佐倉には戦国時代から500 年伝承してきた古武術の流派があります。
抜初演武は藩主臨席で行われた年頭行事。
江戸時代堀田家からの奨励もあり、立身流は佐倉サムライ必須の武術でした。
公開 2020/01/16(最終更新 2022/03/09)
稽古は日本刀の真剣を使う
木曜夜、佐倉支部の稽古を拝見。
「礼」。山田市郎師範の号令で剣道場の空気は厳粛になります。
居合は、日本刀を鞘に収めた状態で帯刀し、抜きざまに攻撃を与える技。
剣士の多くは稽古でも真剣を使います(初心者は木刀や模造刀を使用)。
世界に誇る切れ味を持つ刃物は、触れれば即座に事故やけがにつながります。
「ひゅん」ー刀が空を切る音に身が縮みます。
居並ぶ剣士がスッと正座から立ち上がり、柄に手をかけ鯉口を切り抜刀、刀を旋回、鞘に刃を収め正座に戻ります。
流派独特の形動作の中で体勢や気構え、呼吸などのポイントを丁寧に確認。
一つ一つが合理的な理由を持ち磨き抜かれてきたもの。
洗練された流れるような一連の動作はクールで力強く美しい。
佐倉っ子よ!立身流武術を見よ
千葉県指定無形文化財である立身流の抜初演武の見みどころは、「多種の武具を扱う技が一度に見られること」と山田師範。
立身流は「いかなる武器を持っても必勝、持たなくても必勝」の総合武術。
中心は居合と剣術でしたが、戦国時代の戦闘の流れをくみ、鎗、長刀、短刀、四寸鉄刀など、伝承する武器の種類が多いです。
武器を失えば落ちている棒(六尺)や半棒を拾って戦い、素手ならば(柔術)で戦います。
また、実際に竹や畳表の筒などを斬る鍛錬、「試切」は迫力満点。
力は必要だが、刃筋を立て、呼吸・握り・スピード・タイミングなどが最高に一致すると、切られたモノはただ下方にスッと落ちる」といいます。
かつて藩外不出とされた立身流も、現在は佐倉にとどまりません。
3カ所の国内支部と海外支部(オーストラリア・フランス・スペイン)で女性も合わせて200人ほどが修練を積みます。
オリンピックイヤーの今年。
あなたは世界に誇る佐倉のサムライ武者の目撃者になるかも!?
立身流 抜初演武大会
日時/1月26日(日)、午後1時~午後4時
場所/佐倉市中央公民館大ホール
住所/千葉県佐倉市鏑木町198-3
※入場無料、見学自由
問い合わせ/ 043-484-2800 山田
HP/http://www.tatsumi-ryu.org/