【千葉県立中央博物館】夏休みにぴったりな企画展「ほにゅうるい」に行こう!

8月になり、子どもたちは夏休み真っ只中。お出かけの季節です。夏休みの人気お出かけスポットの一つが博物館や美術館でしょう。子どもたちは自由研究の材料集めができますし、何よりも楽しいですよね!

でも博物館はたくさんあります。どこの博物館がいいのか迷っている方にオススメしたいのが、千葉県立中央博物館! 千葉県をテーマにした展示が充実しており、常設展示では房総半島の自然と歴史を楽しみながら学べます。また、併設する野外施設「生態園」では、房総半島の生態系を再現しているので、五感で学習できます。

そんな千葉県立中央博物館は、今年で30周年。それを記念して、713()923(月・祝)まで「ほにゅうるい」という企画展が開催されています。千葉県立中央博物館に行くなら今がオススメですよ!

では、一体どういったものになっているのでしょうか?

 


<目次>

・夏休みは千葉県立中央博物館に行こう!

・幻のクジラに出会える?!

・これぞ博物館!いろんな哺乳類を見てみよう
 └①カモノハシ
 └②アリクイ
 └③ナマケモノ
 └④ゾウの赤ちゃん
 └⑤ジュゴン
 └⑥カワウソ
 └⑦ヒト

・ちょっと真剣なはなし。哺乳類の社会問題について考えよう

・クジラとカバの嘘のようで本当のはなし

・千葉出身の写真家「星野道夫さん」の展示写真にも注目

・「さわれる展示」でさわってみよう、くらべてみよう

・学びの思い出は一生の財産に 〜ライターあとがき〜

公開 2019/08/14(最終更新 2023/03/07)

梶原 よんり

梶原 よんり

大学卒業後、旅行会社の広報部に就職するもライターの夢を追いかけるために退職。現在は雑誌や新聞など各種媒体で執筆中。2019ポートクイーン千葉としても活動している。 ★instagram★ https://21/www.instagram.com/yonri.kajiwara/

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夏休みは千葉県立中央博物館に行こう!

ん〜!!

懐かしい空気と景色!小学生の時に訪れて以来の千葉県立中央博物館です。

大人になってから見る千葉県立中央博物館は、少し小さく見えました。

では、入館しましょう。

入館するとライオンが迎えてくれます。

ここは絶好の写真撮影スポットですね。

一緒に写真を撮りたがる子どもたちが多いようです。

 
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幻のクジラに出会える?!

場所:2階ホール

皆さんは「ツノシマクジラ」をご存知でしょうか?

ツノシマクジラは2003年に新種として記載されたクジラです。

インド洋、西太平洋(日本海を含む)・大西洋で発見の記録がありますが、情報が少なく、未だに謎の多いクジラです。

幻のクジラともいわれています。

そんなツノシマクジラの骨を!!

千葉県立中央博物館で見ることができるのです!!

遡ること2年前、20176月のことです。

千葉県勝浦市の海岸に一頭の白骨化したツノシマクジラが見つかり、千葉県立中央博物館が回収しました。

それはそれはもう、珍しいのなんの!日本で7例目の報告、4例目の標本となる貴重なものでした。

今後、千葉県立中央博物館ではこの個体の詳しい調査を行なっていく予定です。

 
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これぞ博物館!いろんな哺乳類を見てみよう

場所:第一企画展示室

さぁ、いよいよ「ほにゅうるい展」の一番楽しい時間がやってきました!

その姿はリアルそのもの。様々な哺乳類たちの標本を見てみましょう!

わぁぁぁ!!

大迫力のシロクマがお出迎え!

毛並みや表情など、非常に本物そっくりです!

今からでも動き出すのではないか?!と思うほどの迫力でした。

見入ってしまいます。

個人的には、肉食動物に紛れ込んでいるパンダが可愛くて仕方なかったです。

それでは、第一企画展示室に展示されている動物を一部ご紹介します。

馴染み深い動物から、「聞いたことはあるけれど、見たことがない」という動物まで、いろんな動物がいましたよ!

