茨城県行方市でビジネスプランコンテスト開催!「和食に合うトマトソース」を開発した起業家インタビュー

東京都心から約70km、茨城県の東南部に位置する行方(なめがた)市をご存じでしょうか。

東は北浦、西は霞ヶ浦という二つの広い湖に挟まれ、美しい自然景観を有する町です。

温暖な気候と豊かな大地を生かし、さまざまな農作物が生産されています。

そんな行方市で起業や開業、就農を目指す人を対象に、2020年3月、「ビジネスプランコンテスト」が開催されます。

そこで、都内の大手建設機械メーカーを57歳で退職し、行方市で「緑と風の農園」を設立した高柳 秀樹さんに、起業の醍醐味や行方市での暮らしについて聞きました。


<目次>

・57歳で農業にチャレンジ

・「人生観」に合った生活を

・グランプリは賞金30万円!ビジネスプランコンテスト参加者募集

・ビジネスプランコンテスト事前説明会開催

・高柳さんの「トマト&糀ソース」が当たる!行方市アンケート

57歳で農業にチャレンジ

緑と風の農園代表高柳秀樹さんと妻の祥子さん

「緑と風の農園」代表
高柳 秀樹さんと妻の祥子さん
「いつかは地元で農業を」という夢を実現すべく、都内の大手建設機械メーカーを57歳で退職し、行方市で「緑と風の農園」を設立。米とトマトを栽培しながら、加工品の製造にも力を入れており、開発した「トマト塩糀」は、さまざまなコンクールで賞を獲得するなど高い評価を得ている。

 

――どうして行方市で農業を?

行方で農業を営んでいた父が亡くなったのがきっかけです。

うちは代々この土地で農業をやっていて、生前から父は「家を絶やさないでほしい」と言っていました。

自分自身の中にも、「いずれは行方に戻って農業をやりたい」という気持ちはずっとありました。

どちらかというと組織の仕事よりも、自己完結できる仕事が好きだったんですよね。

父が亡くなった翌年に東日本大震災が起きて、行方の農業も大きなダメージを受けました。

「これはなんとかしなくちゃいけない」という思いもあり、実家の田畑を継ぐ決意をしたんです。

ちょうど子どもたちも社会人になって手離れしたタイミングでもあったので、57歳の時、勤めていた都内の建設機械メーカーを早期退職するという選択をしました。

 

――仕事を辞めて農業を始めると言ったとき、ご家族はどんな反応でした?

それはもう最初は大反対でしたよ。

大手企業に勤めていたので、妻は「自ら安定を手放してまでやること?」と。

でも最終的には「仕方ないな」という感じでしょうね(笑)。

「家族が喜ぶものを作ろう」と、米の他に、料理好きな妻が好きだったトマトを栽培することにしました。

現在は妻が加工品開発を、娘がこうじ作りを担当してくれています。

行方に戻る前は土浦市に住んでいたのですが、家族は今も土浦にいます。

私が行方に単身赴任しているような形で、妻と娘は土浦から行方に通っているんです。

 

――行方市なら、立地的に首都圏の都市部との「二拠点生活」「多拠点居住」といった選択もしやすいですね。

家族経営していくにあたって、ある程度の距離感があるのは良かったかもしれないですね。

ただそれまでは一切家事をやったことがなかったので、農作業をしながら家事全般も自分でやる生活に慣れるまでは苦労しました(笑)。

今は料理もできるようになりましたけどね。

 

――ヒット商品である「トマト塩糀」はどのように思いついたのでしょうか。

加工品で農作物の付加価値を上げたいと考えました。

加工品を作れば、規格外の農作物も無駄にせず活用することができます。

「せっかく作るならまだ世の中にないものを」と考えていたとき、ユネスコの無形文化遺産に和食が登録されて、「和食ブーム」が来ると思いました。

しかし、トマトが和食に使われることは少ない。

そこで、和食に使えるトマトソースを開発しようと考えました。

外国人に馴染みのあるトマトソースを使えば、和食により興味を持ってもらえるかもしれないという狙いもありました。

トマトに合う和の食材を探す中で、一番合ったのが塩糀だったんです。

加工品のメインターゲットは主婦なので、「自分がこんなものが欲しい」という視点で妻からアイデアをもらいながら作りました。

トマト塩こうじ

こうして誕生した「トマト塩糀」は、初年度に約700本販売され、その後も順調に販売数を伸ばしています。

2016年には国土交通省関東運輸局主催の地場産品認定会「TOKYO&AROUND TOKYO観光振興賞」、2018年度の茨城県農産加工品コンクールでアイデア賞・テイスト賞を受賞しました。

また、シリーズ商品として新たに展開した「トマト塩糀スパイシー」も、2019年度の同コンクールにて金賞を受賞しています。

 

◆高柳さんの「トマト&糀ソース」が当たるアンケートはこちらから

 

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「人生観」に合った生活を

――行方での暮らしはどうですか?

