【読書感想文】 本選びは?書き出しは?書き方のコツを教えます!!

※こちらの記事は2019年7月23日に更新されました。

 

夏休みの小学生ママたちの困りごとの一つ、宿題。

子どもたちだけで完結できればいいのですが、簡単にできないものってありますよね。

みんなが大変に感じている宿題って何なのでしょうか? 小学生ママ20人に聞いてみました。

 

■夏休みの宿題で、子どもが苦手と感じているものはどれですか?■

① 読書感想文…15人
② 自由研究…4人
③ ドリル系…1人
④ 工作系…0人

ご覧のように、たくさんの子ども達が読書感想文の宿題を苦手と感じているようです。

ママも子どももノンストレスで宿題を終わらせたいですよね。

そこで、読書感想文の書き方のコツ教えます!

ぜひ、参考にしてみてください。

 

公開 2019/07/24

TAEKO

TAEKO

生まれも育ちも千葉県です。わけあって富士山に登ろうと思ってます。 赤ちゃんの写真とめかぶにはまっています。

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まとめ方のコツ。 簡単に読書感想文を書く方法

はじめに、夏休みに「読書感想文の書き方」を授業で教えているという「IBリーダーズ」塾長の高橋侑也さんに書き方のコツを聞いてみました。

【1】本の選び方

子どもがいちばん興味関心をひいたものを選びます。本人がどう思ったかが大事。

本を読むのが苦手な子は、背伸びをせず、3,4年生だけど、1,2年生用の本を選んだり、写真や絵が多いものを選んだりしても問題ありません。

読んだときに、きちんと中身が入ってくるものを選んでほしいので、課題図書に興味がないようなら課題図書にこだわる必要はありません。

例えば、野球をやっている子だったら野球の本、昆虫が好きならファーブル昆虫記など少しでも興味を持つものを選ぶようにすると書きやすいです。

 

Advice
せっかく同じ時間を使うなら、「終わらせなきゃいけない」ではなく、ちょっとでも興味をもってもらえるような本を選びましょう!

【2】本の読み進め方(下書きまでの流れ)

本を読む前に、付箋を用意します。

大き目の付箋を用意し、本を読み進めながら気になった部分に付箋を貼ります。

そのとき「このシーンなんでだろう?」「ここおもしろい!」など疑問に思ったことや簡単な感想、心動いたことなどを付箋に書き込みます。

そうすると、子どもが気になったところが全部付箋にのっていくので、まとめやすくなります。

“貼る”という行為が入ることで、自分の意識の中に留まりやすく、あとで思い起こしやすいのです。

 

Advice
低学年や読書感想文が苦手な子は、「すごい」「かわいそう」など感情の変化が分かる言葉だけでOK!

 

~付箋のまとめ方~

A3くらいの紙を用意します。

用紙の上部に感想コメント入り付箋を貼り、付箋の下になぜそう思ったのかを簡単に書きます。

それが下書きになります。

低学年の場合は、ママ(パパ)が一緒に付箋を貼りながら、「ここのどんなところがすごいと思ったの?」と、質問しながらまとめてあげましょう。

高学年になってくると、マインドマップのように、主人公の感情、自分の感情、シーンなどに分けて、自分なりに分類していけるようになります。

 

Advice
感想文の構成を考えるうえでも、1番最初に言いたいことはここ、2番目3番目はここというように付箋の貼った用紙を見ながら構成も考えるといいでしょう。

【3】原稿用紙の書き方

作文用紙の使い方がぐちゃぐちゃだと後々大変になってしまうので、書き方の基本はおさえましょう。

①本文と氏名は最初に書く

②本文の書き出しや段落のはじめは1マスあけて書く

③文字は1マス1字ずつ書く。ただし、『。』と『」』が続くときは、二つを1マスに書く

④句読点やカッコを閉じるカギが行のはじめに来るときは、前の行の下の文字と同じマスに書く

⑤…… や —— は2マス分とる

 

Advice
特に、低学年のうちは知らない場合が多いので、基本的なルールとして教えてあげましょう。

【4】書き始め

みんなが迷う書き始めですが、書きやすいパターンがあります。

読む前の感想から書き始めるパターンです。

「ぼくがこの本を選んだきっかけは、」という“きっかけ”から始めます。

例えば、『100円のコーラを1000円で売る方法』(永井孝尚著・中経出版)という本を読んだとします。

「ぼくがなぜこの本を選んだかというと、この本を本屋さんで見つけたとき、100円のコーラは1000円では絶対に売れないと思ったからです」という風に、“きっかけ”を書いていきます。

誰かから推薦されたのならその理由、本屋さんで選んだのなら、たくさんある本の中からなぜこれにしたのかということです。

本の表紙の写真にひかれたのであれば、それでもOKです。

 

Advice

タイトルから感じた読む前のイメージを書き始めにすると
→読んだ後どうだったかというオチをつけやすい!!

