千葉県出身のカメラマン~五十嵐健太さんと「飛び猫」

猫が飛ぶのは当たり前? 

ありそうでなかった猫がジャンプする瞬間を捉えた「飛び猫」の勇姿や、愛くるしい表情の動物たちを被写体とするカメラマンの素顔に迫りました。

 

@五十嵐健太

公開 2020/09/17

ちいき新聞ライター

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地域に密着してフリーペーパー「ちいき新聞」紙面の記事を取材・執筆しています。

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かわいいが大好き から生まれる作品

五十嵐健太さんは写真集『飛び猫』(2015年発行)で話題になり、出版業界でも猫ブームを引き起こした千葉県出身のカメラマンです。

『飛び猫』
▲『飛び猫』2015年発行(KADOKAWA)

小さい頃からかわいものが大好きで、自宅で飼っていた愛犬ルナちゃんとも仲良しでした。

26歳の頃から自然に動物を撮り始めるようになります。

親子の猫@五十嵐健太

予測がつかない子猫の愛らしいショットや一瞬のカメラ目線などは「かわいいが大好き」な五十嵐さんだからこそ撮れる写真であり、その表情はまるで愛情を受けた猫の恩返しのように見えます。

子猫にストレスがかからないように、スタジオではなく家に行って撮影しているそうです。

子猫は思いがけず無防備な姿を見せてくれるといいます。

 

飛び猫との出合いは 千葉県のとある漁港

2011年ごろに五十嵐さんは、千葉のとある漁港で船から船へジャンプしている猫を偶然見つけました。

漁港の猫は、冬の日中は安全な船上の日だまりで過ごし、夕方になると活動を始めるといいます。

静止している猫を撮る人が多い中、五十嵐さんは動いた瞬間を狙って撮影しました。

奇跡の一枚🄫五十嵐健太
▲カメラマンを志すことを決めた奇跡の一枚

「もう二度と同じシャッターチャンスはない」と語るように、その写真は飛んでいる猫が「無事に着地できたか?」というストーリーを感じる作品です。

水面には鏡のようにそのすべてが映り込み、その美しさと意外性がフェイスブックで話題となりメディアからオファーが殺到するようになりました。

五十嵐さんがプロのカメラマンを志すことを決めた奇跡の一枚です。

 

 

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見る人も猫も喜ぶ 写真を撮り続けたい

サンマは俺のニャー
▲サンマは俺のニャー

五十嵐さんは街にいる普通の猫は撮りません。

五十嵐健太

ブリーダー・保護猫カフェ・猫島や漁港の人と共生している猫たちの日常を撮るといいます。

最近では撮影地でマナーを守らずごみを捨て帰る人がいるそうです。

そういった問題事に対しても現地の人からの相談にのっているといいます。

今後の夢を尋ねると「街にいる野良猫を減らし、幸せな猫をもっと増やしたい」と語りました。

そして「障害がある人や遠出ができない人にも写真に触れてもらえるように地方での活動を増やしていきたい」と付け加えました。

大自然の風景に生息する野生動物の写真や映像撮影の構想も広がっているとのこと。

「強くなければ優しくなれない」、そんな言葉が浮かんだ五十嵐さんの作品が楽しみです。

五十嵐健太さん

五十嵐健太(いがらしけんた)
写真家、千葉県出身、1984年生まれ。
文具・雑貨・カレンダー・印刷物表紙・広告・雑誌・テレビなどで多数の写真が採用される。
著書は累計10万部超え。
公式HP
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