①カモノハシ

某アニメのキャラクターとしても有名なカモノハシ。

やはりくちばしに特徴がありますね。

大きくて平べったくて愛くるしいです。チャーミングな水かきもポイント。よく見れば見るほど可愛いです。

アニメキャラクターとして採用された理由がなんとなく分かる気がします。

②アリクイ

実は私、アリクイをまじまじと見るのは初めてです。

こんなにモフモフしている可愛らしいルックスだったなんて。

この子がアリを食べるなんて・・・食べるなんて・・・。

③ナマケモノ

模型の隣には骨が!

かわいい見た目の内側はこうなっているのか、と勉強になります。

ナマケモノ、という名前には似合わず、きちんと全身を手と腕で支えていて力持ちなんですね。

骨まで可愛いです。

④ゾウの赤ちゃん

この子すっごく可愛い!

子どもたちは食い入るように見るようです。

そりゃそうですよね、象の赤ちゃんを見る機会なんてなかなかないですから。

「赤ちゃんなのに大きいね!」そんな声も聞こえてきそうです。

⑤ジュゴン

ヒゲ!!

思わず下からのアングルでじーっと眺めてしまいました。

ジュゴンは人魚姫のモチーフになった動物とも言われているので、もっとこう、メルヘンな見た目だと思っていましたが、意外とおっさんチックな見た目でした。

一周回って可愛いよ!ジュゴン!

ジュゴンの骨も見られます。

こうなっているのね!特殊すぎる形です。

⑥カワウソ

「思っていたよりも小さかった!」「思っていたよりも大きかった!」

カワウソを見た子どもの感想は様々。

このような感想を持つことも、大切な学習経験です。

⑦ヒト

笑ってしまったのがこちら。ヒト、だって。これ私じゃん。

▲鏡に自分が映ります

 

千葉県立中央博物館の学芸員さん、頭いいなぁ・・・私も家の鏡に「ヒト」って看板立てかけようかな・・・。

そうしたら、おうちで博物館気分が味わえるかも?(え?そんなことない?)

 
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ちょっと真剣なはなし。哺乳類の社会問題について考えよう

場所:通路

こちらは通路に展示されているコーナー。

可愛い鹿と・・・

可愛い猿・・・

実は彼ら、千葉県に生息する代表的な外来種です。

彼らが抱える問題は非常に深刻。

「猿さん鹿さんかわい〜!」とお子さんが興味を示したら、それは社会問題に触れさせるチャンス。

この夏は親子で動物の社会問題について話し合ってみるのもいいかもしれません。

鹿に見えるのは「キョン」という動物です。

2000年代以降、個体数が増加し分布域を広げています。

猿は交雑が問題化。

ニホンザルと外来種のアカゲザルが交雑してしまうことで、交雑ザルが増加しています。

外見だけでは、交雑ザルかどうか分からないのも、問題を複雑化させています。

外来種とは:本来は分布していなかった地域へ、人間によって持ち込まれた生物種のこと(公式パンフレットより)

このような外来種が増えてしまうことで、その地にもともとあった自然環境や野生生物に深刻な悪影響を及ぼすと言われています。

ほかにも、絶滅危惧種のアカギツネやスナメリなど、千葉県の身近な哺乳類の問題を最新データで解説しています。

楽しいだけではなく、きちんと学べるのが博物館のいいところ。

きちんと社会問題にも触れて、真剣に考える時間も大切にしましょう。

 
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クジラとカバの嘘のようで本当のはなし

場所:生物の分類展示室

生物の分類展示室では、クジラの骨の模型が眺められます。

入館してからすぐの2階ホールにも、クジラ(ツノシマクジラ)の骨とご対面できますが、宙に浮かんでいるのもいいですね!

迫力が違います!

眺められるのは「イッカク」というクジラの骨。

これはレアものです。

模型ではなく、本物の骨ですよ〜!

