千葉県市原市田淵(養老川沿い)で見られる地層が、約77万~12万6千年前の地層時代区分を代表する国際標準模式地となる可能性が高まりました(写真:田淵の地層)。
決定すれば地球の歴史に初の日本名が刻まれる快挙。
今、市原が世界から熱い視線を浴びています。
公開 2017/12/25(最終更新 2022/04/25)
世界で最も観察しやすい地層
2017年11月、国際地質科学連合による第一次審査で、市原の地層がイタリアの2候補地より観察地点として優れていると評価されました。
決定すれば地質時代に初の日本名「チバニアン(千葉時代)」が刻まれることとなります。
これまではイタリアの地名が多く選ばれており、アジアでは中国に観察地点が存在しますが日本にはまだありません。
チバニアンが時代区分となるのは、新生代第四紀更新世の中期。
選ばれた大きな理由は、地磁気逆転期の痕跡が、分析データから客観的に確認できるからです。
約77万年前に噴火した長野県・岐阜県の御嶽山の火山灰堆積層が現場で見られますが、
ちょうどその頃から、Nが南・Sが北を指す逆磁極が、現在の正磁極へと徐々に移行したとされています。
また、地層堆積速度がイタリアの約10倍で、地層が含む情報量もその分豊富だといえます。
日本チームの努力が実を結ぶ
1960年代には、既に地磁気地質調査が行われていました。
今回の快挙は、2017年6月の正式な申請へ至るまで綿密な調査と研究、世界に向けての報告を行ってきた茨城大学や国立極地研究所を中心とする日本チームの努力のたまものといえるでしょう。
市原市の小出譲治市長は、「とても喜ばしいこと。今後の経過に期待を込め、希少な地層の保存保護と活用に努めたい」とコメントを出しました。
2018年以降、さらに3段階の審査を経て正式な決定がなされます。
吉報を待ちたいですね!
ここに「チバニアン」の名が!?
子どももママも勉強になる、注目の新おでかけスポットになりそうですね。
見学の際には次のことにご注意を!
・土を削らない
・降雨後は増水して危険なので近づかない
・長靴着用がおすすめ
※地層は貴重な資料で、現場は滑りやすい川沿いにあります。
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