おいものテーマパーク!グランピングも充実茨城「なめがたファーマーズヴィレッジ」
なめがたファーマーズヴィレッジは、茨城県行方市にある体験型農業テーマパークです。
各種メディアに取り上げられるなど、あちこちで話題となっているこちらの施設、一体どんなところなの? 広報担当の西さんに園内を案内してもらいました。
(なめがたファーマーズヴィレッジキャラクター焼き右衛門)
公開 2018/04/30
目次
なぜ行方市にさつまいもの施設?
最初に目に飛び込んできたのは、行方市立大和第三小学校と書かれた門。
こちらの施設、廃校になった小学校の校舎を利用して建てられたものなんです。
「なめがたファーマーズヴィレッジ」を運営するのは、白ハト食品工業㈱。
さつまいものスイーツを製造販売する会社です。
茨城県行方市がさつまいもの産地だったことから、行方市とは元々つながりがありました。
2011年の東日本大震災がきっかけで、風評被害を受けてしまった行方市。
白ハト食品工業㈱の社長は、「風評被害を払拭するためにスカイツリータウン(東京都墨田区押上1-1-2)に行方市の土を運んでさつまいも畑を作り、なめがたの作物が安心安全ということをアピールしよう」とソラマチファーム(東京スカイツリータウン3F)を作りました。
その縁からJAなめがたと絆が深くなっていき、産地に工場を移す計画が持ち上がった際、2013年に廃校となった小学校を利用して体験型農業テーマパークが作られることに。
校舎の周りにある耕作放棄された畑などを買い上げたり借り上げたりして、敷地を広げ、今では、全体の敷地面積が東京ドーム7個分以上になるといいます。
そのおかげで、敷地内には果樹園や畑が広がり、季節ごとにおいしい果物や農作物を楽しむことができ、学校をそのまま利用して作られた施設は、とっても懐かしい気持ちで過ごすことができます。
やきいもファクトリーミュージアムでおいもについて学ぼう!
広い園内の中で西さんの一番のおすすめという「やきいもファクトリーミュージアム」を見学させてもらいました。
まずは入り口で生徒手帳をもらいます。
生徒手帳には宿題のページがあり、問題の答えを探しながら見学をしていきます。
合格すると…最後にお楽しみがありますよ。
1時間目「おいものすごさをしろう!」
展示室1で、焼き右衛門(やきえもん)というやきいもの妖精が、いつ頃どのようにさつまいもが日本に入ってきたのかなどを解説してくれます。
焼き右衛門の声を担当しているのは…行方市出身のある有名女優さん。
(言われるまで全く気がつきませんでした。むしろ言われても分からないくらいです、女優さんってすごい!)
展示室2では、さつまいもの歴史が勉強できます。
さつまいもや、やきいもの歴史に関わった人たちが勉強する教室です。
各机にボタンがあり、ボタンを押すと歴史や関わりを話してくれます。
ちなみに写真下は森鴎外くん。
森鴎外とやきいもにどんな関係があるの?
気になった方はぜひ、ミュージアムで確かめてみてください。
このクラスの学級委員長は徳川8代将軍の徳川吉宗くん。
思いやりのあるリーダーで、江戸のみんなが飢饉でおなかをすかせて困っているときに青木昆陽くんから、さつまいもは他の作物より自然災害に強いと聞き、江戸やその周りにさつまいもを広めることを決めた決断力があり、みんなをまとめることが上手…。
なんていう話を楽しく学べます!
2時間目「おいものひみつをさぐろう!」
やきいものおならがくさくない秘密を学んだり、小学生うけ間違いなしのおならパーカッションで遊んだり…さつまいもエタノール醗酵装置が展示してあり、さつまいもの未来が学べるコーナーも。
おしりの形をしたおならパーカッションは曲を演奏することもできるので、
おなライブをぜひ♪
3時間目「さつまいもの貯蔵と熟成」
キュアリング倉庫という倉庫の見学ができます。
キュアリングとは、さつまいもを温度32度、湿度90%以上の部屋で数日間ねかせて病気が中に入らないように処理すること。
処理するとさつまいもの皮の下に規則正しく並んだコルク層と呼ばれる組織が出来上がり、いたんだりすることから守ってくれるそうです。
ねかせる時間も品種ごとにちがうので、品種ごとに出荷時期を調整し一年中おいしいやきいもが食べれるんだとか。
4時間目「おいもファクトリー」
工場見学へ出発です!