【5】書き方・まとめ方のコツ

① タイトル

タイトルは、「○○を読んで」でもいいですし、付箋によくでてくる言葉をタイトルにしてもいいです。

例えば、○○さん(主人公)がすごいと思ったという付箋がたくさんあったら、「すごいぞ○○さん」といったタイトルにしてもいいでしょう。

付箋の落とし込み

付箋を貼っているところを道標に、このシーンはなぜそう思ったのか、どう思ったのかなどを書いていきます。あらすじは書きません。感情が動いたところをおっていきながら、その中の何か(主人公、シーンなど)にフォーカスして書いていきます。

<低学年>

ママ(パパ)が特に良かったシーンに対してどう思ったかを事前にヒアリングしてみましょう。

すごいという付箋があったら、○○さんはこういうことをした→すごいとおもった→自分ならこういう風にしちゃうよなというところまでヒアリングしながら、書かせてみると書きやすくなります。

<高学年>

気に入ったシーンだけではなく、作者が伝えたかったところ、気に入った言葉の使い方、表現の仕方などもいれてみましょう。

③ 原稿用紙の枚数

原稿用紙3枚という課題の場合、3枚目の半分以上はこえるようにします。

1回目でそこまでたどりつけていなかったら、もう1シーン追加しようかと声かけしましょう。

④ 最後(まとめ)

最後に、この本を通じてどう思ったのかを書きます。

例えば、プロ野球選手の本を読んだ場合、

「ぼくも野球をやっているけれど、ここまで練習したことはありません。この本を読んで、この選手が好きになりました。ぼくももっと練習しなければならないと思いました」という風に自分自身の経験と照らし合わせて、自分がどのようにしていくか、自分だったらこうしていきたいといったことをまとめます

 

Advice

書いたものを一度読み返してみて、話の流れがあっているかどうかを確認します。

子どもだけで確認するのが難しい場合は「そことそこって話つながってる?」など子ども自身が気付くように引っ張ってあげましょう!

言葉の使い方や、助詞「は」や「が」の使い方などは間違っていたら正してあげましょう

【番外編】読書感想文を書く意味

IBリーダーズ高橋塾長が読書感想文を書く意味を語ってくれたのでご紹介します!

 

「何かカタチになるものは、親御さんが手を入れすぎると、誰か(お母さんやお父さん)がやってくれたという思いが残ってしまいます。

自分でやりきることが自信につながると思っています。

なるべく手を出さずに導いてあげて、子ども達に達成感を味わって欲しいですね。

読書感想文は、感想文だけにとどまらず、

『すごいとおもった→自分だったらこうだよね→それなら、どうしようか』ということを考えるきっかけになると考えたいです。

それをお母さん(お父さん)が理解して、読書感想文の宿題に携わるのと、ただ終わらせるためだけに書かせるのだと全然違ってくると思います。

伝える側の考え方で子どもの習熟度も違ってくるのではないでしょうか。

付箋を使うのは方法論としてはいいですが、引っ張っていく側のマインドも大事です。

自分の読んだものを分析できるようになり、この先の生きていく力になっていけばいいですね

 

 

確かに、ただ終わらせることばかり考えていました…宿題の考え方自体見直したいですね。今年の夏休みは、付箋を使った方法で我が家も試してみます。皆さんもぜひ参考になさってみてください。

 

IBリーダーズ市川校

住所/千葉県市川市市川南1-8-30 セレストビル3F
(JR市川駅 徒歩1分)
電話番号/047-324-4346

 

読書が苦手でも大丈夫!本が嫌いな子の読書感想文の書き方

続いては、小学3年生と中学1年生のときに読書感想文コンクールで学校代表に選ばれた筧征大(かけひせいた)君(現:中学3年生)に読書感想文の書き方や本選びについて聞いてみました。

 

―――読書感想文を書くのは好き?

嫌いです!(笑)

小学校のころよりは、今の方が本を読むようになったけど、小学生のときは読書が嫌いで全然読んでなかったです。

なので、読書感想文の宿題は夏休みの宿題の中でもいちばん嫌いな宿題でした。

本を読むのが苦手だから、本屋さんに行って、字が少なくて、面白そうな本を選んでいました。

字が少なくて分かりやすそう。写真多いし、読みやすそうだと思って選んだ本で書いた感想文がコンクールの代表に選ばれました。

(参考/『ゾウの森とポテトチップス』 写真と文:横塚眞己人 そうえん社)

 

苦手だから読みにくいのは、“読む”ということ自体にハードルがあがっちゃう。

さらっと読んで、下書きなしで書けそうなものを選べばいいと思います(笑)。

 

中学生になった今は、面白そうだと思った本のあらすじをインターネットで調べてから本屋さんに行って気に入った本を買っています。

 

―――どうやって書き進めるの?

