関東最東端の観音さま 千葉県銚子の圓福寺(飯沼観音)が年末年始にライトアップ【2023年除夜の鐘突き情報も】

ぬれ煎餅をはじめとするオリジナリティあふれるお土産の販売や、ネーミングライツ(命名権)による新駅名愛称の運用など数々のユニークな試みで、何かと注目を集めている銚子鉄道。

鉄道ファンのみならず、多くの人に愛されるこのローカル線に「観音駅」という駅があるのはご存知ですか?

観音駅の近くにはその名の通り、地元の人たちに「銚子の観音さま」と親しまれる飯沼観音がいらっしゃいます。

その観音さまを祭るのが圓福寺です。

公開 2023/12/20(最終更新 2023/12/22)

編集部 モティ

編集部 モティ

編集/ライター。千葉市生まれ、千葉市在住。甘い物とパンと漫画が大好き。土偶を愛でてます。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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どんなお寺? ご利益は?

圓福寺のご本尊「飯沼観音」は、本州最東端にいる観音さま。

約1300年前の神亀5年、観音さまのお告げにより、漁夫の清六と長蔵が観音さまを引き揚げたことが縁起といわれています。

港町ならではのエピソードですね!

 主なご利益

 ・子孫繁栄  

 ・身体健全  

 ・無病息災  

 ・大漁祈願  

 ・海上安全  

 

「観音さま」と一口に言ってもその種類はさまざま。

圓福寺に祭られているのは「十一面観世音」と呼ばれる頭部に11の顔を持つ観音菩薩です。

秘仏なので実際の姿を見ることはできませんが、こちらをご覧ください。

 

本堂の賽銭箱の上に吊るされたちょうちんから垂れ落ちる五色の紐。

この紐は本堂の中にいる観音さまの小指に結ばれています。

五色の紐を握りながら手を合わせることで、観音さまとつながることができると考えられています。

年末年始こそ訪れたい!イベント満載

毎月8の付く日(8日、18日、28日)、土日に加えて、年末年始の12月下旬~翌1月3日は、飯沼観音本堂と五重塔がライトアップされます!

 

紫やブルーのライトに照らされた本堂や五重塔は昼間とはまた違って幻想的な雰囲気!

SNSにも映えそうですね。

また、大晦日や年始には境内で楽しみもたくさん用意されています。

除夜の鐘の鐘突き体験

2023年12月31日(金)  

開始時間/23時30分~

整理券配布/23時~

2018年12月にリニューアルした鐘突き堂「鐘桜堂」で除夜の鐘を突くことができます。

12月31日はお団子や焼きそば、焼き鳥、さらに射的なども出店されます。

【出店情報】

・二十七会:お団子など

・ゆうび:射的、おもちゃくじなど

・ミルキーランド:焼きそば、からあげ、玉こんにゃく、フライドポテト、さつまスティックなど

・鳥雅:焼き鳥

見どころ満載の境内

圓福寺は、観音さまがいる「本堂・飯沼観音」と、歴史的に貴重な寺宝を展示する「本坊・大師堂」の2つのエリアに分かれています。

戦後の区画整備の影響で現在は道路で分断されていますが、かつては一つの広い敷地でした。

本堂は参拝や祈願・祈祷をする場所で、本坊は納経や御朱印集めを目的に訪れる場所。

順序としては、まず本堂・飯沼観音を参拝してから本坊に立ち寄るのが望ましいそうです。

ちなみに、飯沼観音は「坂東三十三観音霊場」の一つ(第27番札所)としても有名です。

坂東三十三観音霊場とは

神奈川県、埼玉県、東京都、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県にまたがる観音霊場で、祈願の成就を願って巡礼するもの。

西国三十三観音・坂東三十三観音・秩父三十四観音を総称して「日本百観音」と呼ばれています。

本堂・飯沼観音エリアの注目ポイント

観音さまが祭られている本堂の他、見どころがたくさん!

