【保存版】災害から身を守るために
避難の心得(日本赤十字社千葉県支部監修)

災害から命を守るための避難行動。いざ災害が起こると「どのタイミングでどこに逃げればいいのか」の判断が難しいもの。

 

加えて、なかなかイメージできない避難所での暮らしについて、避難所運営に携わる南房総市役所の防災担当・宇山さんにお聞きしました。

(監修:日本赤十字社千葉県支部)

 

■お話を聞いたのは…

南房総市役所市民生活部 消防防災課 宇山尚希さん

 

南房総市の防災担当宇山さん

南房総市役所の消防防災課 係長。全国でも防災への意識が高い南房総市は、消防防災課、社会福祉課(日本赤十字社南房総市地区事務局)など、様々な課が連携して独自の取り組みを行っている。

 

<目次>

・どう違う? 避難場所と避難所

・避難のタイミング

└在宅避難も知っておこう

・避難の持ち物

・避難所での過ごし方

└防犯対策も忘れずに!

└ペットとの避難

└小さい子ども連れの避難

・避難所での感染症対策

最後に…「避難所体験者エピソード」

 

どう違う? 避難場所と避難所

地震や津波など災害が起きた直後、一時的に避難する公園や高台が「避難場所」。一方で避難所は生活する場所。地域防災計画に則って、各自治体により設営されます。

日本赤十字社は、避難が長期化になった場合の物資の調達や炊き出し、在宅避難者への支援など、自治体が運営する避難所のサポート的な役割をしています。

 

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避難のタイミング

 

風水害の場合は、市区町村が発する「警戒レベル3」で準備ないし避難を開始すること。

各市区町村では、気象庁などから出る河川水位や雨の情報(図右)の他、地域の土地利用や災害実績を加味して、総合的に警戒レベルの発令判断をしています(図左)。

 

警戒レベルの図

 

この情報はテレビやラジオでは伝えられないことが多いので、市区町村の登録式メールやHP、防災無線など自治体からの情報に注意しておきましょう。また、Yahooが提供するアプリ「防災速報」とお住まいの自治体が連携していればそこから情報を得ることもできます。

 

避難といっても、必ず避難所へ行かなければならないという意味ではありません。特に豪雨時の移動はリスクを伴います。

お住まいの地域がハザードマップで見て危険区域でなければ、戸建てなら2階へ、集合住宅なら上の階に移動する「垂直避難」でも危険を回避できる確率は上がります。

 

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在宅避難も知っておこう

避難所でなく自宅にとどまるのが「在宅避難」。その際は、次項の「避難の持ち物」を、あらかじめ自宅の安全な場所(風水害なら2階など)に移動させておきましょう。

お住まいの地区が危険区域でなければ、在宅避難も選択肢に。不特定多数の人が集まる避難所は、感染症のリスクが高まる可能性もあります。

もし、避難区域の場合、避難所だけでなく、近くに住む親戚や友人の家に身を寄せることも検討してください。

 

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避難の持ち物

避難所には、基本マットと毛布しかないと考えてください。

外部から届く食料などの救援物資、炊き出しは避難が長期化した場合のみ、避難3日後あたりから開始されますので、短期避難の場合は最低でも2日分の食糧と1日分の飲み水は持参する必要があります。

 

常備薬がある方は、お薬手帳のコピーも忘れずに。コンセントの数にも限りがあるので電源タップもあると重宝します。また、キャンプで使うテントがあれば、感染症予防とプライバシー保護、両方の対策になりますよ。

 

持ち物リスト

□食品(2日分) ※カップ麺、缶詰、アルファ米など

□飲み水(1日分)※1人3Lが目安

□貴重品

□下着(2~3組)、セーターやジャンパー等

□携帯ラジオ、電池、電源タップ

□常備薬、お薬手帳、救急用品

□ライト

□ヘルメット、防災頭巾、軍手

□マッチ、ろうそく

□ウェットティッシュ、使い捨てカイロ

□マスク、体温計

□筆記用具

□(小さいお子さんがいる場合)粉ミルク、哺乳瓶、紙おむつ、おしりふき

 

※日本赤十字社では、新聞紙を使ったスリッパの作り方やサラダ油を使ったランプの作り方など、いざというときに役立つ工作を防災講習で紹介しています。

お住まいの自治体でこういった講習会が実施されたら、一度参加してみるのもおすすめ!

