スマートスピーカーやAI家電、家庭用ロボットでできることは?

スマートスピーカーやAI搭載の家電に家庭用ロボット…。

よく耳にするけれど、全然ついていけてない!
確実に近付いてきていると感じるAI(人工知能)& ロボット時代。
不安に思う前に知りたい!! 操作は簡単なの?これからどうなるの?

 

ロボット事業のコンサルなどを行っているロボットの駆け込み寺!!ロボットスタート株式会社へ行ってきました。

お話を聞いたのは…ロボットをもっと分かりやすく伝えようとロボットやAIなどの最新テクノロジーに関する情報を扱っているWEBマガジン「ロボスタ」の編集長 望月亮輔さん


<目次>

・ロボット・AI・IoTとは?

・おすすめ家庭用ロボット

・スマートスピーカーでできること

・AIロボットの活躍

・家庭用ロボット最新情報

・AIができること~AIカスタマイズスイーツのお店へ~

公開 2019/03/06

TAEKO

TAEKO

生まれも育ちも千葉県です。わけあって富士山に登ろうと思ってます。 赤ちゃんの写真とめかぶにはまっています。

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ロボット・AI・IoTとは?

――――ロボットってなんですか? 定義みたいなものが全くわかりません…。

 

ロボットスタート望月さん簡単にいうと、「感じて、考えて、動く」という三つの要素をもつものがロボットだと定義されています

センサーで外部の情報を取得して、触られたことや目の前に人が通ったことを感知して、それをもとに考えて動くもの。これがロボットだと定義されています。

ただ、最近はロボットといわれていても動かないものや、センサーがないものもあり、定義は広くなってきています。

スマートスピーカーに顔がついていればロボットだと感じる人や、顔がついていてもロボットには思えない人、感じ方がちょっとずつ違うんですよね。

 

――――IoTやAIという言葉をよく聞きますがこれはなんですか?

 

ロボットスタート望月さんIoTとは、インターネットにつながっているもののことです。

スマートロック(電子錠)など、インターネットに繋がっているものは全てIoTの製品です。そういう意味では、最近のロボットの多くはインターネットにつながっているので、ロボットもIoT製品の一部だと言えます。

AIというのはソフトウェアのこと、つまり物体ではなく脳みそを指します。

画像認識して、それをもとに判断し、得られた情報を蓄積してさらに賢く進化していきます。

いかにデータを蓄積できるか、それをどう活用するかが重要だと言われています。

 

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おすすめ家庭用ロボット

――――生活にロボットが入ってきたのはいつ頃ですか?

 

ロボットスタート望月さんアイボがでてきた1999年頃、初めて、一般的に想像される“ロボット”が家の中に入っていったのかなと思います。「ファービー」もその頃かもしれません。このようなコミュニケーションが取れるロボットから、お掃除ロボット「ルンバ」の実用的なロボットまで、その後さまざまなタイプのロボットが家庭に入っていきました。

 

お掃除ロボット

AI家電で代表的なお掃除用ロボット。近年の進化により、家の中をマッピングできるようになった。ここに机がある、壁があるといった情報を収集しデータを蓄積。そして、それを基に地図を作り、いちばん最適なルートを通っていく。イスが動いたらぶつからないように動き、模様替えをすればデータを更新し新たなルートを作り出す。

 

ロボットスタート望月さん最近だとLOVOT(ラボット)という、役に立つことを一切しないロボットまで出てきました。

ラボットは、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションが特徴的なロボットで、アイボと同じように、言語での会話はできません。『スター・ウォーズ』のR2-D2のように鳴き声で感情を表します。

人の言葉をしゃべらなくても、人はそこに愛着がわくので、ノンバーバルのものが広がりつつあります。

aibo(アイボ)…ペットロボット。1999年に発表され、2018年に現在の形にデザイン変更された。ソニー

 

――――どういうロボットが求められていると思いますか?

