参加型体験博物館「房総のむら」は昔の暮らしを楽しみながら学べる!

千葉県印旛郡栄町にある「房総のむら」は、五感を通じて房総の歴史や風土を学べる施設。

51haからなる広大な敷地は、房総の商家や農家、武家屋敷を再現した「ふるさとの技体験エリア」と、古墳やはにわなどの展示で原始・古代を体感できる「風土記の丘エリア」に分かれています。

中でも「ふるさとの技体験エリア」では、年間を通じて約400種類以上の体験や実演が用意され、どれもとってもユニーク!

今回は、体験プログラムを中心に、「房総のむら」の魅力をご紹介します。

 


<目次>

・タイムスリップしたような景観!商家の町並み

・「少し昔」の暮らしを感じる 農家

・豊富な体験演目で伝統を学ぼう!

・【おまけ】コスプレも!忍者や町人に扮して楽しめます

公開 2019/11/13(最終更新 2023/03/08)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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タイムスリップしたような景観!商家の町並み

施設入口からすぐの場所にあるのが江戸時代後期から明治時代初期の時代をイメージした「商家の町並み」。

 

房総のむらの町並み

 

佐原などに残る古い建物を参考に、当時の商家を再現しています。

「佐倉堂」や「くるり」「いんば」など、千葉の地名に由来した店名にも注目を。

 

房総のむらの町並み

 

風情のある建物や古びた看板を眺めながら歩いていると、まるでタイムスリップしたかのような気持ちになります!

忠実に再現された昔の町並みは、時代劇のロケなどにも数多く利用されているんですよ。

 

通りに並ぶ建物は商家16軒と総屋(総合案内所)を合わせた全17軒。

その時代の人々に欠かせない、代表的な商家を集めたそうです。

稲荷の社や地蔵、火の見やぐらも見られます。

 

17軒のうち「菓子の店(あまはや)」や「薬の店(佐倉堂)」などの8軒は2階が展示室になっていて、それぞれに関係する資料や当時の道具が見学できます。

 

<展示テーマ>

菓子の店(あまはや)… 「和菓子を作る」

本・瓦版の店(葛飾堂) …「浮世絵-彫りと摺り-」

紙の店(平群屋)… 「生活の中の和紙」

細工の店(きよすみ)… 「竹と暮らす」

小間物の店(くるり)…「髪飾りと結髪」

呉服の店(上総屋)…「藍と布」

酒・燃料の店(下総屋)…「房総の酒」

薬の店(佐倉堂)…「クスリ・くすり・薬」

 

こちらは菓子屋の2階展示室。

 

房総のむらの展示室

 

実際に使われていた菓子作りの道具や型、当時食べられていたお菓子などが紹介されており興味深い!

 

各店では後に紹介する体験演目が行われています。

その他、実際に飲食店として営業している店舗もあり、「そば屋(いんば)」ではランチタイムにそばを提供。

また、「お茶の店(山辺園)」の2階は喫茶になっていて、季節の和菓子やお茶が楽しめます。

 

房総のむらの入り口総合案内

 

入口近くの総屋(総合案内所)は、旅館の外観を再現。

体験希望の人はまずここに立ち寄って、その日の体験演目を確認するのもおすすめです!

 

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「少し昔」の暮らしを感じる農家

「房総のむら」の敷地内には、江戸時代後期の3つの地域(上総、下総、安房)の農家が再現されています。

それぞれ農家の前には畑が広がり、実際に野菜や米が栽培されています。

これらの農作業はすべて職員が担当。

収穫した農産物を使った体験演目も実施しています。

 

「上総の農家」

江戸時代後期の名主クラスの農家を再現しています。

主屋をはじめ、土蔵、長屋門、馬小屋、納屋、木小屋、作業小屋、井戸小屋の8棟で構成され、主屋は、大網白里市砂田(いさごだ)の秋葉家を、土蔵・長屋門・馬小屋・納屋・木小屋は、市原市栢橋(かやはし)の内藤家のものを参考にしたのだそう。

 

房総のむら上総の農家

 

主屋は靴を脱いで上がることもできます。

土間の入口には、敷居を踏まないよう注意を促すいくつもの看板が。

 

敷居はまたぐ

 

「敷居は親の頭だといわれています」

こういう細かいところから、昔から伝わるマナーやルールを子どもたちは学ぶことができるんですね。

 

土間にはかまどがあります。

 

房総のむらの農家のかまど

 

これは単なる展示ではなく、体験演目などで使われる現役の道具。

主屋の裏には薪が積んであり、参加者は火おこしから体験できるそうです!