●飯沼観音・本堂

 

 

ご本尊である飯沼観音がいらっしゃる本堂。

先述の通り、賽銭箱の頭上から下がる五色の紐を握ることで、観音さまとつながることができます。

また、賽銭箱の脇にはお釈迦さまの弟子の一人「おびんずるさま」が鎮座。

おびんずるさまは「なでると病気が治癒する」といわれていて、参拝に来た人たちは自身の不調な箇所をなでていかれるそう。

なお受付を訪ねると参拝記念の「観音御縁守り」がもらえます。

 

こちらを手のひらにはさんでお参りするとより高いご利益が得られるかも!?

参拝後はかばんや財布に入れて持ち歩き、約一年後に交換しに来てください、と教えていただきました!

本堂は自由に見学できます。

お参りをしたら中に入ってぜひ見てほしいのが広間の天井図。

なんと「坂東三十三観音」が全員集合しているんです!

 

観音さまたちがずらりと並ぶ様子は圧巻の一言。

当たり前ですが一点一点、姿も衣装も違っていて時間が経つのも忘れて見入ってしまいます。

反対側の天井には「四国八十八箇所」のすべてのご本尊が描かれているのでこちらも注目を。

また、広間には縄文時代の物とされる石器が祭られています。

男性のシンボルを象ったものとされ、「子孫繁栄」のご利益の由来となったものだそう。

実際に触ることができ、子宝祈願としてなでていく人も多いのだとか…。

●五重塔

千葉県唯一の五重塔で全長33.55メートル。

こちらには薬師如来が祭られていて、病気平癒のご利益があるとされています。

●大仏(露仏)

正徳元年(1711年)に建てられた大仏は高さ約5.4メートル。

第二次世界大戦時に空襲に遭い、膝や背中の部分に銃弾のあとが見られます。

●飯沼水準原標石

「水準原標」とは河川の水準測量を行う際に基準となる点。

明治5年(1872年)にオランダ人技師によって飯沼観音の境内に設置されました。

平成27年度日本選奨土木遺産に認定され、歴史的にも学術的にも価値が高いものです。

歴女必見!貴重な展示物満載の本坊・大師堂エリア

本堂・飯沼観音エリアの仁王門を出て、左に直進、信号を渡った先にあるのが「本坊・大師堂エリア」。

観音エリアと比べてひっそりと静かな印象のこのエリアでは、貴重な品々を見ることができます。

大師堂内を中心に展示される文化財や絵画はお寺に古くから伝わる品々ですが、100冊以上収蔵されている和本はすべて先々代…つまり、現・住職の祖父が収集したものだそう!

和本は、江戸時代前期~それ以前の時代のもの。

中には研究者が目当てに足を運ぶほど歴史的に価値のある本もあります。

例えば『伊勢物語』

たくさんの写本が出回っているそうですが、物語が書かれた時代に写された「高級な」写本が展示されており、その隣には挿絵の入った『伊勢物語』も。

 

これは江戸時代中期の人気浮世絵師の勝川春章が描いた小判錦絵をまとめたもの。

本の形状をした浮世絵の収蔵品は、現在圓福寺でしか確認されていないそうです。

今見ても鮮やかな色彩が美しいですね。

この日は他に、江戸時代に描かれた『落窪物語』の絵巻物、17世紀に流行した高級絵本の「熊野の本字」、菱川師宣が挿絵を担当した『女歌仙新抄』などを見ることができました。(※展示内容は季節によって変わります)

和本の中でも目玉は、2016年6月28日放送のテレビ東京『開運!なんでも鑑定団』で高額査定された嵯峨本『徒然草』です。

嵯峨本とは

江戸時代初期に京都・嵯峨で製作されたといわれる活字印刷を用いた出版物。

雲母の粉で模様が施された紙を使用するなど、美術的な美しさを持つのが特徴。

 

圓福寺が収蔵している『徒然草』は、少し離れると雲母で刷られた模様が文字の下からキラキラと浮かび上がり、優美さとクオリティの高さにただただため息。

ぜひ現地に赴いて、間近にご覧ください!

大師堂内では、和本の他にも「お宝」がたくさん展示されています。

千葉県指定の文化財である「梵鐘」もその一つ。

「享徳11年」の銘が刻まれた、高さ70.3センチメートル、口径50.6センチメートルの鐘。

実際に突くこともできます。

また、葛飾北斎の弟子で、北斎から画号を譲られた鈴木北斎辰政による絵馬も。

 

私が想像していた「絵馬」よりずっとビッグサイズで迫力満点でした!

