特別史跡の加曽利貝塚は「なぜ?」が
いっぱいの異空間だった<前編>

2017年10月13日に国の特別史跡に指定された千葉市若葉区の加曽利貝塚。

特別史跡とは美術品や建築物でいうところの「国宝」に当たるもの。しかも千葉県内では始めての特別史跡、さらに貝塚としては日本初なのだとか。

でも…実際どんなところなの? ということで、ボランティアガイド歴5年で「ボランティアガイドの会」副会長でもある押尾衛さんに加曽利貝塚の「すごさ」と「楽しみ方」を聞いてみました!

 

加曽利貝塚は「不思議の森」

―加曽利貝塚の魅力とはズバリ?

押尾さん:まず、貝塚を少し見て回るだけで「これはなんだろう?」「なぜなんだろう?」というたくさんのクエッションが思い浮かぶという点です。

加曽利貝塚はいわば「不思議の森」。疑問の答えは文献などから推測するしかありませんし、なんせ縄文時代の出来事ですから正解が分かるわけがない(笑)。

そんなところが人を惹きつけるのではと個人的には思います。

 

 

押尾さん:次に「現物が見られる」という点ですね。

加曽利貝塚には北貝塚と南貝塚があるんですが、そのうち北貝塚は貝塚の断面や竪穴式住居の住居跡をそのまま展示しています。

これは他の貝塚ではありえないんですよ。

住居跡なんかは保存の観点から、土で覆ってその上に復原住居を建てるのが一般的ですから。

貝塚の環境もいいですね。実は縄文時代ってその前の旧石器時代からだんだんと人が定住しはじめる時代なんですが、それでも食料がなくなったら、次の場所へと移動していたケースが多いらしいんですよ。

そんな中、加曽利貝塚は2000年間も人々が住み続けている。

きっと主食であるどんぐりやクルミなどが豊富で海も近く、獣もいて食べるものに困らなかったんでしょうね。

(貝塚にはクヌギやナラなどたくさんの種類のどんぐりが落ちています)

 

押尾さん:実は加曽利貝塚の発掘というのは全体の7%程度しか行われていないんです。

今回特別史跡になったことで、これから発掘がどんどん進めばまた新たな発見があるかもしれない。

未知のものが見つかるかも、と思うとワクワクしますよね。

―いったい何が出てくるんでしょう? 期待が高まりますね!

縄文時代の案内人・ボランティアガイド

―加曽利貝塚の特徴といえば、ボランティアガイドさんが常駐していることですよね。

押尾さん:普段は午前と午後の1回ずつ、博物館と貝塚をツアー形式でご案内しています。1組の来場者に対して、ガイドが1人付きます。

その他イベント時はスタッフとしてお手伝いしますし、春先には小学校の校外授業が多いので、その応対と火おこしの指導もしますよ。

 ―お忙しいですね! ちなみに押尾さんはどうしてガイドになられたんですか?

押尾さん:もともと学生時代から考古学が好きだったんですよね。会社を退職した時にたまたま市の広報でボランティアガイドを募集していることを知って、それで応募しました。

研修のために他の博物館に行ったり、勉強会をしたり、先輩から火おこしを教わったり…。

新しい知識が増えて知的好奇心が満たされるのが楽しいですよね。あとは「この日はガイド、この日はイベント…」と予定が埋まるので生活にハリも出ます。

 ―ガイドさんになるにはどうしたらいいんですか?

押尾さん:年に1回募集がありますが、「なりたい」という人がいればいつでも受け入れているみたいなので、興味がある人は博物館にまず連絡してみてください。

現在は50人前後の登録があって、私のように定年後の人や子育てが落ち着いた主婦の方など色んな人がいますよ。それぞれ都合のいい曜日に貝塚に来ています。

当番表が一応あって…(表をしばし眺め)木曜日を希望する人が今は多いですね。(※2017年10月現在)

理由は特にないと思いますが(笑)

 ―ということは、木曜日がねらい目ですね! やはりガイドさんをリクエストする人はたくさんいらっしゃる?

押尾さん:実際は、私たちからお声掛けをすることが多いですね。中にはお金がかかると思って逃げてしまう人も…。

あくまで無料ですからぜひ利用いただきたいです。

 

縄文時代の体験ができるイベントも定期開催!

押尾さん、ありがとうございました。

このあと押尾さんと貝塚に出掛けて実際に「不思議」をたくさん見せてもらいました。

その模様は後編でお届けしますのでお楽しみに!

 

ちなみに加曽利貝塚では、毎週第2、第4日曜日に「縄文ひろば」という体験イベントを行っているそうです。

当日は火おこしや縄文服の試着、アンギン編み(※編集部注:縄文時代に用いられた編み技術)、アクセサリー作りなど、さまざまな体験ができますよ!

写真は復元住宅で縄文服を着る筆者。意外に暖かいしちょっとオシャレ。

 

毎年秋と春には一大イベントの「縄文まつり」も開催。2017年の秋まつりは、11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)に実施します。

体験は「縄文ひろば」と同様に火おこしや縄文服の着用、アクセサリー作りの他、弓矢体験なども登場。

さらに、石器による魚の解体ショー(3日、5日のみ)や土器で作ったゆで卵の配布(先着100人)など盛りだくさんの内容です。

ちなみに弓矢体験は毎回大人気で行列ができるそう。

 

 

  そして加曽利貝塚のPR大使「かそりーぬ」もかわいい!と人気上昇中。イベント時などに会えますよ~!

 

加曽利貝塚(加曽利貝塚博物館)

住所/千葉市若葉区桜木8丁目33番1号

営業時間/9時~17時(最終入館30分前) 

休館日/月曜、祝日の翌日、年末年始(12/29~1/3) 

※時間、曜日とも公園としての利用は制限なし

料金/無料

駐車場/乗用車80台、大型バスは要事前連絡(無料)※臨時駐車場含む

アクセス/車の場合:京葉道路・貝塚ICより国道51号を佐倉方面へ。

電車の場合:JR千葉駅東口より、バスのりば⑨から御成台車庫行(市営霊園経由)で桜木町下車、徒歩約15分もしくは千葉都市モノレール桜木駅から徒歩15分

問い合わせ/043-231-0129

この記事を書いた人

ちいき新聞web編集S

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千葉市生まれ、千葉市在住のアラフォー。編集プロダクションなどを経て「ちいき新聞」編集部へ。甘いものとパンと漫画が大好き。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。

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