思い出のこじま丸~千葉市海洋公民館こじまの航跡・地域活性化シンポジウム

船を利用した公民館が千葉市に1966年から32年間存在したことをご存じだろうか。

この地がかつて海であった象徴として、人々から愛されてきた千葉市海洋公民館「こじま」の航跡をたどってみよう。

 

在りし日のこじま丸

公開 2019/10/16

ちいき新聞ライター

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埋立地のシンボル
船の公民館が鎮座

かつて千葉市美浜区高洲に「こじま」(愛称「こじま丸」)はあった。

現在、高洲スポーツセンターが立っている場所に、全長約80メートルもの船「こじま丸」が公民館としての役割を担ってきた。

海岸線から約2キロも離れた住宅街にある池の中に、本物の船が鎮座していたのだ。

1998(平成10)年に施設の老朽化のため惜しまれつつも解体・撤去されるまで、32年間にわたり市民をはじめ多くの人に埋立地の象徴として親しまれてきた。

海防艦から公民館へ「こじま丸」の船歴

「こじま丸」の前身は海軍の海防艦「志賀」。

戦艦大和の最後の出撃にも関わっていたという。

1945(昭和20)年に竣工されて以来、53年間の船歴の中で、幾度も改装され、海防艦、連絡船、定点観測船などさまざまな任務を立派に果たした。

そして最後に、埋め立てによって失われる海の記憶を継承する施設として、海上保安庁から千葉市に譲渡され公民館となったのだ。

世界初のこの海洋公民館は、注目を浴び、1日数千人もの来館者でにぎわった日もあったという。

シンポジウム実施歴史と存在を知る

200分の1のラジコン模型

 

その「こじま丸」についてのシンポジウムが10月26日(土)に高洲スポーツセンターで開催される。

有識者による基調講演やパネルディスカッション、プールで200分の1のスケールで「こじま丸」を再現したラジコン模型のイベントを実施。

当日は、「こじま丸」の思い出の写真やエピソードを募集している。

これらは、2020年2月に開催予定のパネル展で紹介される。

今後、こじま丸の集大成となるパンフレットも作成予定だ。

シンポジウムの主催者である市民団体ちば文化センターの神作さんは「たくさんの人々に愛された『こじま丸』の存在を知ってほしいです」と話す。

時代とともに「仕事」をこなし活躍してきた「こじま丸」はロマンを感じる唯一無二の存在である。 (りか)

ちば文化センターのメンバー 中央は神作センター長

 

地域活性化シンポジウム

「思い出のこじま丸
~千葉市海洋公民館こじまの航跡」

日時/10月26日(土)
午前10時~午後2時 雨天決行

参加費/無料 ※先着約50人

会場/高洲スポーツセンター
セミナールーム
(千葉市美浜区高洲4-2-2)

問い合わせ/090(7220)5939 神作
(メール)ccc@chibaminato.jp
ちば文化センター