2人の武士は一体何をしているかというと、刀は鞘に収まっているので、単に取っ組み合いのけんかをしているのではないかと推察されています。

なぜこの場面をこの巨大な絵馬に描こうと思ったのでしょうか…。

その理由をあれこれ想像するのも楽しいです。

普段は見られない寺宝も特別に見せていただきました!

寛文9年(1669年)作「刺繍釈迦涅槃図」

 

大きさは、高さ1丈5尺2寸(縦・約3メートル50cm、横・約2メートル65cm)で日本最大級。

釈迦入滅の様子が刺繍で細部まで丁寧に表現された大作です!

京都の織物職人が手掛けたもので、県文化財指定。

間近で見ると手仕事の繊細さに震えます。

 

こちらは年に一度、お釈迦さまの命日である2月15日(涅槃会)にご開帳されるそう。

涅槃会当日だけ涅槃殿の扉が開き、外から全体図を拝むことができます。

 

これ以外にも紹介しきれないほどの展示物が見られる大師堂。

一通り見てまわるとその充実ぶりに、博物館に出かけたかのような満足感が得られます!

事前に問い合わせをすれば、職員さんがガイドに付いてくれるそうなので、より深く学びたい人は利用してみてはいかがでしょうか?

銚子半島の開運三ヶ所案内

・和田不動尊

・慈海庵

・飯沼観音

飯沼観音を含め所要時間1時間~1時間半ほどで巡ることができます。

それぞれ参拝可能日が限られていますが、2024年1月28日、5月28日は三ヶ所すべて参拝可能。三ヶ所すべて異なるお守りや御朱印は必見です。

銚子半島の開運三ヶ所案内

 

銚子半島の開運三ヶ所案内

初詣で買いたいお守り 御朱印帳もかわいい!

最後に、圓福寺で購入できるオリジナルのお守りと御朱印を紹介します。

上・「絆守」(500円)/ 離れていても家族と絆が深まるよう祈願されたお守り。

下・「児童安全学業」(500円)/ 小さいランドセルの形をした交通安全のお守り。100円玉が5枚入ります。

また、2020年8月より、新たに「銚子大仏御朱印」を授与してもらえるようになりました(御朱印料500円)。

オリジナルの御朱印帳(1,500円・税込)は、こんなにかわいい絵柄も用意されています。

 

また、おみくじも種類豊富にそろっています。

・水引細工入りおみくじ(200円)

手作りで奉製された6種類のかわいい水引細工がどれか1つ入っています。

飯沼観音の水引細工入りおみくじ

・血液型おみくじ(200円)

A型、B型、O型、AB型の4種類のおみくじから自分の血液型のものを引いて運試し!

・天然石おみくじ(200円)

8種類の天然石からいずれか一つが入っています。

・健康みくじ(200円)

健康への願いを込めたメダル製の縁起物入り。

・縁結び 恋文みくじ(200円)

歌人たちの言葉が書かれたおみくじ。

・きつねみくじ(500円)

飯沼観音のかわいいきつねみくじ

新たに登場したかわいらしいきつねのおみくじで、女性人気№1。

一風変わったおみくじで新年の運勢を占ってみるのも盛り上がりますね。

日本一早い初日の出も必見

例年、三が日は地元の人はもちろん関東一円から参拝客でにぎわうという圓福寺。

加えて、観音駅から銚子電鉄で15分ほどの犬吠埼は、山頂や離島を除き「日本で一番早い初日の出」が見られることで知られています。

そんな銚子でお正月を過ごすのもオツかもしれません!

飯沼観音・圓福寺公式サイト

飯沼観音

住所/千葉県銚子市馬場町1-1

参拝時間/6時~17時 ※ライトアップ期間は夜間も参拝可

駐車場/50台

アクセス/銚子電鉄観音駅から徒歩5分

電話番号/0479-23-1316

 

圓福寺

住所/千葉県銚子市馬場町293

参拝時間/8時~17時

駐車場/30台

アクセス/銚子電鉄観音駅から徒歩3分

電話番号/0479-22-1741

Instagram/@iinumakannon

 

年末年始の銚子電鉄の運行情報はHPでご確認を