 

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避難所での過ごし方

避難イコール保護ではありません。

避難所はあくまで生活の場を提供するところ。誰もが自分でできることは自分でやる、という意識を持つのが大切です。

避難生活が長期化すれば、自分たちで避難所を運営する必要があります。避難者に職能をヒアリングし、それに応じたお仕事をお願いする場合も。

 

 

私の防災カード(南房総市)

▲南房総市で導入されている「私の防災手帳」。要配慮者(介護が必要な方)が状態や支援者について記入することで、自分の状況を把握できる。さらに、この手帳を通じて市が前もって情報を持てるので、避難所に受け入れる際の対策も立てやすいそう。

 

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防犯対策も忘れずに!

非常時でも残念ながら犯罪は起こります。

トイレや炊き出しに並ぶ際なども、貴重品は必ず所持。ポケットがたくさんある釣り用のベストのようなものなら手荷物を持ち歩いても両手が開くので便利です。

また、性犯罪を防ぐために、女性や子どもはどんな場合でも一人で行動しないこと。防犯ベルを持っておくのも有効です。

 

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小さいお子さんとの避難

大人も子どももストレスを抱えがちな避難所。特に子どもが、そのはけ口にされてしまう場合もあるので、目を離さないこと。

全国ではまだ少ないのですが、母親や祖母、子どもが利用できる「母子福祉避難所」は、粉ミルクやおもちゃ、子ども用布団などが用意され、安心して避難生活を送ることができます。

 

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ペットとの避難

避難所の居住スペースには原則、盲導犬以外の動物を入れることはできませんが、ケージに入れれば、ペット専用スペースで預かることは可能です。これを「同行避難」と言います。

千葉市など一部の自治体で、ペットも人と同じ空間で過ごすことができる「同伴避難」型の避難所が開設されているケースもあります。

 

・普段からしつけと健康管理をしっかりと。

・迷子札を付けておく。

・ペットの防災用品は飼い主が用意。

 

ペットの防災用品

 □最低5日分のフードと水

 □ケージ、キャリーバッグ、首輪、リード(予備含む)、ストレス軽減のための目隠しの布

 □ペットシーツ

 □排泄物の処理用具、トイレ用品(シート、猫砂、新聞紙など)

 □ペットの写真やワクチン接種状況、健康状態の分かる記録

 □薬や療法食

 □食器、ガムテープ

 □ネコの場合は洗濯ネット

 □おもちゃ、タオル、ブラシなど

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避難所での感染症対策

まずは「感染症を持ち込まない」ことが大切です。南房総市では、避難所の入り口で検温と問診、手指消毒を徹底するようマニュアルを変更しました。

熱症状などがある人は、車中泊や友人・知人宅への避難をお願いするか、それが難しい人については、避難所内の動線を分けた別の部屋に通すよう計画しています。

また、学校が避難所となる場合は、体育館だけでなく教室も使って、密状態にならないような工夫をしています。

 

避難所でのコロナ対策

▲居住スペースもソーシャルディスタンス

最後に… 「避難所体験者エピソード」

想定外なことが起きるのが災害

令和元年の台風第15号、19号で大きな被害に見舞われた君津市。

普段から赤十字のボランティアとして地域の防災講座などを行っていた、君津市赤十字奉仕団の林さんと江尻さんも、初めての経験に戸惑ったそう。

お二人が住む清和地区は高齢者が多く、避難誘導しても中には自宅から離れるのを嫌がる方も。さらに、「一時は携帯電話もつながらなくなり、不安が募りました」(林さん)。

避難所では、避難者の話し相手や炊き出しを担当、孤立地域に温かい食事の運搬も。「ハイゼックス(炊き出し用袋)での調理も、1回目は予定より時間がかかってしまって」(江尻さん)。

日頃から訓練を重ねているお二人でもたくさんの「想定外」があった今回の台風。それでも冷静に行動ができたのは、防災への豊富な知識があったからでしょう。

 

君津市赤十字奉仕団のお二人

 

君津市赤十字奉仕団 

委員長 林和子さん(左)、副委員長 江尻節子さん(右)

 

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この記事を書いた人

編集部 テラモト

編集部 テラモト

WEB編集者。千葉市生まれ、千葉市在住のアラフォー。編集プロダクションなどを経て「ちいき新聞」編集部へ。甘いものとパンと漫画が大好き。私生活では5歳違いの姉妹育児に奮闘中。★Twitter★ https://twitter.com/NHeRl8rwLT1PRLB

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