工場で働く人と同じように手洗いとエアシャワーからスタート。
世界初のやきいも専用トンネルオーブンは19mの長いオーブン。
1時間~1時間半かけておいもを焼いていきます。
このオーブンで、じっくり焼くことによりさつまいもをより甘くしているそうです。
他にもさまざまなおいものスイーツを作る工程を見学でき、製品保管用冷凍庫にも入室できます。
この冷凍庫はマイナス30度!バナナで釘が打てるあの温度です。
タオルを持って入り、室内で振り回すとタオルがこの通り!
お子さんと一緒にぜひ試してみてください!
最後はお楽しみの給食の時間
見学をした工場で生産している大学いもとやきいもの試食ができます。生徒手帳の宿題をスタッフの方に見せて合格すると、焼き菓子のうれしいプレゼントも。
大学いもは、さつまいもに適した温度でじっくり揚げ、特別製法のアメがけをしたファーム自慢の逸品。外はカリっと中はほくほくの食感がおいしかったです。
驚いたのは、日本の大学いものシェアの8割がこちらの商品なんだそう。
某有名回るおすし屋さんや、某有名コンビニで販売する大学いももここから出荷しているそうですよ~。
やきいもは、おいもを焼く釜にもさつまいもの端材を練りこんだ「やきいもレンガ」が使われているというこだわり。
独自のオーブンで中までゆっくり焼き上げることにより他にはない最高の甘さを感じられます。
おいもの種類は、やきいも用に開発したという「いばらきゴールド」というオリジナルブランドを使用。
普通のおいもより小ぶりで、食感はほくほくとしっとりの中間。皮までおいしく食べられました。
課外授業として、手づくりスイートポテト教室にも参加できるので、参加希望の人は入館前にスタッフまで。
※ミュージアム入館料金とは別料金になります。
「畑からそのまま食卓へ」
ミュージアムを堪能し、おなかもすいたところで、
館内のイタリアンビュッフェレストラン「イル リストランテ Farm to the Table なめがた」へ。
ランチメニューは、
パスタセット(税抜1,680円)、ピッツァセット(税抜1,680円)、チキングリルセット(税抜1,980円)、ハンバーグセット(税抜1,980円)、ポークグリルセット(税抜2,480円)、ビーフグリルセット(税抜5,800円)から好きなメニューを選びます。
オーダーしたのは本日のおすすめメニュー
パスタセット「スナップえんどうとじゃがいものだし醤油パスタ」
セットには、おなかいっぱい食べて、しっかりダイエットができるベジタブルビュッフェが付いています。
※平日限定11:00~15:00の間、セットは全てコーヒー又は紅茶付き
おなかいっぱい食べて、しっかりダイエットって一体どういうことでしょう?
その秘密がこちら。
フードプランナーの岸村康代さんの監修で
② ピクルスメニューを先に食べる
③ 生野菜と温野菜を1:1で
④ 食物繊維をたっぷり食べる
⑤ ドレッシングも上手に摂る
⑥ 野菜と相性のよい組み合わせを食べる
⑦ 吸収を考えて食べる
という野菜を食べる7つの秘訣を推奨しています。
おなかいっぱい食べても、食べる順番や、組み合わせを工夫するだけで食習慣や食生活を見直すことができるとのこと。
それらを意識したビューティーベジタブルビュッフェ。
この日のビュッフェメニューは、
・新レンコンのカルパッチョ(美腸・ビューティー)
・彩り野菜ともち麦のマリネ(デトックス・美腸)
・キヌア入りサラダレモン風味
・ルッコラのサラダ いちごドレッシング(美肌)
・カラフルトマトのカプレーゼ(美肌)
・そら豆のポテトサラダ
・パン・バケット いちごジャム
・春キャベツときのこの豆乳グラタン(美肌・デトックス)
・葉玉ねぎとコーンのフラン(美肌)
・ペコロスのグリル アンチョビソース(アンチエイジング)
・小エビとそら豆のマスタードソテー(スタミナ・デトックス)
・さつまいものポタージュ
・春野菜のコンソメハーブスープ(美肌・デトックス)
と、メニューを見ただけで、効き目が感じられそうなラインナップ!
ヴィレッジ内の農園や農家さんから直送されるこだわりの野菜をふんだんに使っています。
素材の味を楽しむ上品な味付けが特徴で、さつまいものポタージュやイチゴジャムなどは、農園部で採れたものを使用し、砂糖少なめで優しい甘さが広がっていました。
新鮮な野菜で、健康に気を使って作られたメニュー、ぜひ試してほしいです。
食農祭やグランピングも
さまざまな農業体験ができるなめがたファーマーズヴィレッジでは、毎月食農祭を開催。
5月、6月の農業体験イベントはこちら!
