コロナ禍で、SNS上で話題となった楽曲『Be One』に込められたメッセージを手話に乗せて届けようと活動するyukaさん(千葉県在住)。
子どもから大人までが出演する動画作品が注目を集めています。
公開 2020/09/28(最終更新 2022/03/08)
自粛生活の中で生まれた音楽
コロナ禍の中の自粛生活で、音楽活動が中止になったアーティストたちがファンと一緒に作った楽曲「Be One」。
これは音楽プロデューサーUTA(ゆーた)氏を中心に、多くのアーティストがSNS上で参加し生まれた曲で、話題を呼びました。
これまでにない不自由と混乱の毎日ですが、そんな中でも「僕らにできる事がある」と歌われ、人気となりました。
「Be One」は多くの有名人によってSNS上で拡散されましたが、実は手話バージョンがあることをご存じでしょうか。
この企画者yukaさんは、手話は初心者ですが、制作途中の「Be One」のサビ部分を耳にしたとき、目や耳の不自由な人を含め、皆にこの曲を「聴いてほしい!」と強く感じ、見よう見まねでサビの歌詞に手話を乗せてSNSで発信したのが始まりだったそうです。
SNS上で起きた奇跡
そんなyukaさんの元にある日、面識のないプロダンサー・リョウさんからメッセージが届きました。
やり取りを続けるうちに、リョウさんがダンス表現の一部として手話を学び始めていたことを知り「『Be One』をバリアフリーにして届けたい、一緒に手話歌動画を作りませんか」と企画を持ち掛けました。
快諾したリョウさんは1週間で振り付けを完成させ、友人たちに動画作品への参加を呼び掛けました。
すると全国から119人と1匹の猫がSNS上で集まり、「Be One」手話歌は瞬く間に出来上がったのだといいます。
リョウさんの手掛けた振り付けは、歌詞を正確に伝えるのはもちろん、yukaさんが「なんて優しい手の動き」と絶賛する、ダンサーならではの「魅せ方」にこだわった手話表現となっています。
手話は主に手を使いますが、表情や口の動きも実は大切な役割を担っています。
しかし、「感染防止のためのマスクによってそれらが隠れてしまい、手話を使う人たちにとっては大変困難な状況。でも、この動画をきっかけに、伝える手段としての手話、さらには難聴者、障害者への理解が進めばと願っています。年齢問わず、『Be One』手話歌がその入り口になればうれしい」とyukaさんは話してくれました。
Be One手話ソングプロジェクト