バスケ観戦の楽しみ方をB.LEAGUEチェアマンに直撃取材!
令和の国民的スポーツ・バスケ。アリーナスポーツ観戦のポイントとは?

2016年秋に始まった男子プロバスケットボールのB.LEAGUE(以下「Bリーグ」)。

2019年に入って明るいニュースが相次ぐバスケ界に注目が集まる中、103日に4年目のB1開幕戦が行われます。

「興味が出てきたのでこれからバスケを見てみようかな」と思っている人も多いはず。

そこで、代表戦の行われる千葉ポートアリーナでの試合前、大河正明チェアマンにお時間をいただき、Bリーグの魅力やバスケ観戦の面白さについて伺ってきました。

(取材日/2019812日)

【 プロフィール 】大河 正明(おおかわ まさあき)
1958531日生。三菱(現・三菱東京UFJ)銀行勤務中の1995年から2年間Jリーグへ出向、いったん銀行に戻った後、2012年公益社団法人日本プロサッカーリーグ理事に。同リーグ常務理事を経て、20155月公益財団法人日本バスケットボール協会専務理事事務総長に就任、同年9月よりB.LEAGUE チェアマンを務める。

 


<目次>

・Bリーグ開幕から3シーズンが終了 進化した点と現状の課題は?

・八村塁や富樫勇樹が躍動!勢いをつけた代表のワールドカップ出場

・女性に優しいバスケ観戦! 野球やサッカーとの違いとは?

Bリーグ開幕から3シーズンが終了
進化した点と現状の課題は?

―本日はお忙しい中、ありがとうございます。

さて3年目が終わったBリーグですが、2016年秋の開始当初から見て、どのような面が一番大きく変化したと思われますか?

 

Bリーグをスタートするに当たって「日本のプロバスケのレベルを上げたい」という思いがありました。

それが少しずつ実を結んで、今の代表の躍進に現れてきています。

世界の舞台から遠ざかっていた男子もワールドカップやオリンピックに出場できるようになった、これが一番の変化ですね。

代表の活躍だけでなく「プロのレベルアップ」という点において、Bリーグ自体も初年度より2年目、2年目より3年目…と毎年レベルが上がってきています。

もう一つは演出面ですね。千葉ジェッツを筆頭に、音と光を使ってコンサート会場に来たような劇的な空間を作り上げています。

ハーフタイムのイベントやチアの盛り上げなど、ゲーム観戦以外のエンターテインメントの部分も格段に向上、進歩しています。

バスケの実力とパフォーマンスのレベルアップ、この二つがあいまって入場者数も増え、注目されるようになってきました。

ゲームの合間に行われる華やかなショー ©B.LEAGUE

 

―現在のリーグの盛り上がりは、当初思い描いていた計画と比べていかがですか?

 

まずまず、想定通りといったところです。

人によっては、Jリーグのスタート時点と比べて、少し地味に感じるかもしれません。

私は元々Jリーグの仕事もしていたのですが、あちらは「ロケットスタート」なんです。

野球の独壇場だった日本のプロスポーツ界に新しいリーグが誕生するということで、開幕に当たって華やかな告知を打ちました。

マスコミに大きく取り上げられ、カズ、ラモスといったスター選手も現れ、それ以前のサッカー界からしたら10倍、20倍の勢いでスタートしたわけです。

一方バスケですが、実はBリーグ以前にもリーグは存在していたので(※「MEMO ~Bリーグ誕生前の日本バスケ界」参照)、Jリーグのような華々しいスタートダッシュは考えていませんでした。

実はロケットスタートをしたJリーグは、バブルが弾けて3年目に観客動員が落ちている。

Bリーグが目指すのはサステナブル(持続可能)な成長です。

一年一年地力を付けながら、国民の間に定着していくような成長曲線を掲げてやってきました。

派手さはないですが、まる3年終わってそれなりに思い描いていた形になっていると思います。

 

