ドラマ「3年A組」ガルムフェニックスの生みの親 ヒーロースーツ制作のプロフェッショナルが千葉にいた!!

 

突然ですが、このヒーローに見覚えがある、という人は挙手!

 

 

20191月~3月に放送され、大きな話題を呼んだテレビドラマ「3A組」(日本テレビ)に登場した「ガルムフェニックス」です。

 

私も見てました~!

菅田将暉さん演じる主人公・柊一颯先生に大きな影響を与える、物語のキーとなるキャラクターでしたね。

 

実は、このヒーロースーツを作った方が千葉にいるんです。

 

その方とは、千葉市中央区にある「写真館オーシャン」オーナーの飯田充夫さん。

 

(齢50歳!)

 

普段は、カメラマンとしてお仕事をされていますが、ご当地ヒーロー「宇宙神(うちゅうじん)ゴッドチバダー」などの企画・運営を行う「イイダプロダクション」の社長というもう一つの顔を持っています。

 

12歳から趣味でプロレスマスクを作り始め、今ではヒーロースーツのデザインや縫製、ショーのシナリオ制作・演出まですべてを一人で手掛ける飯田さん。

ゴッドチバダーの「中の人」としてアクションだってこなしちゃいます!

公開 2019/09/18(最終更新 2023/03/07)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

記事一覧へ

ヒーローに憧れた少年時代…そして自身もヒーローに!

12歳からマスクを作っていたとは…。

飯田少年に、いったい何があったんですか?

 

飯田さん飯田さん:とにかく初代タイガーマスクに憧れていたんです。

 

さかのぼると、最初にハマったヒーローは、幼稚園の頃にやってた「バトルフィーバーJ」というスーパー戦隊。

以来、ずっとヒーロー物が好きだったんですが、タイガーマスクを初めて見たときに「現実にヒーローが現れた!」と思ったんですよね。

 

プロレスも、マスクマンしか興味がなかった。だから、その延長で自分でマスクを作り始めたんです。

素人でしたが、実家が布団屋だったから布に困らなかったし、業務用ミシンもあったんですよ。

 

で、24歳からプロレスラーに自作のマスクの販売をスタートした。

次の年にはプロレス興行がある後楽園ホールに行き、プロレスラーに名刺を配ってみたらコスチュームを作ることになって。

見よう見まねで始めたんですが、好評で現在もやらせてもらっています。

 

そんな僕がヒーロースーツを作り始めたのは、2011年の震災以降です。

子どもたちをなんとか元気にしたくて、思い付いたのがスーパー戦隊。

 

プロレス用のコスチュームをベースにヒーロースーツを作って、自分が着て演じようと考えました。

こうして生まれたのが「宇宙神ゴッドチバダー」です。

 

「宇宙神ゴッドチバダー」とは

ボンバー星から、愛車の「ゴッドジェット」にまたがって、地球にツーリングにやってきたヒーロー。

千葉県産のピーナッツがボンバー星の宇宙食と同じと分かり、千葉市に滞在している。

仲間と共に敵のダークコスモ軍をやっつけ、千葉の平和を守っているのだ!

 

【飯田さん制作の動画はこちら!】

  

飯田さん飯田さん:今では、幼稚園の卒業式やお誕生会に呼ばれて出掛けたり、商業施設などでヒーローショーを行っています。

 

ゴッドチバダーは「ノーマルモード」の他、目元や胸元がピカピカと発光する「超甲(ちょうこう)モード」、アクション向きの「ウイングモード」「ファング牙付モード」などさまざまなモードにフォームチェンジするヒーローなんです。

 

(超甲モードのゴッドチバダー)

 

飯田さん飯田さん:ちなみにヒーローのマスクに電飾を仕込むのは僕くらい。

昔電気屋で働いていたことがあるので、配線が得意なんです。

だから「超甲モード」をお披露目したとき、その界隈では「かっこいい!」「こんなの見たことない!」と大絶賛でしたね。

ただ、このモデルはなにせ動きづらい。

アクションには向かないので、「超甲モード」は、ただ立っていればいい時だけ登場させています(笑)

 

ヒーロースーツの素材ってどういうものなんですか?

 

飯田さん飯田さん:一般的にはFRPという強化プラスチックを使うことが多いんだけど、僕はウレタンやエナメルを組み合わせて作ります。

ミシンで縫うからステッチがあるのが特徴ですね。

(素顔の飯田さん。スーツの話をするときは職人の表情)

 

何といっても軽いんですよ。

3A組」の撮影時もスーツアクターさんが「こんな動きやすいスーツは初めて!」と感心してたくらい。

 

――動画を見るとゴッドチバダーのアクションも本格的…。飯田さんが演じられてるんですよね。

 

飯田さん飯田さん:空手を習っていたことがあるので、アクションは得意なんです。

僕以外のスーツアクトは、実は全員プロレスラー。

もちろん、普段から集まってアクションの練習もしています。

ゴッドチバダーの得意技は「ハイパーローリングソバット」という、ジャンプしながらの後ろ回し蹴り。

3A組」で、菅田君扮する柊先生が劇中でこの技を決めてたせいか、最近特撮でよく見る気がしますね。

ブームを起こしちゃったかも(笑)。

腕が認められ、人気ドラマに起用!