 

主屋の間取りは、なかのま、おく、座敷、納戸、勝手、土間と広々。

さらに中二階も設けられていて、かなり裕福そうな雰囲気です。

 

中二階へは急な階段を使って上ることもできます。

 

中二階は奉公人の部屋として使われていた

 

モデルとなった秋葉家では奉公人の部屋として使われていたのだとか…。

 

「下総の農家」

江戸時代中期に建てられた成田氏堀之内の平山家をモデルに、名主クラスの農家を再現。

機小屋では機織り製作の体験も実施していて、手軽にできるコースター作りから半日体験のテーブルセンター作りまで、レベルに合わせたメニューがそろっています。

 

「安房の農家」

江戸時代後期に建てられた南房総市増間(旧安房郡三芳村)の平野家をモデルにした農家。

主屋は、安房地方に伝わる別棟造り。畳敷きや板敷きの部屋、かまどのある「だいどころ」が別棟になっており、それぞれが「ろうか」と呼ばれる部屋でつながっています。

また、敷地内では堆肥を作って貯蔵する「灰小屋」を見ることもできます。

 

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豊富な体験演目で伝統を学ぼう!

「房総のむら」では江戸後期の房総の伝統的な生活様式や伝統的な技術、文化を後世に伝えるべく、ものづくりや食にまつわる、さまざまな体験を用意しています。

回数を重ねて技を極める本格的なものから、短時間でできる手軽な体験まであり、内容は季節によって変わります。

体験には事前予約が必要なものの他、当日現地で申し込めるものもあるので、ふらりと立ち寄っても楽しめます。

 

また、これらの体験ができるのは、「商家の町並み」に並ぶ「めし屋」や「菓子屋」などの建物内ということもポイント。

太巻きずしは「めし屋」、せんべいの手焼き体験は「菓子屋」と、建物のテーマと体験内容がちゃんとリンクしているところにこだわりを感じます!

 

商家で行われる実演や体験

そば屋(いんば)…そばの食体験

めし屋(かどや)…太巻き寿司教室や商いにまつわる行事食

川魚の店(かとりや)…なまず料理など房総に伝わる川魚料理

菓子の店(あまはや)…煎餅やモナカ、柏餅などの和菓子作り

お茶の店(山辺園)…各種お茶作りや飲み比べ

呉服の店(上総屋)…藍染や型染めなど

小間物の店(くるり)…つまみ細工や組紐など

本・瓦版の店(葛飾堂)…木版摺りや版本、和本作り

紙の店(平群堂)…押し紙や折り紙、紙すき体験など

細工の店(きよすみ)…竹細工や張子、べっこう細工など

畳の店(安房屋)…畳のストラップ作り、畳の敷物作りなど

酒・燃料の店(下総屋)…果実酒作りなど

薬の店(佐倉堂)…薬研を使った体験の他、薬の実演など

瀬戸物の店(すゑや)…陶芸や絵付け、土人形、七宝焼きなど

木工所(長柄屋)…左官体験や下駄の鼻緒すげなど

鍛冶屋(夷隅屋)…小刀作りや和釘作りなど

中でも人気の体験を一部ご紹介します。

 

太巻き寿司(通年)

季節ごとに絵柄が変わり、リピーターも多いプログラム。

中学生以上を対象にした「楽しい太巻き寿司」や上級者向けの「太巻き寿司講習会」の他、夏休みには「親子太巻き教室」など年間を通じて開催。

 

飾り太巻きサーモン花

場所/めし屋(かどや) 料金/親子太巻き寿司教室400円~

※要事前予約

 

ほうじ茶づくり(12月)

番茶をほうろくと呼ばれる土鍋でほうじて、ほうじ茶を作ります。

香りも楽しめる貴重な体験。茶葉20gのお土産付き。

(対象は5歳以上。小学生以下は引率者の補助が必要)。

 

ほうじちゃ作り

場所/お茶の店(山辺園) 料金/100円

※当日受付

 

煎餅焼き(11月・1月)

煎餅生地1枚を炭火で使って焼き上げます。

ザラメやのりなどお好みの味付けで楽しめるのもうれしい!

