日本赤十字社に聞く「事前の準備 事後の知識」

これまで「いつか来る」だった災害などの非常事態。身をもって経験した今、私たちが感じることは、「備えは当たり前、正しい知識を得たい」。経験豊富な日本赤十字社職員の方に、今、知っておきたい情報について、話していただきました。

時代・社会環境とともに変わる防災の常識

成田赤十字病院副院長、救命救急センター長、日赤災害医療コーディネーター

「公的支援に頼り過ぎることなく

   日頃から自助・共助への備えを」

 

地球規模の気候変動の影響などで年々大規模災害が増え、防災意識が高まる中、防災の常識も50年前とは大きく変わっています。

「地震が起きたら直ちに火を消して屋外へ」は昔の常識。

家屋の耐震性が向上した今は、消火より、机の下で頭部を守るなど身の安全の確保が最優先。一方、自宅に井戸やかまどがあった時代に比べライフラインに関わる備蓄の重要性は増しています。

被災といえば自宅で地震に遭う状況を考えがちですが、外出時に被災する可能性も大きいので、もし入るなら持ち歩くカバンに防災グッズや必要品を入れておきましょう(MEMO参照)。持つだけでなく普段から使っていれば、動作確認にもなります。

被災現場を見てきて感じるのは地域社会の防災力、共助の重要性。住民の結束が強い地域では救助活動もスムーズに進みます。避難所は開設直後に清潔ゾーンを確保しないと衛生状態が劣悪になりますが、最初に住民を取り仕切れる人がいれば混乱の回避も可能。強固なコミュニティーならその確率も高まります。公助(公的援助)が及ばない災害初期は自助・共助で乗り切れるよう、防災力を高めておきましょう。

 

MEMO

ヘッドライトは両手が使えて便利。軍手より丈夫で滑りにくい革手袋も重宝する。スマホに入れた重要データは、充電切れに備えて紙に書き写しておこう。

 

「要配慮者」を支えるためにできること

日本赤十字社健康生活支援講習講師用字安全法講師の小島さん

「『お隣さんは大丈夫?』広い視野と

    目配りで地域の防災力を高める」

 

要配慮者とは、被災時に自分の命を守る行動が取れなかったり、情報を得にくい人。高齢者・乳幼児・妊産婦・障害者・傷病者・外国人などで、それぞれの特性に応じた支援が必要です。

高齢者が築き上げた財産・地域での役割などを災害で失うと、強いダメージを受けます。環境の変化から心身に不調をきたすリスクも増加。孤独を感じないよう、不自由している事がないか声を掛け、ただ話を聞いてあげるだけでもストレスは軽減します。

子どもは事態を把握できず不安や恐怖を感じやすい半面、適切に関われば回復力は高いので、スキンシップを図ったり、しっかり思いを受け止めてあげましょう。

自分の家族はもちろん、地域に住む要配慮者にも普段から意識を向けてみてください。家族に要配慮者がいるなら、地域の集まりや防災訓練に参加して、自分たち家族の存在を知ってもらいましょう。もちろん人を支えるには、自分自身を守れる防災力を持つことが大前提です。

 

日本赤十字社のプログラム 災害時高齢者生活支援講習の1コマ

▲日本赤十字社のプログラム、災害時高齢者生活支援講習の1コマ。毛布を畳んでガウンにする方法を指導中。こういった講習を利用して防災力を高めておくとよい

 

(問い合わせ/日本赤十字社

この記事を書いた人

編集部 R

編集部 R

「ちいき新聞」編集部所属の編集。人生の大部分は千葉県在住(時々関西)。おとなしく穏やかに見られがちだが、プロ野球シーズンは黄色、Bリーグ開催中は赤に身を包み、一年中何かしらと戦い続けている。

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