 

ロボットスタート望月さんそれは、誰も分かってないんです。

一家に1台を目指して、メーカーがそれぞれ独自の提案をしています。

aiboのような犬型ロボットや、ラボットのような柔らかくて温かいもの、ロボホンみたいに携帯できるものなど…でも、誰もどれが正解かはまだ分かっていないんです。

 

アニメでは「ドラえもん」や「コロ助」とかがいます。ドラえもんは便利な道具をだしてくれるけど、コロ助は何かをしてくれるわけではありません。

コロ助のように何もしないロボットが家族になって家の中にいてもいいのかもしれません。便利さが求められているのか、癒しを求められているのか、両方必要なのかそこすらも分かっていないんです。

 

ロボホン…モバイル型ロボット電話。SDKの提供や認定制度がはじまり、ビジネスシーンでの活用の期待が高まる。2015年 シャープ 

 

――――ロボットとの世界はどうなっていけばいいと思いますか?

 

ロボットスタート望月さん“愛でる”という感覚は、日本人ならではだと言われています。みんなが便利だと認識しているものをかわいがる。この感覚を持っている日本人だからこそ作れるロボットを日本人が作ってくれたらいいなと思います。

 

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スマートスピーカーでできること

――――海外とは感覚が全然違うということですか?

 

ロボットスタート望月さんアメリカの主流は、スマートスピーカーのような便利を追求したものです。

日本は世界から見ると特殊で、癒しが求められています。

アトムやドラえもんなどアニメが影響しているからではないかとよくいわれていますが、

海外だと、ターミネーターとか、ロボットに怖いイメージを持っているんですね。日本では家族や友達のイメージですよね。ロボットを見るとみんな笑顔になる。そこのところに強みを感じますね。
世界ではまだ犬を狩猟の存在だと考えている中で、日本ではペットだと捉えているかのような。日本のロボットに対する価値観は進んだものだと認識しています。

 

――――スマートスピーカーってスマホで事足りる気がするのですが、必要性はどんなところですか?

 

ロボットスタート望月さんスマホでやった方がいいこともたくさんありますけど、スマートスピーカーは音声の聞き取りがいいんですね。

広い部屋でも、すみずみまで音を拾います。

名前の通り、音楽を聴くことがメインの機能です。

最近だとストリーミングの音楽サービスと連携して、例えば、「明るい気分になる曲を流して」といった指示をします。

これまで聞いている趣向を察して、その人に合ったものを選曲もしてくれます。

 

スマートスピーカー

昨年、一昨年くらいに海外から入ってきたスマートスピーカーは、今後5年の間に日本でもかなり普及していくといわれている。世界では1億台以上が出荷されており、アメリカでは普及率が20%を超えている。料理をしているときや子どもの面倒で手が離せないときなどに音声で操作ができるのでとても便利。世界では2万種類以上の家電がスマートスピーカーに対応しているので、エアコンの温度調整や電気の明るさなど、スマートスピーカーに話し掛けることで操作できるようになっており、今後はそういったことが当たり前になってくるとされている。

 

 

――――子ども向けのものもあるんですか?

 

ロボットスタート望月さんはい、あります。

質問に回答してほしくないことは、それに回答しないようになっていたり、アプリを自由に入れることができないようにしたり、子ども向けに物語を読んでくれたり。

例えば、「宇宙について教えて」と聞くと、大人向けだとかなり難しい内容を答えるんですけど、子ども向けは、夢のある回答や、勉強になるような答え方をしてくれるんです。

 

Alexa

Amazonが開発したAIアシスタント「Alexa」。海外では、子どもがAlexaに対して命令口調になることが問題視されており、「褒める」機能を追加。丁寧な言葉遣いをすると、Alexaから褒め言葉が返ってくるそう。

 

――――家の中にマイク、カメラがあるという怖さはありませんか。

 

ロボットスタート望月さん怖くなることもありますね。声がずっともれていたら嫌だなとか。

ペッパーにカメラがついているので、その前で裸になれるかというと、抵抗がありますよね(笑)。

 

――――インターフェースが声になることに抵抗があります。「Alexa(アレクサ)!」と声を掛けるのがちょっと恥ずかしいというか…(笑)。

 