■いばらきゴールド苗植えすごろく&やきいもファクトリーミュージアム
料金/大人1,800円(税込) 子ども1,600円(税込) 苗植え体験のみ1,200円
内容/楽しく学んでおいもドーナツをゲット。畑で体感したあとは、やきいもファクトリーミュージアムでさらに詳しくやきいもの一生を学びます。最後は、植えたブランドと一緒のいばらきゴールドを食べちゃおう
■青梅収穫&梅シロップ作り体験
料金/シロップ2,000円(個・税込)※1瓶につき2人までの体験になります
内容/フルーツファームで白加賀梅を収穫。その後はお好みのお砂糖を選んで、自分好みの梅作りシロップを体験。シロップはお家にお持ち帰り
■カラフルじゃがいも収穫&手づくりバターのじゃがバター体験
料金/大人2,000円(税込) 子ども1,800円(税込)
内容/ロイヤルファームで色とりどりのじゃがいもを収穫。じゃがいもをほくほくにしている間にシャカシャカ楽しく手づくりバターに挑戦
また、4月27日(金)にオープンしたばかりのグランピングは、テントスタイルとコンテナスタイルの2種類あり、コンテナの屋上からは遠くに北浦を望むことができます。夜は街灯の明かりがないので、星空がびっくりするくらいきれいなんだとか。
(グランピング施設のそばにはツリーハウスも)
目の前には畑があり、採れたて野菜を使ってBBQなどいろいろな楽しみ方ができそうです。
施設内は、地元農家の野菜や地域のお土産、さつまいもを使ったお菓子類などのお土産コーナーも充実です。
「らぽっぽファームベーカリー」では、おいもをたっぷり使用した食物繊維・ビタミン豊富な「不老長寿バケット」や、おいもの層がたぎっしりつまった「ポテトアップルパイ」、ふんわり生地に乱切りおいもをのせ、さつまいもクリームを包んだ「おいもアンドおいも」などおいもを使用したパンがたくさん売っています。
「サクラカフェ」では、その場で作る出来立てのジェラートやスムージーをご用意。
新鮮野菜やフルーツを使用したジェラートソフトはやきいも、紫いも、かぼちゃ、栗、トマト、メロン、梨、イチジク、巨峰、柿など季節によって替わります。
(やきいも味。コーンの部分は+100円でさくらランドグシャコーンに変更可)
このように、なめがたファーマーズヴィレッジは、6次化産業と呼ばれる1次産業の農業、2次産業の食品加工、3次産業の流通・販売サービスに取り組んでいます。
※6次化産業とは、1次産業×2次産業×3次産業=6次化産業の掛け算の概念で、生産し、加工し、販売しながら新しい価値を作っていくもの。
6次化産業ならではの魅力がいっぱいの「なめがたファーマーズヴィレッジ」。大自然の中で収穫して、調理して、遊んで、食べて…贅沢で豊かな時間を過ごしに、皆さんもぜひ遊びに行ってみてください。
場所/茨城県行方市宇崎1561(東京駅から車で約90分)
定休日/月曜(月曜が祝日の場合は営業しています。また、翌日の火曜日も営業しています)
入園料/一部施設を除き無料
やきいもファクトリーミュージアム入館料/大人(中学生以上)800円・子ども(4歳以上)600円・3歳以下 無料 ※無料で入館される場合は試食等はなし
ミュージアム入館+教室参加セット料金/大人1,500円 子ども1,300円
駐車場/無料
時間/
●らぽっぽファームベーカリー 9:00~18:00
●サクラカフェ 10:00~18:00
●ファーマーズマルシェ 10:00~18:00
●おいも熟成蔵・ギフトコーナー 11:00~17:00
●農家キッチン 10:00~18:00
●やきいもファクトリーミュージアム 10:00~18:00(最終受付15:30)
●Farm to the Table 11:00~22:00(食事L.O. 20:30 飲み物L.O.21:00)
農業体験
3月下旬~4月下旬 たけのこ
4月下旬~5月下旬 さつまいもの苗植え
5月下旬~6月中旬 青梅
6月上旬~6月下旬 じゃがいも
6月下旬~7月下旬 トマト
7月上旬~8月下旬 とうもろこし
9月上旬~9月下旬 和栗
9月下旬~11月中旬 さつまいも収穫
10月上旬~10月下旬 お米
11月上旬~12月下旬 黄ゆず
11月下旬~12月下旬 冬やさい
※作物の生育具合によって時期は変動します
問い合わせ/0299(87)1130