【成田市】日本の伝統 ~邦楽の調べ~三味線音楽・成田市文化芸術センター

成田市文化芸術センターでは、「日本の伝統~邦楽の調べ~」と題し、三味線音楽と呼ばれる伝統邦楽の世界を発信してきた。

成田市日本の伝統、邦楽の調べ

日本人に親しまれてきた
三味線音楽

16世紀末ごろ、沖縄から伝わった中国の「三弦」が改良された楽器とされる三味線。

メロディーを奏でる楽器として、それまでメジャーであった琵琶に代わって多くの日本人に親しまれてきた。

三味線音楽には詞を歌う「唄い物」、物語を語る「語り物」がある。

演目の長唄と小唄は「唄い物」に、そして清元は「語り物」に分類される。

今回の上演でも三味線の音色が懐かしい情景へといざなってくれることだろう。

日本が生んだエンターテインメントを楽しんでほしい。

江戸の調べを令和に奏でる

演目の清元「梅の春」、長唄「吾妻八景」の初演は江戸時代にさかのぼる。

まず、清元の代表的な祝賀曲「梅の春」。

長府藩主の毛利元義が狂歌の判者となったことを喜び、作詞した。

長府の景色や行事の重厚な曲調。

また、隅田川付近から吉原の正月行事は粋な曲調で物語る。

次に、お座敷長唄の代表曲として知られる「吾妻八景」は江戸の名所や四季の風物を詠みこんでいる。

また、描写的・技巧的な曲中の三つの長い合方(佃の合方、砧の合方、楽の合方)は上調子との複雑な合奏効果が工夫されていて、この曲の聞きどころだ。

江戸っ子たちが好んだ名曲を令和の時代へと。

その音楽は時の流れに乗って聞く者の心へと届く。

現代に息づく小唄と長唄

小唄では成田屋の当たり役、お家芸の「直次郎」「清心」「助六」を題材にした芝居小唄を披露。

成田屋ゆかりの地、成田ならではの演目である。

ラストを飾るのは戦後に作られた長唄、「あたま山」だ。

同名の古典落語が題材で、シュールな物語を明るい曲調で表現した、にぎやかで楽しい曲となっている。

成田市文化芸術センターでは「若い人たちにも日本の伝統音楽を聴いてもらいたい」と、今回から高校生以下の料金を設定した。

老若男女を問わずに楽しめる日本が誇る珠玉の邦楽。

伝統と文化の街、成田でご堪能あれ。 (ちゃい)

日本の伝統 ~邦楽の調べ~

日時/12月21日(土)
午後3時開演(午後2時30分開場)

場所/成田市文化芸術センター
スカイタウンホール
(成田市花崎町828-11 スカイタウン成田3階)

演目/
一、清元「梅の春」
二、長唄「吾妻八景」
三、小唄で綴る雪月花
四、長唄「あたま山」

料金/一般 2,000円
高校生以下 1,000円
※未就学児は入場不可

問い合わせ/0476(20)1133
成田市文化芸術センター(月曜日休館)