ロボットスタート望月さんそうですね(笑)。

最初は、音声で指示を出すのも、日本人はなかなか受け入れないだろうなって思っていますが、見慣れれば普通になります。

日本人って使ってみるまでが遅くて、使い始めると長く使うといわれています。スマホもディスプレイタッチをタッチするのが嫌だと最初はいわれていましたけど、今ではみんなそれが当たり前ですし、今後のテクノロジーに関しても同じようになっていくだろうなって思いますね。

 

ボイスインターフェース

この10年の間にキーボードがタッチになり、これからの10年では音声入力になるといわれている。ボイスインターフェースの魅力は、子どもでもお年寄りでも使えるというところ。「温度を26度にして」といつも通り話しかけるだけという、その簡単さも広がっていく要素の一つ。アメリカでは7700万人くらいが車の中で音声アシスタント(SiriやAlexaなど)を使っているといわれている。

Wi-Fi経由でクラウドに情報が上がるので、「アレクサ」と声を掛ける前は、それ自身の頭で動いているが、その先は上のクラウドにある脳で判断してそれを情報としておろして発信する。

 

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AIロボットの活躍

――――今後どんなロボットが活躍すると思いますか?

 

ロボットスタート望月さんデリバリーロボットですね。

日本では、公道をまだ走ってはいけないのですが、海外だとドミノピザなどがデリバリーロボットで配達しています。

町自体、ロボットが動きやすいような仕様に変化していくのです。

アメリカでは、大学生がランチを頼むとデリバリーロボットが配達してくれたり、キャンパスの中で、お菓子とか飲み物を売り歩いていたりします。

日本でもロボットはできているんですけど、法律側の整備が追いついていないので、国がどこまで対応してくれるかですね。

今はロボット特区みたいなところがいろいろなエリア(つくばや相模原)にあって、公道を自動運転で走るテストがされているので、それが広がって全国どこでも自動運転で行けるようになっていくのかなと思っています。

 

日本は産業用ロボット、工場の中で働くロボットがめちゃくちゃ強くて、世界でもトップレベルです。

中国ではすでにドローンを使った配達が行われています。日本と比べると、テクノロジーの進化も導入もとにかくスピードが速いです。

 

SpotMini

ロボット開発で有名なアメリカのボストン・ダイナミクスが作った四足歩行ロボットが今注目されている。日本では竹中工務店が実際の建設現場で実証実験を行っている。建設現場の進捗管理を行うロボットで、階段の上り下りもでき、マッピング(地図作成)も可能なので、中国やヨーロッパでもこの四足歩行ロボットが作られている。物を運ぶ、届けるロボットが今後社会で活躍するようになり、町自体もロボットが動きやすい仕様に変化していくと予想。

 

――――ここ5年くらいで伸びたと思うことはありますか?

 

ロボットスタート望月さん2014年、ソフトバンクのペッパーが発表され、その頃、ロボットのアプリを作る人は全然いなかったですが、今ではアプリデベロッパーがすごく増えました。
4年前には、街中にロボットがいるなんてありえなかったですが、今では、ペッパーがいることが当たり前になっています。これは大きな進歩です。

Pepper(ペッパー)…2014年にソフトバンクが発表したヒト型ロボット

 

――――ペッパーは「役に立つの?」なんていう話をよく聞きますがどう思いますか?

 

ロボットスタート望月さん使い方次第なんですよね。

ブラウザも入ってない状態でパソコンを渡されて、「パソコンなんもできないじゃん」と言っているのと同じで、活用方法をきちんとすればロボットは使えるものだと思います。

スマートスピーカーも同じで、スマートスピーカーが一番輝くときって、両手がふさがっている時なんです。

なので、車の運転中とかにすごく使われる。

ポイントポイントで使われるタイミングや活用方法があると思います。

 

 

――――過去にはどんなロボットブームがありましたか?