夢中になって読む本もたまにあるけど、課題図書は面白そうなのがない場合が多い(笑)。

だから、学校の読書の時間とかに自分が読んだ本の中で好きな本を書くのがいいと思います。

考えるのが面倒くさい人は課題図書の中から選ぶしかないけど(笑)。

 

で、あまり面白くないなって思った本でも、本の中に夢中になれる部分となれない部分があるから、夢中になれる部分を書けばいいと思う。

本の中で自分が夢中になれる部分がどこなのかを見つけていく作業をするという感じです。

さらっと読んでいても夢中になれる部分が探し出せているなら問題ないんです。

 

構想はそこまで意識せず、最初に本全体の感想を書いてから、あのシーン面白かったなっていうところ(特に気になったシーン)を読み返して付け足していっています。

最後は、自分に寄せて、本を読んで、こうなりたい!こうしたい!と思ったところを書くようにしています。

 

読書感想文が苦手だという筧くんならではの書き方。

無理して、難しい本を選ぶ事はない!

本の中に夢中になれる部分を探していく作業をする!

この二つで、かなりハードルが下がって書きやすくなりますね♪

作文に強くなる四つのポイント

書き方のコツがつかめてきたところで、もっと作文に強くなる四つのポイントをご紹介します。

協力/IBリーダーズ

 

Point1 手順をふんで書く

①主題を設定する→どんなことを(主題文を書く)

②材料を集める→どんな題材で

③構想をねる→どんな組み立てで

④記述 すじの通った文・豊かな表現の文

⑤推敲 誤字・脱字・文のねじれのチェック

⑥清書 原稿用紙の正しい使い方ができているか

 

Point2 すじ道の通った文を書く

①文の主語・述語をはっきりさせる
「誰が」「何を」「どうした」かをはっきり書く

②文にねじれが生じないようにする
「主語」と「述語」の対応を正しく。「これを描いた人は、有名な画家の絵です」。この文は意味がわかりません。主語と述語が離れていると起こりやすいです

③的確な接続語を使う
「雨が降ってきたが、作業は中止された」。この文は「が」という逆説の接続語が誤って使われている。「ので」という順接の接続語に変えると正しい文になる

④文体を統一する
一つの文に、「~だ。」や「~である。」と「~です。」「~ます。」を混用しないよう気をつける。文だけでなく、文章全体でも気をつける

 

Point3 豊かな表現の文を書く

①状態の副詞を効果的に使う
・「手紙を出すのをすっかり忘れていた。」
・「誰かが戸をドンドンたたいている。」
「すっかり」や「ドンドン」という言葉がそえられただけで、状況や情景がより具体的に想像できる。

②つなぎ言葉の多用を避ける
・「朝起きてから、顔を洗ってから、ご飯を食べて、それから学校へ行ってから、友達と話して、それから勉強した。」
このような文はだらだらして分かりにくい

③言葉の重複をさける
・「言葉はその意味を的確につかむことが重要で、さらにそれを的確につかむことが重要で、さらにそれを的確な場所で的確に使うことが重要である。」
反復法で言葉を強調するために、意識的に使われる場合もあるが、できるだけ避ける

④語彙を豊かに
・「彼の作品のみごとさに目をみはった」
四字熟語、慣用句、ことわざなどを文に上手く盛り込むことで、表現の効果があがる

Point4 作文のタイプ別のポイント

①テーマ指定型
「出題テーマ」が決められているだけで、形式、構成は自由である。
1 あれこれ書くのは逆効果—「主題」は一つに絞る
2 自分らしさのあるものを—体験は具体的に書く。

②ディベート型
特定の題目について、肯定、否定のどちらかの立場をとらせ、自分の意見を書かせるもの
1 好き嫌いで選ばない—裏づけが確かな立場を選ぶ
2 確信を持って主張する—論点を絞って力強く書く

③データ分析型
グラフ等のデータの読み取りとデータに対する考えの二段落構成で書く
1 データから始める—データは正確に読む
2 関係のない論議はむだ—関連を密に

④イマジネーション型
1~2点の絵や写真を見て、感じたことを書かせる
1 全神経を集中せよ—想像力で主題を引き出す
2 見たままでは不十分—説明だけに終わらない
3 ひらめきを理論に—説得力のある結論へ導く

⑤読解・鑑賞型
文章中の作者の意見についての考えや、詩・俳句などを読んで感想文を書かせる
1 「読めない」と「書けない」—読解力が基本となる
2 無関連は無意味—素材にふさわしい主題で書く
3 理論や感情でせまる—論理能力や独創性を発揮する