【佐倉市】ふたつのまどか コレクション×5人の作家たち DIC川村記念美術館開館30周年

壁へのプロジェクションやモニター映像で構成されたさわひらきの展示空間
▲壁へのプロジェクションやモニター映像で構成されたさわひらきの展示空間

開館30周年を記念して、第一線で活躍する5人の現代作家たちがDIC川村記念美術館のコレクションとコラボレーションし、新たな芸術の空間を生み出しました。

公開 2020/07/02(最終更新 2022/03/09)

ちいき新聞ライター

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20世紀の美術コレクションを未来へ

20世紀美術を中心に多彩なコレクションを所蔵するDIC川村記念美術館。

これまでもコレクションと関連性のある作家や時代を取り上げた企画展を多く開催してきました。

30周年の記念展のタイトルになっている「ふたつのまどか」は、初代館長・川村勝巳と美術館の設計者・海老原一郎との友情の絆、また、鑑賞者と作品が出会う場という意味を込めて、建物のデザインモチーフに使われた「重なる二つの円」に由来しています。

このタイトルどおり、国内外で活躍する5人の現代美術作家と、同館コレクションとの出合いの場となります。

コレクションと作家が1対1で対峙し、時代を超えて響き合うインスタレーション空間を作り出しました(インスタレーションとは、展示空間を含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて体験できる芸術作品のこと)。

「現在活躍中の作家とコレクションとのコラボレーションは過去にもありましたが、複数のアーティストがそれぞれコレクションを選択、あるいはコレクションを元に作家に依頼し、作品を制作するコラボレーションは初めてです」と広報の林さん。

企画にはコレクションを21世紀以降も生かしていけるようにという思いも込められているそうです。

重量がありながらも軽やかに響きあう渡辺信子とケリーの作品
▲重量がありながらも軽やかに響きあう渡辺信子とケリーの作品

豪華アーティストがコレクションに挑む

今回の企画にあたっては、担当学芸員たちがそれぞれ現代美術作家に依頼し、5組のコラボレーションが実現することとなりました。

さわらひらき 作品
▲さわひらき《Souvenir IV》2012 年

さわひらき×サイ・トゥオンブリー

 

杉戸洋 作品
▲杉戸洋《Untitled》2019 年 作家蔵

杉戸洋xラリー・ベル

 

野口里佳《クマンバチ #1》2019 年
▲野口里佳《クマンバチ #1》2019 年Commissioned by Reborn-Art Festival2019 © Noguchi Rika, Courtesy of Taka Ishii Gallery

野口里佳xジョアン・ミロ

 

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▲福田尚代《ラ・シャット・エマイヨールへの手紙》2009-2019年 作家蔵©Naoyo Fukuda, courtesy Yukiko Koide Presents

福田尚代xジョゼフ・コーネル

 

渡辺信子《White and Red》2017 年
▲渡辺信子《White and Red》2017 年 Arario Gallery《Dark olive green and White -Corner piece》2017 年 作家蔵 photo credit: Arario Gallery, Courtesy of Arario Gallery, Seoul

渡辺信子xエルズワース・ケリー

彼らによって自由な感性で読み解かれ、コレクションへの新たな視点をあたえるインスタレーションが、ひとつの空間のなかで展開されます。

新しい芸術空間を感じに、足を運んでみてはいかがでしょうか。(取材・執筆/しーまゆ)

 

ふたつのまどか コレクション×5人の作家たち

会期/~11月29日(日)

休館/月曜日

開館時間/午前10時半~午後4時 ※入館は事前予約制

入館料/一般1,300円、学生・65歳以上1,100円、小中学生・高校生600円

会場/DIC川村記念美術館 (佐倉市坂戸631)※事前予約制(インターネットで前売りデジタルチケットを購入の上、来館)

公式HP

 

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