくなった結果、シュートの確率が上がったということだと思います。

視野が広いっていうのは、余裕の部分が大きいと思うんですよね。

いろんな選択肢をもてるというか、例えばドライブしたときにドライブに集中し過ぎると他がみえなくなるので、ドライブは当たり前のようにして、そこからシュートなのかパスなのか、いろんな選択肢をみつけること。

見えているときっていうのは自分のなかで余裕があるときなんで…逆にカッとなってるときは、常にアタックアタックってなって周りが見えてないっていうことになるんで。

 

ーーー相手からのプレッシャーがあっても平常心を保つようにするのは難しいと思うのですが、どうやってコントロールしているんですか?

 

そもそもカッとなることはそんなに悪いことだとは思わないんです。

接触だったり、激しいスポーツなんで、カっとなることはあると思うんですよ。

もちろん相手に対してもそうだし、自分に対してもそういうことは当たり前。逆にそれがなくなったほうが選手としてどうなんだって思うんで、あまりそこは気にしてはないです。

試合によっては、それが影響して良くなかった試合も確かにありますけど、それ以上にカッとなった気持ちで、うまくなっていく自分もいるんで、いい方向に向かっているときのほうが多いと思っています。

 

ーーー先日、試合の合間にシャワーを浴びて気分を切り替えたということが話題になっていましたが、スイッチを入れたい時にする儀式とか、こだわっているジンクスとかありますか?

 

練習前は、シャワーでスイッチを切り替えられますね。

試合前にストレッチするとかルーティーンでやりますけど、左足から靴を履くとかそういうのは一つもないです。ジンクスとかそこまでこだわることはないですね。

 

 

ーーー今シーズンで引退をむかえた伊藤選手。富樫選手にとってどんな存在でしたか?

 

いちばん年上の選手ですけど、練習も試合もできることを全てやって、チームの助けに少しでもなろうって常に考えていた選手なので、練習に取り組む姿勢もそうですし、試合に出てるときは当たり前ですが、ベンチにいるときも本当にプロとして見本の選手でした。

淋しいっていう気持ちもあるんですが、うれしい気持ちがあります。

やりきったからこその決断だと思うんで、それって選手にとっては幸せなことだと思います。

長く「日本バスケ」を走ってきた選手なんで、運良く一緒にプレーできてきたことが幸せです。

今後の目標

ーーーバスケットボールをやっててよかったと思う瞬間は?

 

今までバスケしかしてきてないので、考えられないっちゃ、考えられないんですけど、どんな仕事をしても良かったと思える気がします。

何をしててもしっかりやりがいと楽しさを見つけられると思います。

 

ーーーチャンピオンシップの次の目標は?

 

長期の目標って今はなくて、オリンピックっていうのが、遠い目標でありいちばん近い目標になります。

オリンピックに「出る出ない」はもちろん、どうなるかわからないんですけど、自分の中の何かのターニングポイントになるんじゃないかという可能性を感じるんで、あまりその後のことを今そんなに想像していない状態です。

 

ーーーNBAは考えたりしますか?

 

どこにいても自分がうまくならないといけないと思うんで、そのためには出場、試合の経験がすごく大事です。

アメリカのDリーグ(NBA選手を育成する目的で、NBA後援のもと運営されているNBAデベロップメント・リーグ)にいた1年と、千葉ジェッツの1年目はそんなに多くの時間をもらえなかった。

その2年間で、いる場所ももちろんそうですけど出場するって言うことが最低条件だなって感じました。

日本で30分試合出れるのと、例えばスペインのトップリーグで10分も満たない平均時間でプレーするんだったら日本で試合に出てるほうがいいなって思ったんですよ。

自分がプレーできる中でのいちばんレベルの高いところでやりたいなっていうのは思います。

自分が出れるっていう自信を持っていけるところだったらいいと思うんですけど、自分の実力と自信っていうところがなくて挑戦しても無駄だなって思います。

その気持ちがしっかり固まったときじゃないとっていう思いはあります。

 

ーーーこれからの戦いに向けての意気込みを一言。

 

今年は、シーズンを戦っている途中からチャンピオンシップにいちばん近いチームだと全員が思って戦えたシーズンでした。

全員が目標に向かって勝ってこれたので、優勝したいっていう気持ちと、優勝できるっていう気持ちと両方あります。

昨年、悔しい思いをしたので、優勝して日本一の観客動員数であるブースターの皆さんの応援に結果を出すしかないと思っています!!