――そんなイイダプロダクションに、日本テレビからお声がかかったと…。

 

飯田さん飯田さん:そうなんです。オファーがあったのは、201811月。

ゴッドチバダーのYou tubeを見たドラマのスタッフから連絡があったんです。

当初は、「ゴッドチバダーのスーツをドラマで使わせてくれないか」という内容でした。

よくよく話を聞いてみると、ゴッドチバダーではなく、ドラマ用に別の名前を付けるから、スーツだけ貸してほしいとのこと。

その条件は飲めなかったので、ドラマ内ではゴッドチバダーは「ヒーロー」と呼ばせて、エンドロールに「イイダプロダクション制作」と入れてもらうことにしたんです。

 

その1カ月後に撮影に参加。

スーパー戦隊や宇宙刑事シリーズをやった大御所スーツアクター、柴原孝典さんが作品にかかわっていたので、実際にお目にかかれたのが感激でした!!

ちなみにドラマ内でゴッドチバダーを演じたのは、放送中の仮面ライダーの敵怪人スーツアクターもしてる方なんです。

 

それから数日後、ドラマのスタッフから、既存の「ラッカ星人ピーツ」のマスクを利用して新たな怪人を作ってほしいという話をもらったんですよ。

(個性豊かなゴッドチバダーの仲間たち。一番右側がラッカ星人ピーツです)

 

マスクはそのまま、ボディのみ進化させて、腕が6本生えた怪人を作りました。

(キ〇肉マンのあの怪人をイメージ…)

 

これがデザイン画です。

ドラマ内で、この「手」がまたストーリー上重要な役割を果たしましたよね。

こうやって仕事のやり取りをしているうちに、僕と番組スタッフの間で、だんだん信頼関係ができていきました。

その流れで、「ドラマに登場する『ガルムフェニックス』を飯田さんに作ってほしい」と正式に依頼されたんです。

 

――ガルムフェニックスは全くの新キャラなんですか?

 

飯田さん飯田さん:そうです。ゼロから作りました。

デザインも完全に任せてもらって。

(飯田さんが描いたデザイン画。めちゃくちゃ絵がうまい!)

 

ヒーローなのでやはり色は「赤」で、フェニックスだから、鳥が羽を広げているところをイメージして胸元のモチーフを考えたり…。

ベルトのバックルなど、「日テレ」の「日」「テ」「レ」の文字をあちこちにちりばめているんです。

完成したスーツを見たスタッフの方が「宝物にします!」と言ってくれたことがうれしかったですね~。

制作期間が10日しかなくて不眠不休で作った甲斐がありました…。

 

――10日間で、デザインから縫製まで!? できるものなんですか?

 

飯田さん飯田さん:通常の期間の半分以下ですね…。

でも、この作品には不思議な縁を感じるんですよ。

 

まず、僕はずっとプロレスのコスチュームを作っていたでしょう?

ドラマで永野芽衣ちゃんが演じた茅野さくらは大のプロレスファンという設定。

ドラマ内にもプロレスにまつわる小ネタがたくさん出てきたし、通じるものがあるな…と。

 

それと、ゴッドチバダーの生まれた星の名前が「ボンバー星」なんです。

ドラマでも爆破シーンがたくさんあったから、これもまた共通点ですよね。

(「3A組」撮影現場で)

 

――確かに、重なる部分も多いですね!

ちなみに、これまでたくさんのヒーロースーツを作られてきたと思いますが、ヒーローと悪役とでデザインで気を付けている点はありますか?

 

飯田さん飯田さん:Vの法則」って勝手に呼んでるんだけど、Vの字を使うとヒーローっぽく見えます。

逆に「へ」の字は悪役っぽくなりますね。

あと怪人ならツノを付けるとか、色はダークカラーにするとか、それで大分イメージが変わりますよ。

 

11点、オリジナルで制作しているから、作ったスーツすべてに愛着があります。

新作が完成すると、食事をしながら、寝る前にベッドの上で…とついマスクを手に取ってうっとりと眺めてしまい、妻にあきれられています(笑)

 

――ありがとうございました!

 

最後に、飯田さんに「ゴッドチバダー」に変身していただきました!

 

身長190cmと長身の飯田さん。

 

ゴッドチバダーのスーツに身を包むと圧倒的な存在感でした。

写真館のゴージャスな背景とのギャップもイイ!

 

飯田さんがオーナーを務める「写真館オーシャン」では、ゴッドチバダーやその仲間たちと一緒に写真が撮れたり、実際にスーツを着て写真を撮ったりも可能だそうですよ。

 

調子に乗った取材スタッフもマスクを被らせてもらいました。

 

 

弱そう!!

 

\ゴッドチバダー参加! /日本ローカルヒーロー祭

そんなゴッドチバダーに会えるイベントが近日開催されます。

 

2019 日本ローカルヒーロー祭

日時/10月5日(土)・6日(日) 各日11時~1730分 ※雨天決行

場所/〈5日〉ショッピングセンターGLOBO(千葉市中央区川崎町1-34

〈6日〉フェスティバルウォーク蘇我(千葉市中央区川崎町51-1)・アリオ蘇我(千葉市中央区川崎町52-7

電話番号/03-3446-4588 

日本ローカルヒーロー祭実行委員会(ヤツルギ魂)

 

ゴッドチバダーは、105日(土)は練り歩き(グリーティング)のみ。

106日(日)12時~のプロレスステージに登場します!

 

どうぞ振るってお出かけください~!