 

ロボットスタート望月さん第1次ロボットブームは産業用ロボットが入ってきたとき。第2次は、二足歩行の人型ロボット「ASIMO(アシモ)」が誕生した2000年前後。そして、爆発的人気を誇ったコミュニケーションロボット「Robi(ロビ)」や「Pepper(ペッパー)」が登場した2013、14年あたりから第3次といわれています。

音声認識の精度があがったり、モーターの価格が安くなったり、いろいろな要素が絡み合って、ロボットを作るメーカーが増えてきました。

AIとあいまって、家庭の中での会話の情報で趣味趣向を取れるのではないかと開発をスタートした会社もあります。

Robi(ロビ)…ロボットクリエイター高橋智隆氏の代表作の一つ。毎号附属のパーツを組み立てる「パートワーク」方式。累計で15万台強の大ヒット。デアゴスティーニ・ジャパン 2013年 

 

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家庭用ロボット最新情報

――――今後の5年先くらいに各家庭に浸透するものは?

 

ロボットスタート望月さんスマートスピーカーが確率的に高いですね。

安いもので3,000円から高いものでも2万円前後で、ちょっと未来の体験ができます。

これから家電はスマートスピーカーを経由して、音声で接続されていきます。

壁、鏡、水道の蛇口に埋め込まれたりして、色んなところに音声が入っていくので、スマートスピーカーという形状じゃなくても、音声アシスタントというものが浸透してくるだろうなと。

 

セキュリティー

今後はパスワードではなく顔認証が主流の傾向に。アメリカでは、体にチップを埋め込み、パスワードをそこで管理するという人も。

 

――――実際に今あるロボットで注目しているものありますか?

 

ロボットスタート望月さん洗濯物をかごに入れておくとたたんで出てくる「自動折りたたみ機」。

日本の企業が開発しています。今予約中ですね。

まだ価格が高いので、下がっていけば一般的になるかなと。

 

オーストラリアのFBR社が、3日で家を建てられる建設ロボットを開発しています。

トラックの中にブロックが積まれており、アームで取り出して積んでいき最後にくいを打って完成させます。10年後にはもっと強固に作れるだろうし、ビルも建てられるようになっているかもしれません。

 

 

――――ロボットの時代がくると、仕事がなくなってしまうと不安に感じる人もいると思いますが、その辺はどうお考えですか?

 

ロボットスタート望月さん本来は、仕事がなくなるのが怖いのではなくて、お金をもらえないのが困るんですよね。

AIとロボットが働いてくれて、経済が回って、食べたいと思ったご飯をロボットが作ってくれて運んでくれる…そういう未来だったらそっちがいいって思う人が多いのではないかと思います。

100年後、ロボットとAIが進化しているのに人間がお金のために働くべきなのかっていうことは、仕事を奪うという議論の前に考えるべきことなのかなと。

 

――――最後に、ロボットとの結婚はあると思いますか?

 

ロボットスタート望月さんロボットと結婚する人がいてもおかしくないんじゃないでしょうか。

感覚的にはなかなか理解できないですけどね(笑)。

 

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AIができること~AIカスタマイズスイーツのお店へ~

ロボットとの共存はまだまだ未知の世界。

上手に付き合うことで、さらに便利な世の中になりそうですね。

インタビューを通じて、AIやロボットに興味がでてきた私は、AIがスイーツをカスタマイズしてくれるという話題のお店「ミシャラク表参道店」へ行ってきました。

専用アプリをダウンロードして、五つの質問に答えます。

回答を通して、多くの組み合わせの中から、その日の自分にぴったりのスイーツをAIがセレクト。

結果、できあがったスイーツは、さっぱりとした酸味の効いたものでした。

自分でカスタマイズするならチョコレート系の甘いものを選んでしまうところですが、AIのセレクトに新たな発見がありました。知らないことを知ることができるというのは、わくわくにつながりますね。

これからは、不安に思わず新しいテクノロジーの世界に注目していきたいです。

 

MICHALAK(ミシャラク)表参道

場所/渋谷区神宮前6-2-9

営業時間/11時~20時(L.O.19時半)