(対象は小学1年生以上。小学生は引率者の補助が必要)。

 

場所/菓子の店(あまはや) 料金/100円

※当日受付OK

 

飾り結び(9月、10月)

伝統的な飾り結びの「菊結び」でブローチかペンダントが作れます。

(対象は小学1年生以上。小学1、2年生は引率者の補助が必要)

 

飾り結び房総のむら

場所/小間物の店(くるり) 料金/200円

小間物の店では、季節によって「組紐ストラップ」体験(400円)なども実施しています。

※当日受付OK

 

また、「農家」では、米作りや炭焼きなど農業に関する体験や実演が満載。

 

ばらっぱ饅頭作り(6月)

明治以降から昭和の初期にかけて、農家ではハレの日のごちそうだった「ばらっぱ饅頭」。

小麦粉をこねて作った生地で餡を包み、サルトリイバラの葉にのせてふかします。

 

場所/下総の農家 料金/400円

※要事前予約

 

かまどで昼ごはん(10月後半~11月初旬)

「房総のむら」で採れたお米をかまどで炊いて、塩むすびを作ります。

作ったおにぎりはその場でお昼ご飯に。新米の時期だけのぜいたくな体験です。

 

かまどでお昼ご飯

場所/上総・下総の農家 料金/300円

※要事前予約

 

そのほか、「武家屋敷」では野点や甲冑・打掛試着などの体験も行っています。

 

●申し込みについて

体験には当日体験と予約体験の2種類があります。

予約体験については事前に、電話(0476-95-3333)でお申込みがベスト。

 

詳しくはこちら

 

 


忠実に再現された展示の中で、職人の技や伝統的な文化に触れられる「房総のむら」。

ただ見るだけでなく、触れたり味わったりと体験することで、学んだことも記憶にしっかり焼き付けることができそう。

子どもはもちろん、大人も一日たっぷり満喫できますよ!

 

房総のむら

住所/千葉県印旛郡栄町龍角寺1028

営業時間/9時~16時30分 

※その他、イベント時に開館時間が変更になる場合あり

定休日/月曜日(祝・休日の場合は火曜日)、年末年始

入場料/一般300円、高・大学生150円、中学生以下・65歳以上の方・障害者とその介護者1名は無料

アクセス/

【車】

成田市内より県道成田安食バイパスで約20分

【電車・バス】

JR成田線安食駅から「竜角寺台車庫」行バスで「房総のむら」下車、徒歩約3分

JR成田駅西口から「竜角寺台車庫」行バスで「竜角寺台2丁目」下車、徒歩約10分

駐車場/あり(無料)

電話番号/0476-95-3333

 

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【おまけ】コスプレも!忍者や町人に扮して楽しめます

「房総のむら」に出掛けたら、入口前に広がる「ドラムの里」内の「コスプレの館」もチェック。

 

房総のむらコスプレ

 

こちらでは、子ども用から大人用まで、忍者や剣士、侍などの衣装がレンタル可能。

衣装は、子ども向け7種、男性向け9種、女性向け7種があり、子ども用で1,000円~、大人用で2,000円~と手ごろな価格も魅力。

 

写真は「子供忍者」(レンタル料、最大3時間で1,000円)と「大人忍者」(レンタル料、最大3時間で2,000円)。

 

房総の村コスプレする子どもたち

 

専門のスタッフがきちんと着付けしてくれるので安心です。

親子連れや外国人観光客にも好評とのことですよ。

 

衣装を身に付けて、風情のある町並みを歩けばより気分が盛り上がるかも!

 

※5人以上での利用は2週間前までに予約が必要。

※雨天時は貸し出し不可

※18歳未満の方は、その保護者が申込みすること。

 

コスプレの館

住所/千葉県印旛郡栄町龍角寺1039-1

営業時間/9時~17時

(※貸付時間は10時~16時 1日1回につき3時間まで。ただし、13時以降の受け付けは16時まで)

定休日/月曜(祝日の場合は翌日)

電話番号/0476-85-8155

 

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