市川市在住の画家~中野遊学さんが描く不思議の向こう側
画家・中野遊学さん(59)の作品は、すべて小さめ。
だがくっきりとした色彩や、メッセージ性が強く感じられるその画風は、一つずつ時間をかけて眺め、背景を想像したくなるような魅力を持っています。
公開 2020/08/19
かめ
伊豆出身、習志野市在住。 こたつ暮らしのリクガメ(80cm)、カメしか友達がいないダックスフント(肥満)、歌でテレビの邪魔するオカメインコ(レパートリー12曲) プラス人間の夫&子ども2人と暮らす、主婦兼ライター(20年目)。 半額シールがついているモノなら何でも買っちゃう病を治すのが当面の目標です。★Twitter★@momokinototoupa
記事一覧へ激動の半生を支えた絵を描くということ
▲伸びやかなタッチで描かれた怪獣
生まれは福岡県大牟田市。
幼少期を神奈川県川崎市で過ごした後、家庭の事情により小4で熊本の曽祖母へ預けられました。
この曽祖母の勧めで中野さんは絵を始め、毎日熊本城へ通って城を描き続けました。
当時から多く訪れていた外国人観光客が、いつも絵をのぞき込んでは褒めてくれたそうです。
それが励みとなって、ますます熱心に取り組みました。
▲作風は多彩で抽象画も手掛けました
青年期はギターに夢中になり、筆を休めたのですが、30歳ごろ千葉へ移住。
直後の入院をきっかけに、本格的に絵を再開しました。
▲ポップアートのようなお気に入りの作品「東京ガール」
風景画から抽象画へ遊学ワールド全開!
▲よく利用する、市川のスペースにわにわの前で
当初は日本画家を目指していましたが、画材の高さに断念し、アクリル絵の具を使用。
段ボールキャンバスは価格だけではなく、絵の具の乗りの良さが気に入っての選択だそうです。
▲段ボールに描いた作品
画題も年代ごとに変わってきました。
40代ごろまでは建築物や植物を好み、富士山に魅了された時期もありました。
▲ポスター画のような赤い風車のある風景
そして現在主に描いているのは、怪獣や宇宙人。
その一体一体に細かなストーリーが設定されています。
▲マイブームの怪獣
これまでに完成させた作品は100前後。
中には大手企業や個人に購入されたものもあり、個展やグループ展も何度か経験しました。
▲「スペースにわにわ」でまちなかアート展の打ち合わせ
ところがコロナ禍により、春以降の展示イベントはすべて中止に。
しかし、独学でここまで走り続けてきた中野さんは常に前向きです。
「絵だけで生活することが夢なんです」としながらも、絵を語る時の表情はまぶしいほどに輝いていました。
ちなみに、雅号の遊学は千葉の偉人・大原幽学の読みから。
転居の多い半生を過ごした中野さんが根を下ろした千葉・市川で、今後も多彩な芸術が生み出されることに期待したいと思います。