ところでクジラとカバ。

似て・・・いますか?一見似ていませんよね。

クジラとカバの共通点といえば、パッと思い浮かぶのは「どちらも哺乳類」ということだけ。

それが、近年の遺伝子(DNA)を使った研究から、クジラはカバと同じ偶蹄類から進化したグループであることがわかりました。

偶蹄類(ぐうているい)とは、ひづめを持ち、指の数が偶数の動物のことです。

カバ、ウシ、シカ、キリンなどが当てはまります。

この中でも特にカバがクジラと近い動物だと研究結果が出ています。

子どもたちの驚く声が聞こえてきそうですね。

パネルで分かりやすく解説しています。

この夏は新たな知識を増やしましょう!

 
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千葉出身の写真家「星野道夫さん」の写真展示にも注目

場所:通路

写真撮影NGだったので、写真は載せられませんが、千葉県出身の写真家「星野道夫さん」の写真も展示してあります。

動物たちのみなぎる命、躍動感が見る者に訴えてくるような写真でした。

標本で学んだ後に、本物の動物を写した写真を見ると、心が揺さぶられます。

皆さんは星野道夫さんの写真を見て何を感じるのでしょうか?

 
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「さわれる展示」でさわってみよう、くらべてみよう

場所:第二企画展示室

第二企画展示室には、触れる展示物があります。

本物さながらの模型を触りながら、それぞれの種類の違いを学ぶのにいい機会です。

見て学んだら、今度は触って学んでみましょう!

(写真:千葉県立中央博物館提供)

 

こちらはニホンジカの下顎の骨格です。

子どもたちも興味津々。

本来ならば触ることのできない、珍しい生物の骨が触れますからね!

(写真:千葉県立中央博物館提供)

 

クジラの骨の縮小模型もあります。

原寸大のサイズだと大きすぎるので、大きさを圧縮させたものを展示しています。

(写真:千葉県立中央博物館提供)

 

シカのツノだって触ることができます。

こちらは模型ではなく本物。いっぱい触ってみましょう!

他にもカヤネズミ、アズマモグラ、アブラコウモリなど、珍しい動物の原寸大(かつ重さも再現された)のフェルト人形も触ることができます。

ちなみにフェルト人形は、ボランティアさんが作ったものです。

「さわれる展示」はボランティアさんの協力があって成り立っている展示なのです。

あったかいですね。

(ご本人と保護者の方から了承を得て撮影、掲載しております。)

 

たくさん触って学んだら、最後は記念撮影!

愉快な小学生が撮影に協力してくれました。

頭にお猿のカチューシャを付けたり、首からカモノハシをぶら下げたり、いろんな動物を身につけて楽しく写真撮影ができますね。

夏休みの思い出の1枚を撮りましょう!

 
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学びの思い出は一生の財産に
〜ライターあとがき〜

私がまだ小学生だった頃、夏休みに家族で博物館に行ったことは今でも良い思い出です。大人になった今、「もし私がお母さんなら」と思いながら今回は記事を執筆しました。

子どもの頃に親と一緒にお出かけをして学ぶ経験は、大人になってからもずっと活きます。少なくとも私は、博物館のおかげで学ぶ楽しさを知りました。大人になった今でも勉強が好きなのは、多少なりとも幼少期の博物館の記憶が影響しているのでしょう。

長い夏休み、子どもたちの過ごし方に悩んでいるお母さんたちは多いと思います。ぜひ、選択肢の一つとして千葉県立中央博物館を考えてみてください。学びと楽しさが共存する思い出ができます。そして、その思い出は数年後に財産になるかもしれませんよ。

 

千葉県立中央博物館

開館時間/9:0016:30(入館は16:00まで)

休館日/〜9/1()までは無休、通常は毎週月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌火曜日が休館です)、年末年始、その他臨時休館

※詳しくは公式HPをご覧ください

電話番号/043-265-3111

住所/千葉市中央区青葉町955-2(青葉の森公園内)

アクセス/千葉駅、蘇我駅、千葉寺駅からバスと徒歩でのアクセスが一般的です。各種アクセス方法は公式HPをご覧ください。