 

と語った富樫選手でしたが、残念ながら5月26日に行われたファイナルでアルバルク東京に60-85で敗北。準優勝に終わってしまいました。

しかし、試合後「1年間の努力を敵ながら感じたので、来年こそ僕らがみせる番だと思います。もちろん優勝できなかったのは満足ではないですが、プレシーズンも合わせてこのチームで80試合くらいを戦ってきたことに関しては、チームメートのことを誇りに思います。チームとしては良いシーズンを送れたと思います」と語りました。

 

今季は優勝まであと一歩というところで終わってしまいましたが、インタビューを通じて富樫選手の強い気持ち、チームを信じる気持ちがひしひしと伝わりました。

来シーズンは、優勝を勝ち取ってくれるはず!

千葉のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」。今後ますます目が離せません!

~番外編~プライベートな質問に原選手登場!! チームの雰囲気の良さが垣間見れた瞬間

ーーーもし自分が女性だったらチームの誰とつきあいたいですか? その理由も教えてください。

 

荒尾岳選手!

この世で岳さんのことを嫌いな人は一人もいないと思うんですよ。っていうような人なんで、誰にでも好かれる、いい人。

身長も高いので子どももちょっと期待できる。がちに考えました(笑)。

 

ーーー逆にこの人はやだなっていうひとはいますか?

(近くで練習していた原選手を指差して)

原かもしれない(笑)。

こいつはホントに彼女できない典型みたいなやつで、人に合わせるってことができないし、気は使えないし、どっか行こうって言っても、「いいよどこでも」って言うし、もう全部相手任せだし、デートの約束をしてても「ちょっと疲れた、家でDVD見よう」とか急に言い出して、「えー楽しみにしてたのに」って言われるタイプです、こいつは(笑)。

 

(写真左:富樫選手 写真右:原修太選手)CHIBA JETS FUNABASHI

(原選手)

「えー!!俺選んだの? いい意味で言えばいいじゃん~!気を使わなくていいってことじゃん~。俺の一番(いいところ)は怒らないところ!!お前の発言、影響力強いんだから~」(笑)

 

(富樫選手)

「ちゃんと太字で書いておいてください!原選手って」(笑)

 

ーーーオフの日はどう過ごしていますか?

趣味がないので、2年前から原ちゃんとゴルフ行きたいねってずっといってるんですけど、一回もいけてないんです。

ゴルフクラブはあるのに行けてない。

原ちゃんに関しては、ゴルフクラブはないけど、ゴルフバッグは持ってます(笑)。

 

ーーー買う順番ちがいますよね…??

(原選手)

「まじで置き場所なくて困ってますよ~」

 

(富樫選手) 

実際には、買い物したり家でごろごろしたりしています。

テレビのバラエティ番組が好きなので、録画しておいて、ずっとみたりしてますよ。

「千葉の思い出は、銚子の温泉で朝日がキレイだったこと」

 

原選手との掛け合いでは、試合やバスケの話のときの真剣な表情とは違う富樫選手の顔が見れました。チームの雰囲気の良さが伝わる瞬間でした!

 

Bリーグ初心者のための豆知識

ここで、Bリーグ初心者の方のために、簡単なルール説明です。
Bリーグのことよく分からない!バスケのルール難しい!!という方必見です。

まだ一度もBリーグを観にいったことないという方、来シーズンは千葉ジェッツを応援しに行ってみませんか?

 

B1は18チームあり、東・中・西地区で各6チームに分かれています。各チーム60試合を行い、各地区2位までと、それ以外の勝率上位2チーム(ワイルドカード)がチャンピオンシップに進出し、8チームによるトーナメント戦で優勝を決定します。B1の下位2チームはB2に降格し、B2の上位2チームがB1に昇格します。さらに、B1の16位とB2の3位が入れ替え戦を行い、勝ったチームも翌年B1入りします。

 

 

 

試合時間

10分×4回のクオーター制で計40分。第1ピリオドと第2ピリオドを前半とし、第3ピリオドと第4ピリオドを後半とします。前半と後半の間にハーフタイムが入り、チアダンスの応援などが会場を盛り上げます。

試合人数

5人制(出場登録は10人以上12人以内)で交代は何度でも可。反則1人につき5回で退場となります。

得点方法

スリーポイントラインの外側からのシュートは3点、内側からのシュートは2点。フリースローは各1点(スリーポイントラインの外側でのファウルに対しては3回、内側でのファウルに対しては2回のフリースローができます)。

24秒ルール

攻めるチームは24秒以内にシュートしなければなりません。

シュートが入らなくてもリングにボールが触れれば、24秒はリセットされます。またバックコートでプレーしているチームは、8秒以内にフロントコートにボールを運ばなければなりません。