楽しいですよ。

自営業なので、自分のための自由な時間は取りやすくなりました。

人間誰しもそうだと思うんですけど、人に命令されたくないですよね(笑)。

自分の好きなようにタイムマネジメントできるのはいい。

今は毎日30分から1時間くらい、コツコツジャズピアノの練習をしています。

仲間を家に呼んで、お酒を飲みながら伴奏に合わせてみんなで歌ったりして。

気にせず楽器を弾けるのは田舎のいいところですよね(笑)。

 

――会社員時代は国内外を飛び回っていたそうですが、高柳さんから見た行方市の魅力ってどんなところですか?

歴史の深さですね。

「行方」という地名は、奈良時代に編纂された『常陸国風土記』に記載があり、とても歴史が深い土地です。

自分の中にも、脈々と受け継がれてきたもの、醸成されてきたものがあるのだと思います。

この土地で農業をやることでそのスイッチが入るというか、自分のルーツを再発見していくような感覚がありますね。

文字通り地に足をつけて生活をして、土地の歴史を深く掘り下げていくことに魅力を感じています。

それから、景色がいい。

湖に夕日が落ちて、筑波山のシルエットが見える。絶景ですよ。

霞ヶ浦と筑波山
霞ヶ浦と筑波山

 

――素敵ですね。そんな行方市でビジネスを始めて、今一番良かったと思うことは何でしょうか?

一番良かったのは、「僕の人生観に合っている」ということ。

会社員時代から、新規事業など新しいことにばかり好奇心を持ってやっていました。

難しいことほど苦労は多いけど、達成した時の快感は大きい。

それを覚えると、どんなチャレンジでもやってみたくなるんです。

今は誰にも気兼ねせずチャレンジを続けています。

自己完結しなければいけないからこそ、何も怖くない気がするんですよね。

 

――新たなチャレンジをするタイミングとして、57歳という年齢はどうでしたか?

ギリギリだったと思いますね。

父の死と震災という2つの災難があってやっと踏み切ることができましたが、それまでは「安定」というぬるま湯から出られない状態。

かと言って、その気持ちの良いぬるま湯に定年までつかっていたら、気力がなくなってしまうだろうなと思った。

それが怖くて、やっと重い腰を上げたんです。

今振り返ると、定年を待たなくて良かったと思いますね。気力が一番大事ですから。

それに、事業は早く結果を出そうという気持ちが強すぎてはいけない。

時間をかけて、じっくり育てていかなければなりません。

そういう意味でも、決断は早ければ早い方が良いと思います。

 

――最後に、今後の夢や目標を教えてください。

ゆくゆくは農家レストランをやりたいと思っています。

自分が作った農作物や加工品を直接消費者に食べてもらえる場を作りたい。

そのために今は加工品を活用したレシピをクックパッドに掲載しています。

レシピを蓄積して、いつか自分のレストランで提供したいですね。

 

茨城県行方市 information

茨城県の東南部にあり、東京都心から約70km、県都水戸市から約40kmの距離に位置する。「霞ヶ浦の帆引き網漁の技術」が2018年3月に国選択無形民俗文化財に選定され、勇壮な姿は霞ヶ浦の風物詩となっている。

茨城空港開港による観光面の活性化や、東関東自動車道水戸線の開通による、首都圏および北関東との交流促進や連携強化による地域経済の発展等、飛躍的に向上することが期待されている。

霞ヶ浦の湖面を渡る風を受け進む「帆引き船」
霞ヶ浦の湖面を渡る風を受け進む「帆引き船」

行方市へのアクセス

車でのアクセス

■常磐自動車道土浦北ICから約40分
■常磐自動車道千代田石岡ICから約35分
■東関東自動車道鉾田ICから約10分
■東関東自動車道潮来ICから約25分

電車でのアクセス

■JR常磐線土浦駅から車で約40分
■JR常磐線石岡駅から車で約25分
■JR鹿島線潮来駅から車で約20分

 

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グランプリは賞金30万円!
ビジネスプランコンテスト
参加者募集

2020年3月20日(金)、「茨城県行方市 ビジネスプランコンテスト」を開催!

「レストランを経営してみたい」「宿泊業にチャレンジしたい」といった夢がある若者、主婦の方、新規ビジネスに挑戦したい方、行方市で起業を目指してみませんか?