(※)MEMO ~Bリーグ誕生前の日本バスケ界

日本にはかつて、企業チームが集まったナショナルバスケットリーグ(NBL)と2005年にできたプロチームによるbjリーグという、二つのトップリーグが存在していた。これを問題視した国際バスケットボール連盟によって制裁が課され、一時期、日本代表が国際大会に出場できない事態にまで発展。その後、リーグ統合を目指し川淵三郎氏(現・日本トップリーグ連携機構会長)をチェアマンに迎え、2015年に「B.LEAGUE」が発足。現在に至る。

 

 

―課題として見えてきたことはありますか?

 

トップリーグのB1とその下部リーグのB2で各18チーム、合計36チームあるわけですが、その中で経営力に格差が出てきています。

B1では千葉が集客や事業規模でリーグを引っ張っていますが、B2では茨城ロボッツですね。

最初は「B2に入れるのだろうか」というくらいの規模のチームでしたが、年々大きな成長を遂げているのは経営力の賜物です。

このように関東には元気のあるチームが目立つのですが、西日本に目を向ければ、琉球を除いて、まだまだやるべきことがある。

B1・B2に限らず、地域によって差が出てきているので、そこが課題と言えます。

一方で「20202021年シーズンまでに、日本人の1億円プレーヤー(※)を誕生させる」という目標は前倒しできました。

全体的には堅調に運んでいます。※帰化選手を除く

 

富樫選手と島田慎二前社長

6月3日千葉ジェッツは、富樫勇樹選手と基本年棒1億円を突破する契約を結んだことを発表した。写真はその発表記者会見後、笑顔を見せる富樫選手と島田慎二前社長(現会長)©CHIBA JETS FUNABASHI

 
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八村塁や富樫勇樹が躍動!
勢いをつけた代表のワールドカップ出場!

―この3年でグン!と潮目が変わったタイミングはありましたか?

 

最初は2016922日のBリーグ開幕戦です。

今までの人気プロスポーツ、サッカーや野球では見たことのないような、アリーナスポーツの華やかな演出を披露することで、世の中の人に「Bリーグってなかなかやるね!」「面白そう!」と思ってもらえました。

それが一つ目です。

©B.LEAGUE

©B.LEAGUE

2016年9月22日、国立代々木競技場で行われたアルバルク東京対琉球ゴールデンキングスのBリーグ開幕戦。ここからバスケの新時代が始まった

 

次は昨今の日本代表チームの活躍ですね。

ニック・ファジーカス選手の帰化、アメリカで活躍する渡邊雄太選手や八村塁選手の加入、富樫勇樹選手や馬場雄大選手らの奮闘でワールドカップアジア予選4連敗から奇跡の8連勝2位通過。

これでボルテージが上がり、ワールドカップ本戦出場を決めた2019224日と、東京オリンピック出場が正式に決まった3月30日に二つ目の潮目が来ました。

特にワールドカップ出場が決まった後のB1は、ほぼ毎試合、満員に近い観客が入るようになりました。

集客面でワンランクUPした感があります。

今後潮目が変わるポイントが来るとすれば、新アリーナ登場のタイミングではないかと思っています。

一部の人気チームでは、現在の5千人収容のアリーナのキャパでは足りなくなってきているので、新しいアリーナ建設の計画が出始めている。

一番近いところでは2020年秋、琉球ゴールデンキングスが本拠を置く沖縄に1万人規模のアリーナができる予定です。

千葉ジェッツも株式会社ミクシィを戦略パートナーとして、本格的な新アリーナ建設構想について言及されている。

これらの動きによって第3の波が来るのではないかと期待しています。

 

―大規模なアリーナの演出となると、今よりさらにハイグレードなパフォーマンスが見られそうですね。考えただけでワクワクします!

 
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女性に優しいバスケ観戦!
野球やサッカーとの違いとは?

