【船橋】コロナ禍の中、奮闘するふなばし子ども食堂ネットワーク
新型コロナウイルスの感染拡大による小中学校の臨時休校で、行き場を失った給食食材。
船橋市教育委員会では、これらを子ども食堂の活動に役立ててもらおうと、ふなばし子ども食堂ネットワークへ無償で提供した。
公開 2020/06/03(最終更新 2024/02/29)
かめ
伊豆出身、習志野市在住。 こたつ暮らしのリクガメ(80cm)、カメしか友達がいないダックスフント(肥満)、歌でテレビの邪魔するオカメインコ(レパートリー12曲) プラス人間の夫&子ども2人と暮らす、主婦兼ライター(20年目)。 半額シールがついているモノなら何でも買っちゃう病を治すのが当面の目標です。★Twitter★@momokinototoupa
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3月に臨時休校開始、その後のさらなる休校延長。
そこで使用予定だった食材のうち賞味期限の迫ったものについて、ふなばし子ども食堂ネットワークへ無償提供が決定。
4月9日より実施された。
▲提供された給食用食材が「入学おめでとうメニュー」に
ふなばし子ども食堂ネットワークを通じて食材提供を受けたのは、船橋市内11カ所の子ども食堂だ。
いずれも緊急事態宣言以降は従来の会食形式を中止。
持ち帰り(パントリー形式)とし、各食堂にてお弁当と食材の配布を実施した(時期・内容は食堂により異なる)。
▲三密を防ぐために屋外の駐車場スペースでパントリーを実施(高根台/おむすび食堂)
子ども食堂の定番人気メニューはカレーをはじめ、焼き芋(おむすび食堂)、おせち料理(習志野台/キタナラ食堂)など各所さまざま。
だが今回は給食食材の活用とあって、サワラのレモン焼き(前原西/つだぬまや子ども食堂)やサバのみそ煮、イカと大根の煮物(浜町/ハレカフェ)といった、子ども食堂としては少し珍しいメニューがお弁当に詰められた。
▲給食食材の国産さわらをレモン焼に(つだぬまや子ども食堂)
また、食材詰め合わせセットの配布を行った食堂では、40食分が30分でなくなるほどの大好評だったという。
▲ビニール袋いっぱいに詰め込まれたカレーのルーや野菜、カップラーメン、菓子など(おむすび食堂)
コロナ対応での実施子どもの把握難しく
ふなばし子ども食堂ネットワーク事務局の牛垣雅志さんは「カット済み冷凍食品を大量にいただけたので、配布や調理がしやすく大変ありがたかったです」と感謝した。
▲牛垣雅志さん
実施に当たっては、安全のため、各食堂ともボランティア数は最少限に。
配布物の受け取りにはできるだけ大人が来場を、と告知した。
すると父親と思われる男性の受け取りが多く見られ、募金箱への寄付が増えた食堂もあったという。
▲感染症対策のため間隔を空けて並んでもらう
子ども食堂の役割は、支援の必要な家庭へ食事を届けるだけではない。
さまざまな事情を抱えた親や子どもと交流しながら孤食、栄養不足などを把握したり、楽しい食事の機会を提供する場でもある。
それがコロナ禍のため、失われてしまっている状態だ(※5月末時点)。
だからこそ牛垣さんは、今後さらに子ども食堂の重要性が増すと考えている。
▲子育て世帯へ配布するために用意した40世帯分の袋(おむすび食堂)
「地域の協力と、個人や民間企業・団体からの寄付および食材提供のおかげで、船橋の子ども食堂は成り立っています。今回コロナ禍がきっかけで市の支援をいただきましたが、コロナ後も子ども食堂が必要な人はたくさんいます。これを機会に自治体を含む多くの皆さまに食材、人員、場所などあらゆる面でのご支援ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします」
子どものことを本気で考える大人がいて、子どもが一人でも安心して行ける場所。
そんな船橋の子ども食堂がずっとあり続けることを、地域の一人として切に願う。