 

◆エントリーはこちらから

 

茨城県行方市 ビジネスプランコンテスト実施概要

応募内容:自由

応募資格:行方市で起業・開業や就農を希望する、社会人経験のある18歳以上の方

応募単位:個人・チームは問わず

参加費:無料 ※集合場所までの往復交通費は各自ご負担ください。

賞金:グランプリ1名 300,000円

   準グランプリ1名 150,000円

   アイデア賞 50,000円

※該当者なしの場合もございます。

応募様式:事前説明会(1/25@千葉県船橋市)および行方市現地視察会参加後に応募書類を事務局まで送付。1次審査通過者には、別途提案書を作成いただきます。

※ビジネスプランコンテスト参加には、事前セミナーおよび行方市現地視察会への参加が必須となります。
※行方市現地視察会は、別日自主研修も可能です(※要事前連絡)。

応募書類記載要件

A3書面1枚でOK
HPからエントリーシートをダウンロード

 

<1次審査>

・事業案(サービス名・事業名)
・簡単な収益モデル
・行方市で起業・開業や就農する意味・目的
・具体的なターゲット(顧客・市場)
・顧客・市場における提供価値などについて提案書を作成

<2次審査>

・1次提案書をブラッシュアップした企画書をご提出いただきます。

 

審査基準

・応募者の意欲・プレゼンテーション能力
・新規性・独創性
・地域への波及効果
・市場性・成長性
・実現可能性

選考スケジュール

2020年1月10日(金)事前説明会@東京

1月25日(土)事前セミナー@船橋市

2月8日(土)現地視察日帰りツアー@行方市

2月下旬 書類選考

3月20日(金)ビジネスプランコンテスト(最終選考)@行方市

※書類選考通過者のみ

定員 各回30名

 

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ビジネスプランコンテスト事前説明会開催

「ビジネスプランコンテストに挑戦したい!」という方に向けて、行方市を知ることができる事前説明会・事前セミナーが行われます(※ビジネスプランコンテスト参加には、事前セミナーおよび行方市視察会への参加が必須となります)。

◆お申し込みはこちらから

 

①事前説明会@東京(※任意参加・要事前申し込み)

「行方の食材を味わい魅力を知る」

開催日時:2020年1月10日(金)17:30~19:00(予定)

場所:チロンボマリーナ 上野店

行方市ビジネスプランコンテスト事前説明会ゲストスピーカーの小林光恵氏 ゲストスピーカー 小林 光恵氏

1960年生まれ 茨城県行方市出身
看護師・著述家 エンゼルメイク研究会代表 看護に美容ケアをいかす会代表

看護師として病院、血液センターに、編集者として出版社に勤務後、91年に看護経験をまとめた本を出版。その後独立して著述業に。「おたんこナース」「ナースマン」など著書多数。最新刊は「介護はケアマネで9割決まる!」(扶桑社)

 

②事前セミナー@千葉県船橋市(※必須・要事前申し込み)

「行方について学ぶ」

開催日時:2020年1月25日(土)14:00~16:00(予定)

場所:katanaオフィス船橋会議室

 

横山 藤雄氏

株式会社RYコーポレーション 代表取締役CEO

茨城県行方市出身

関東を中心に30店舗以上の肉料理店などを展開する㈱RYコーポレーションの代表取締役CEOを務める。食を通じて、関わる人々の心を豊かにし、もっと地域社会に貢献したい、縁あって一緒に働いてくれている社員の夢を実現したいとの思いから同社を設立した。「店づくりは街づくり」をテーマに掲げ、一時の流行に左右されず、一軒一軒、その地域に住む人々にとって価値のあるお店づくりを行っている。

 

「行方のデータを学ぶ」

立正大学 浅岡 隆裕氏

 

「行方の観光を知る」

株式会社総合PR 水柿 達氏

 

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高柳さんの「トマト&糀ソース」が当たる!行方市アンケート

行方市米とトマトソースのセット

行方市に関するアンケートにご協力ください。

ご協力いただいた方の中から抽選で5名様に「緑と風の農園」の「トマト&糀ソース 3種+お米セット」(トマト塩糀・トマト甘糀・トマト塩糀スパイシー+特別栽培米2㎏)が当たります。

 

◆アンケートはこちらから!

 

主催:茨城県行方市

企画・運営:株式会社JTB

問い合わせ/行方市ビジネスプランコンテスト事務局(JTB新宿第二事業部営業三課内)

電話番号/03-5909-8760(担当:松野)

 

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この記事を書いた人

編集部 広田 みずほ

編集部 広田 みずほ

編集者/WEBプロデューサー/広告プランナー 埼玉県春日部市出身→千葉県八千代市在住。地域新聞社で広告の仕事をして14年。地域の魅力、お店の魅力を伝えます。好きなものは東南アジアとハイボール。勝田台駅周辺の酒場放浪記を書きたい。★Twitter★@tahirom2 ★note★nue34

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