―昭和の野球、平成はサッカー、そして令和はバスケの時代になるのでは?という期待も高まっています。従来の人気スポーツにはない、バスケならではの魅力とは何ですか?

 

大きな違いは屋内スポーツであること。

アリーナは空間として密集度が高いので、選手との距離感が近いんです。

だからファンと選手の一体感を作りやすい。

スタジアムだと選手との距離がかなりあって遠く感じますが、バスケはベンチの後ろの席だと声もしっかり聞こえるぐらい。

シュートが決まった時は、ベンチの反応を見るのも楽しいですよ。

 

ー今度からベンチにも注目して見てみます! 競技自体はどんな点が魅力ですか?

 

展開がスピーディー。

絶えず攻守が入れ替わってどんどん点が入っていくから、野球やサッカーに比べて、ファンの歓声が上がる回数が格段に多いでしょう?

ゴールを入れたり入れられたりするたびにワーワー沸くスポーツなので、感情的にも入り込みやすい。

退屈している暇がないんです。

退屈しないといえば、最初にお話しした通り、試合以外のアトラクションの部分ですね。

チケットを買えば、テーマパークのナイトショーのような音と光の演出や、派手なプロジェクションマッピングなども楽しめる。

他のどのプロスポーツよりも「劇場型」なのがBリーグの魅力です。

 

―確かにタイムアウトの時もチアがパフォーマンスをしたり、「このタイミングではこのBGM」というのが決まっていたりして、見る方も楽しめるポイントがたくさんありますよね。

 

千葉ジェッツの選手

選手との近さ、会場の一体感がブースター(ファン)にはたまらない船橋アリーナ ©B.LEAGUE

 

―他にはどんな特徴がありますか?

 

チームによって多少カラーの違いはありますが、比較的女性や若いファンが多いですね。

 

―どういう点が女性に受け入れられているのでしょうか?

 

野球やサッカーは雨に降られたり日焼けが気になったりしますが、バスケは完全に室内なので、おしゃれをして来ても汚れることはない。

女性からしたら見に来やすい要素だと思います。

あとは…野次がない点ですかね。

選手もファン同士も互いのチームをリスペクトしあっていて、試合前には必ず相手チームに対して拍手をします。

もちろん野球やサッカーでもそういうシーンは見られますが…。

女性は激しい野次が苦手な人が多いと思うので、そういう点でも親しみやすいのかもしれません。

ただ、それぞれのスポーツに長所短所はありますが、どのスポーツもそれなりに面白いんです。

野球が好き、サッカーが好きだからバスケは面白くない、ということはない。

スポーツを見るのが好きな人にとっては、やっぱり面白いんですよ。

例えばプロ野球が好きだとして、ひいきのチームがクライマックスシリーズや日本シリーズに進めなかった場合は、10月頭にシーズンが終わってしまいます。

一喜一憂する楽しい毎日が終わってしまう…そんなタイミングでちょうどBリーグのシーズンが始まるわけです。

寒い季節になっても暖かいアリーナの中でまた違うスポーツを楽しむことができるんですよ。この時季の新しい文化として、春までぜひBリーグで大いに盛り上がっていただければと思います。

一年中楽しいですよ。

 

―スポーツファンは休む間がないですね(笑)。ありがとうございました!

 

この後行われるニュージーランドとの試合を観戦するために退室したチェアマン。

「今日は渡邊雄太選手が欠場で、どうなるかな」とおっしゃっていましたが、試合は八村選手が35得点の大活躍、89対78で見事勝利を収めました。

 


 

中国で行われたワールドカップ本大会も終わり、いよいよB2920日から、B1は103日、横浜アリーナで行われる川崎対宇都宮戦を皮切りにスタート!

来年には東京オリンピックも控えています。

令和の国民的スポーツとしてこれから大きく成長していくに違いないBリーグ、はまるなら今ですよ!

 

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この記事を書いた人

編集部 R

編集部 R

「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。

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